ナタリー PowerPush - JASMINE

遊びじゃない! 衝撃的3rdシングルついに完成

内に秘めた感情をストレートに切り取った歌詞と、魂を揺さぶる歌の力で2009年大きな注目を浴びた弱冠20歳のシンガーソングライター、JASMINE。2010年は3月3日発売の新曲を皮切りに3カ月連続リリースが決定し、いよいよ本格的なブレイク直前といった雰囲気が漂っている。

今作「THIS IS NOT A GAME」は、昨年秋、NE-YOのジャパンツアーに同行してオープニングアクトを務めたときの経験をもとに制作。6月からは初の全国ツアーも決定した彼女に、ライブに対する思いや今回の楽曲についてじっくりと語ってもらった。

取材・文/川倉由起子

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ライブが終わった後、ずっと頭がクラクラしてた

──3rdシングル「THIS IS NOT A GAME」。まず確認なんですが、タイトルは「遊びじゃない」という意味で大丈夫ですか?

そうですね。「遊びじゃねーぜ!」って感じです。

──なかなか衝撃的なフレーズですよね。

はい、確かに(笑)。

──歌詞には恋愛中の情熱的な思いが、すごくストレートに描かれていると思ったんですが。

あ、そう感じていただきましたか。

──というのは?

実はこれ、あえて恋愛の曲として聴こえるように書いたところがあって。ちなみに最初に付けてたタイトルは「ステージ」で、自分が歌い手として立つステージや、お客さん側から見たステージについて、あとどうしてステージに立つのかとか、いろいろ考えた時期があったんです。

──そう思ったきっかけは何だったんですか?

やっぱり去年10月にやらせてもらったNE-YOさんのオープニングアクトが大きかったですね。初日はさいたまスーパーアリーナっていう本当に大きな会場でやらせていただいて、それがあまりにも自分の中で衝撃的な出来事だったんですよ。終わった後とか、ガーンって頭を殴られてずっとクラクラしてるみたいな感じで(笑)。本番まではけっこうリラックスしてたんですが、直前で急に緊張というか、わわわわー! っていうのが来ましたね。

──それは言葉で表すとどんな感じ?

なんか、血が普段の3倍の速さで流れてるみたいな。

──前回のインタビューでは、そうなったときに「アスミ(本名)」から「JASMINE」になるって言ってたんですよね。そうなりました?

はい、化けちゃいましたね。自分でも止められない、非常に扱いづらい状態に(笑)。もう理性がないって感じでした。歌ってる間は正直、自分のことでいっぱいいっぱいな感じでしたけどね。

ステージに立つ人間が夢中になれば、聴くほうも夢中になる

──そんな経験が、どうやってこの曲へとつながっていったんですか?

簡単に言ってしまうと、あれだけの人の前に立ったときの“バチアガる”感じを表現してみたいと思いまして。以前、観客としても同じ会場でライブを観たことがあったので、今回叶った「両面からステージを楽しむ」という貴重な経験をもとに曲が作れたらなって。でも「どうして私はライブが終わってクラクラしたんだろう?」っていうのがわからなきゃ曲にできないと思ったから、「ライブってなんだろう?」「なんでライブに行くんだろう?」とか、ずっと考えてたんですよね。

──そして、どんな答えが見つかりましたか?

やっぱりステージに立つ人間が夢中になれば、聴くほうも夢中になるってこと。そこんとこ、かなり大事だなって思ったんです。ライブって仕事も住む場所も何もかもバラバラの人たちが、そのアーティストだけでつながってるわけですよね。しかも、それぞれ悩みとか不安とかいろいろな思いを抱えて。でも、そういうのを全部忘れられちゃうくらいガーッとアガれることって、実はすごく必要というか。

──JASMINEさんもライブでそういう経験をしたことは多いんですか?

かなりありますね。もう視界に入ってるのが目の前のそれだけっていう状況。好きな曲がかかったりすると特にです。見てるとこ以外すべての場所に麻酔を打たれたみたいな感覚になるんですよね。

──なるほど。

で、そういう状況をどうやって作っていくかというと、ステージに立って何かを魅せる人間が目の前のことに全神経を注ぐことが大切で。そうすると観ている側も引っ張られるし、いっしょにアガっていける。そういう感じをこの曲には込めたかったんです。

──てっきり恋愛の曲だと思っていましたが、言われてみるとそう捉えることもできますね。

はい、結果的には聴く人によっていろんな捉え方ができる曲になったなって。私の場合はそれがたまたま音楽だったけど、人それぞれの「ステージ」って絶対にあるから。例えばすごく釣りが好きな人だったら魚に対しての思いでもいいわけだし(笑)。そこに愛情が存在してるっていう意味では、もちろん男女の恋愛と思ってもらってもいいですしね。

ニューシングル「THIS IS NOT A GAME」 / 2010年3月3日発売 / 1020円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2089

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CD収録曲
  1. This Is Not A Game
  2. MY LIFE, MY LOVE, MY ALL

※1万枚完全限定生産

JASMINE(じゃすみん)

13歳でゴスペルクワイアに加入し、15歳でアメリカ遠征に参加。その後シンガーの道を志し、17歳から都内のクラブを中心に本格的な活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズとメジャー契約を締結。2009年春からは音源未発表にもかかわらずJ-WAVEでレギュラー番組を担当し、その飾らないキャラクターも話題に。楽曲はすべて本人が作詞作曲を手がけ、心を打つメロディと等身大の感情を描く鋭い歌詞が熱い注目を集めている。