ナタリー PowerPush - JUJU

“ストーリーテラー”が語るジャズへの憧れ

11月4日(月・祝)15:00より計5時間にわたって、WOWOWライブにてJUJUの特集プログラムJUJUスペシャル ~JAZZ・COVER・ORIGINAL全て見せます~」がオンエアされる。この番組では、JUJUのビデオクリップを集めた「JUJU MUSIC LIBRARY」、昨年“ジュジュの日”(10月10日)に日本武道館で行ったカバーライブ「ジュジュ苑」の映像、そして今年8月15日に2ndジャズアルバムを携えてジャズの聖地・ブルーノート東京で開催したライブの模様が堪能できる。

ナタリーでは番組放送を記念してJUJUにインタビューを敢行。3つの番組のうち、直近の「JUJU JAZZ TOUR 2013 at ブルーノート東京」をフィーチャーし、彼女のジャズに賭ける思いや歌手として活動し続ける根源に迫った。

取材・文 / 鳴田麻未 撮影(ライブ写真を除く) / 中川容邦

皆さんドゥワドゥワしたかったんだ

──今回WOWOWで、8月15日にブルーノート東京で行われた「JUJU JAZZ TOUR 2013~DELICIOUS 2nd Dish~」追加公演の模様などが放送されます。あの公演はJUJUさんの原点であるジャズをテーマにしたライブで、会場はジャズの聖地・ブルーノート東京ということもあり、感慨もひとしおだったのではないかと思います。

「JUJU JAZZ TOUR 2013~DELICIOUS 2nd Dish~」ブルーノート東京公演の模様。

はい。ブルーノート公演は今回が3回目だったんですけど、自分がいちファンとしてずっと通っていた場所に、3年連続で帰れたっていうのは本当に幸せなことで。住みたいぐらい大好きなんですね、ブルーノート(笑)。ゆったりお酒を飲みながらライブが観れるし、ごはんもむちゃくちゃおいしいし。いつもあっという間に終わってしまうので、今振り返っても「夢だったのかな」という気がします。

──数あるライブ会場の中でも、ブルーノートは格別という気持ちがあります?

はい。

──今回は1度目、2度目のブルーノート公演と比べて何か違うところはありましたか?

1回目よりも2回目のほうがスタッフの方とも仲良くなったりして親しみが湧くっていうか、距離感がつかめているぶん1回目よりも怖くなくて。で、2回目よりも3回目のほうがより落ち着いてできたなと思います。

──ステージで披露して印象に残っている曲は?

やっぱり「It Don't Mean A Thing」でしょうね。ブルーノート公演だけじゃなくて全会場、あの曲になると皆さんすごく盛り上がってくださって。ステージの後半にあるからお酒も回ってるというのもあるかと思うんですけど、皆さんドゥワドゥワしたかったんだっていうのが感じられて(笑)。まあ、私が一番はしゃいでましたけど(笑)。

──ビッグバンドとJUJUさんの相性がこんなにもいいというのは、ファンとして新たな発見でした。

私もそうでした。あの曲のレコーディングのとき、「この、ビッグバンドを聴きながら血がザワザワしてる感じは何? 初めてだな」って思って。食べ物の趣味とかが歳とともに変わっていくのと一緒で、音楽の趣味も変わっていくのかなっていうのを痛感した瞬間でした。ジャズで“アガる”っていう感覚を初めて知りましたね。

ジャズだけは「子供じゃダメだ」って

──ここからは、JUJUさんにとってジャズとは?ということを聞かせてください。

「JUJU JAZZ TOUR 2013~DELICIOUS 2nd Dish~」ブルーノート東京公演の模様。

ジャズに対しては、憧れがとても強かったっていうか「たぶん仲良くなるには時間がかかる音楽だろうな」と思ったのが最初だと思います。小さい頃、叔父は演歌、叔母はシャンソンとかジャズ、母はディスコミュージックを聴いていたので、私はいろんな音楽が好きになったものの、ジャズだけは「子供じゃダメだ」って思っていて。だから大人になるのが待ち遠しかったんですよ。そのあと私はクラブミュージックのほうに好みが傾いていくんですけど、ヒップホップともすぐ仲良くなれたし、ハウスとも仲良くなれた。でも、ジャズだけは憧れるばっかりで仲良くなるのにまだまだ時間がかかっていて。

──うんうん。

で、ニューヨークに行って、ジャズシンガーになりたいと思った矢先に「あ、これはまだ無理だな」っていうことに行き当たって。

──なぜですか?

私はその頃、毎日いろんなクラブに遊びに行ってて、「ヒップホップもR&Bも歌いたい、ハウスだってポップスだって歌いたい、昭和のムード歌謡も好きだし」みたいな感じだったんですね。その傍ら、向こうのジャズマンは本当にジャズしかやってなくて。自分もこのぐらいストイックに向き合わないと、ジャズやりたいなんて言っちゃいけないんだろうなって思って、そこでまた自分の“まだ子供さ”にぶち当たったんですよね。だから、ジャズはすごく素敵で好きだけど、ずっと憧れの存在でした。

WOWOWライブ「JUJUスペシャル ~JAZZ・COVER・ORIGINAL全て見せます~」
2013年年11月4日(月・祝)
15:00~「JUJU MUSIC LIBRARY」 16:00~「JUJU ジュジュ苑全国ツアー2012 at 日本武道館」 18:00~「JUJU JAZZ TOUR 2013 at ブルーノート東京」
JUJU(じゅじゅ)
JUJU

18歳で単身渡米。ニューヨークでシンガーとしての実績を積んだのち、2004年8月にシングル「光の中へ」でメジャーデビュー。2005年から日本でのライブ活動をスタートさせる。2006年にリリースしたシングル「奇跡を望むなら...」は、異例のロングヒットを記録。2010年3月発表の3rdアルバム「JUJU」は第52回日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞し、同年9月にリリースしたカバーアルバム「Request」はオリコン2週連続1位を獲得する。2012年11月には2枚同時に初のベストアルバム「BEST STORY ~Love stories~」「BEST STORY ~Life stories~」をリリース。2011年、2013年にはジャズアルバムを発表している。