音楽ナタリー Power Push - 神田莉緒香×あらきゆうこ

2度目の赤坂BLITZへ向け日々成長中

昨年12月、自身最大規模となる東京・赤坂BLITZでのワンマンライブを成功させた神田莉緒香。彼女はこのライブではじめてドラマーのあらきゆうこをサポートメンバーに迎え、大きな手応えをつかんだという。その後今年3月に東京と大阪にてピアノトリオ編成で行われたライブでもあらきと共演した彼女は、11月12日に再度あらきを招き、2度目の赤坂BLITZ公演を実施する。

そこで音楽ナタリーでは神田とあらきの対談を企画。昨年共演したときのエピソードや、2度目の赤坂BLITZ公演に向けた意気込みなどを語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 押尾健太郎

何も知らないまま「やるよ」ってOKしちゃった

──神田莉緒香さんとあらきゆうこさんの出会いは、昨年12月の神田さんの赤坂BLITZ公演だったそうですね(参照:神田莉緒香、念願のBLITZワンマン達成でさらなる飛躍を誓う)。

神田莉緒香 はい。だから、まだ出会って半年くらいなんです。

あらきゆうこ もっと前から知り合いだった感じがするね。それくらい楽しくやらせてもらっています(笑)。

神田 やった(笑)。もともとは私のプロデュースをやってくださっている中村タイチさんがあらきさんと知り合いだったんですけど、タイチさんが「いつか神田のライブであらきさんにドラムを叩いてもらいたい」ってずっと言っていて。去年の春、赤坂BLITZ公演の打ち合わせをしているときに「今回は絶対にあらきさんにお願いしたい」ってその場で電話しちゃったんです。

あらき 私はいろんなことができるタイプのドラマーではないので、新しいアーティストと仕事をさせてもらうときは「どんな人で、どんな曲をやっているのか」という情報をまずもらうんですね。でも、タイチくんは昔からよく知っているし、前々から「ぜひ、あらきさんにドラムをやってほしいんです」って言ってくれたのもあって、何も知らないまま「やるよ」ってOKしちゃったんですよね。

左からあらきゆうこ、神田莉緒香。

神田 タイチさんも「あらきさん、やってくれるって! 神田、がんばれ!」って言ってました(笑)。「とにかくすごいドラマーだよ」と聞いていたので、ドキドキしていたんですけど、実際にお会いしたらとても優しい方で。

──神田さんの楽曲を聴いたとき、あらきさんはどんな印象を持たれました?

神田 うわ、ドキドキする。

あらき 最初に聴いたときに「これは私のドラムに合う。本番が楽しみだ」と思いましたね。もともとポップなものが好きだし、しかも四つ打ちの曲が多かったんですよ。

──神田さんの音源は打ち込みが中心なんですよね?

神田 はい、特に1stアルバム(2014年4月発売の「Wonderful World」)は全編を通して四つ打ちの曲が多くて。

あらき ドラマーによっても違うでしょうけど、打ち込みを生で再現することに戸惑いを感じる人もいると思うんです。「打ち込みのままでいいんじゃないか」って。でも私は四つ打ちに燃えるタイプだし、「これは絶対に楽しいはずだ!」と思いましたね。曲もアレンジも好きだし、莉緒香ちゃんの声もすごくよくて。ほぼ全曲、本人が作っているのもすごいなって思ったし、出会えてよかったです。

神田 うれしい……。

あらき ちょっと盛りすぎたかな(笑)。でも、ホントにそう思ってますね。

神田 リハのときもすごかったんですよ。ドラムの方に入ってもらうと“生感”というか、リズムが揺れるじゃないですか。でも、あらきさんは気持ちいいところでずっと叩いてくれて、めっちゃ歌いやすくて。そのおかげで、自分の歌も行きたいところに行ける感覚があったんですよね。自分のことだけに集中できるリハは初めてだったし、初日から「こんなことってあるんだ!?」って感動してました。ただ、その頃はちょっと喉の調子がよくなかったんですよ。「困ったな」って思ってたら、あらきさんが超高級なハチミツのど飴をくれて。

あらき 気に入ったボーカルの子だけにあげる魔法の飴なんです(笑)。

神田 「はい、これ」って感じでさりげなく差し出してくれる感じがすごくカッコよかったんですよね。赤坂BLITZは私にとって一番大きい会場だったし、「どうしよう、やばい」って心配してたんですけど、リハを通して「いける!」っていう気持ちになれました。

やっと演奏の一部になれた

──ライブの2日後にはベストアルバム「いつだってベスト!」をリリースしましたよね。神田さんにとって1つの集大成とも言えるライブだったと思うし、必ず成功させたいというプレッシャーもあったのでは?

