ナタリー PowerPush - Kalafina

デビュー5周年の特別な日を凝縮 WOWOWライブをオンエア

荘厳な世界観を持つ楽曲群と、その上で展開される美しいコーラスワークを武器に国内外で精力的な活動を続けてきたKalafina。今年1月23日にはデビュー5周年を迎え、同日にはShibuya O-EASTで「Kalafina 5th Anniversary LIVE "oblivious"」を開催し、これまでの歴史を統括する圧倒的なステージを披露した。

そんなアニバーサリーライブの模様が、3月13日にWOWOWで放送されることが決定。それを記念し、今回ナタリーではメンバー3人へのインタビューを実施した。あるテーマを掲げて臨んだというライブを振り返ってもらうことでKalafinaのライブ観を浮き彫りにしつつ、番組の見どころを探っていく。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 小坂茂雄

自然体でステージに立てた特別な1日

──デビューから丸5年の1月23日に行われたライブは、今振り返るとどのような時間でしたか?

左からHikaru、Keiko、Wakana。

Wakana アニバーサリーライブという特別な公演でもあったので、会場に来てくださったお客様の愛をとても感じた2時間半でしたね。ほんとにみなさん温かくて、私たちはこんなに素敵な方々に支えられた5年間を過ごしてこられたんだなって改めて感じることができました。

Keiko ライブの直前までは緊張感がありましたが、本番が始まってしまえばお客様の温かさに包まれることで、それも吹き飛んでしまって。デビュー当時の曲をかなり盛り込んだセットリストだったので、思い出がジワジワあふれてくる中、1曲1曲を噛みしめながら歌っていましたね。

──この日の会場となったShibuya O-EASTはKalafinaが初めてワンマンライブをした思い出の場所なんですよね。

Hikaru そうなんですよ。初ワンマンをやった場所で5周年を迎えられたことが本当にうれしかったです。あの日、ステージ上から見た景色や自分の中の気持ちは、初ワンマンのときとはぜんぜん違っていましたね。当時はものすごく緊張していたし、Kalafinaの音楽をどう伝えていこうかっていうことばかり考えてステージに立っていたと思うんですよ。でも1月23日はお客様が温かく見守ってくださっている中で、5年間やってきたことを素直に表現すればいいんだって思えたんです。「ここまで支えてくれてありがとう」「これからもよろしくお願いします」っていう気持ちをしっかり届けることができたんじゃないかなって思います。

──お客さんとの距離がものすごく近かった印象がありましたよね。ライブハウスだからという物理的な距離だけではなく、気持ちがしっかり寄り添っていたというか。

Keiko 本当にそうだと思います。みんなの表情がよく見えたし、みんなの気持ちが手に取るように感じられましたから。だからこそ、私たちもカッコつけるのはやめようって思えたというか。ものすごく自然体でステージに立てていたと思うんです。

Wakana Kalafinaは楽曲の世界観を大事にしているので、そのイメージを崩さないようにしながら自然体でステージに立つっていうことがなかなかできなかったりもするんですね。そういう意味で、やっぱりあの日は特別な1日だったんだなって改めて思います。本当に楽しかったです。

──とは言え楽曲のパフォーマンスとしてはKalafinaらしい世界観が明確に作り上げられていて。そこにグッと引き込まれるんですよ、やっぱり。

Keiko 最近のKalafinaはいろんなタイプの曲に挑戦していますけど、そもそもは劇場版アニメ「空の境界」のために結成されたグループでもあるので、初期の頃は世界観が明確に固まった曲をたくさん歌わせていただいていたんですよ。だから、そういった曲を数多く歌ったあの日のライブでは、そこをより感じていただけたのかもしれないですね。あとは5年間活動してきたことで自分たちの表現の幅が広がってきたので、自然体でいながらもKalafinaとしての世界観をしっかり描き出せるようになってきたところもあって。ある種、楽曲に自分たちが追い付いてきたというか。そういう意味では、ここでやっとスタート地点に立てたのかもしれないなって思えたライブでもありましたね。

テーマは“驚くほど丁寧に”

──この日のライブを行うにあたって、あらかじめ3人で決めていたことって何かありました?

Keiko

Keiko 驚くほど丁寧に、だよね(笑)。

Wakana うん。それがテーマだったんですよ。私たちはライブ前に3人で円陣を組むんですけど、そのときってだいたいシビアなことを言うようにしてるんです。

Hikaru 「本番では誰も助けてくれないからね」とか。

Keiko 「ツアー初日は何が起こるかわからないよ」とか。で、この日は“驚くほど丁寧に”をテーマにして。やっぱり特別な日ということがあったので、嫌でも気持ちが舞い上がっちゃうと思ったんですよ。だから、そういうテーマを決めていくくらいがちょうどいいんじゃないかなって。

──結果どうでした?

Wakana 驚くほど舞い上がりましたね(笑)。

──あははは(笑)。

Wakana お客様がたくさんパワーをくれたので、本当に興奮しちゃって。でも結果的にすごく思い出に残る1日になったし、お客様からのアンケートでも温かいお言葉をたくさんいただけたのでよかったなって思いますね。

ニューアルバム「Consolation」/ 2013年3月6日発売 / SME Records
初回限定盤A [CD+DVD] 3800円 / SECL-1280~1
初回限定盤B [CD+Blu-ray Disc] 3999円 / SECL-1282~3
通常盤 [CD] 3000円 / SECL-1284
CD収録曲
  1. al fine
  2. consolation
  3. moonfesta~ムーンフェスタ~
  4. Door
  5. 未来
  6. 花束
  7. signal
  8. obbligato
  9. 木苺の茂みに
  10. 満天
  11. to the beginning
  12. ひかりふる
  13. 夢の大地
初回限定盤A DVD / 初回限定盤B Blu-ray収録内容
  • 新曲「夢の大地」(NHK「歴史秘話ヒストリア」エンディング)Video Clip、昨年ドイツで行われたアニメイベント「AnimagiC 2012」のドキュメント映像
Kalafina(からふぃな)

Wakana、Keiko、Hikaruの3人からなる、梶浦由記プロデュースの女性ボーカルグループ。アニメ映画「劇場版 空の境界」の主題歌を歌うプロジェクトとして結成され、2008年にシングル「oblivious」でデビュー。2009年よりライブ活動を本格化させ、2010年には初の海外ワンマンツアーを台北、上海、香港で開催した。2012年に人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のエンディングテーマ「Magia」を含む3rdアルバム「After Eden」を発売。デビュー5周年記念日となる2013年1月23日には初のライブアルバム「Kalafina 5th Anniversary LIVE SELECTION 2009-2012」を発表し、同日に東京・Shibuya O-EASTで行ったアニバーサリーライブも大成功を収めた。3月20日には4thアルバム「Consolation」をリリース。アメリカ、マレーシア、ドイツなどのアニメイベントにも出演し、ワールドワイドな活動を行っている。