神田莉緒香

神田 ありましたね。去年の春に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで「チケットがソールドアウトしなかったら活動休止」というワンマンライブをやったんです。そこで無事ソールドアウトして、次の目標として発表したのが赤坂BLITZだったので。去年の4月から47都道府県の弾き語りツアーを回って、半年以上かけて「どうすれば、もっとお客さんに楽しんでもらえるか?」をずっと考えていて。

──そのタイミングであらきさんとも出会ったと。

神田 すごくいいタイミングだったと思います。赤坂BLITZのライブもホントに楽しかったんですよね。もちろん掘り下げれば反省点はいっぱいあるんですけど、ステージにいるときはずっと楽しかったし、後ろを向いたら、あらきさんが笑ってくれていて。お客さんも最初からニコニコして、盛り上げてくれたんですよ。

あらき 私も楽しかったですね。“自分のバンド”という感じで演奏させてもらえたので。その感謝の気持ちは莉緒香ちゃんにも伝えました。

神田 一番うれしい言葉でしたね。ミュージシャンの方が楽しんで演奏してくれるのは、真ん中に立って歌う自分にとってもすごくうれしいことなので。アンコールで1曲だけ、私もピアノを弾いたんです。「走れハリネズミ」という新曲を初めて披露したんですが、私の弾き語りで始まって、2番からバンドの皆さんに入ってもらって。やっと皆さんの演奏の一部になれた感じがあったし、あのときは大興奮でしたね。

あらき よかったよね。1人で弾き語りできるのも莉緒香ちゃんの強みだなって思いますね。例えば私が「ごめん、ケガしちゃってドラム叩けない」ってなったとしても、「わかりました。1人でやります」って言える強さがある気がする。

連続配信シングル 第1弾「ハッピーソング / 僕と君のストーリー」 / 2016年6月29日発売 / 450円 / HI-RESO MUSIC
「ハッピーソング / 僕と君のストーリー」
itunesへ
レコチョクへ
収録曲
  1. ハッピーソング
  2. 僕と君のストーリー
連続配信シングル
第2弾 2016年8月31日発売
「走れハリネズミ / 帰る場所」
第3弾 2016年10月12日発売
「バンビ / さいごに」
KANDAFUL WORLD Vol.7
2016年11月12日(土)東京都 赤坂BLITZ
OPEN 17:00 / START 18:00
神田莉緒香(かんだりおか)
神田莉緒香

東京生まれのシンガーソングライター。高校2年のときに参加したSony Music主催のオーディションライブでグランプリを獲得し、歌手活動をスタートさせる。2013年に「boyfriend?」「Twilight」という2枚のシングルをインディーズからリリースし、2014年4月に初のフルアルバム「Wnderful World」を発売。2015年4月から10月にかけて47都道府県ツアーを実施し、ツアーファイナルを東京・東京国際フォーラム ホールD5で行った。12月に東京・赤坂BLITZでワンマンライブを実施し、その後ベストアルバム「いつだってベスト!」をリリース。2016年は6、8、10月と2カ月おきに配信シングルを発表し、11月12日に2度目の赤坂BLITZ公演を行う。

あらきゆうこ
あらきゆうこ

Cornelius、Yoko Ono Plastic Ono Band、秦基博、布袋寅泰、CIBO MATTO、smorgasらさまざまなアーティストのレコーディングやライブに参加しているドラマー。ソロプロジェクト・MI-GUとしての活動も行なっており、これまでに「migu」「From space」「pulling from above」という3枚のオリジナルアルバムとベストアルバム「Choose The Light」をリリースしている。