ナタリー PowerPush - Hostess Club Weekender

ねごと蒼山&沙田×オフィシャルカメラマンが語る「洋楽イベントのススメ」

Radiohead、ベック、Arctic Monkeysといったアーテイストの日本盤の流通・販売、マーケティングなどに関わっている洋楽専門音楽会社Hostess Entertainment。このHostess Entertainmentが主催するイベント「Hostess Club Weekender」が2012年からスタートし、これまでにTravis、Vampire Weekend、The Horrors、Mogwaiなどが出演している。8回目を迎える同イベントが6月21、22日に東京・新木場STUDIO COASTで開催される。今回出演するのは、Blonde Redhead、Simian Mobile Disco、Perfume Genius、ソン、Highasakite(以上21日出演)、キャット・パワー、Cloud Nothings、Joan As Police Woman、Toy、The Bohicas(以上22日出演)の全10組。今注目すべき気鋭のアーティストがそろった、充実のラインナップが実現している。

今回ナタリーでは「Hostess Club Weekender」のオフィシャルフォトグラファーを務める古溪一道(こけいかずみち)と、2012年6月の同イベントに出演したThe Cribsと交流があり、洋楽インディロックのファンでもあるねごとの蒼山幸子(Vo, Key)&沙田瑞紀(G)による対談を企画。このイベントの魅力、今回の公演の見どころなどについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 上山陽介
ねごとヘアメイク / 山本隆太 ねごと衣装 / To b. by agnès b.

誰が出るか決まっていないときから「絶対行きたい」

左から蒼山幸子、古溪一道、沙田瑞紀。

──蒼山さん、沙田さんも実際に「Hostess Club Weekender」に行ったことがあるんですよね?

沙田 はい。2012年6月に行ったんですけど、“今が旬”っていうバンドがこれだけたくさん出演しているイベントなので、本当に楽しくて。

蒼山 うん。イベントの前にThe Cribsと対談させてもらったんですけど、ライブのMCで「ねごとが好きな曲だ」と言って「Mirror Kissers」を演奏してくれたんですよ。

──ねごとがカバーしてる曲ですね。古溪さんは第1回からオフィシャルフォトグラファーとして関わっていて。

古溪 自分から「撮らせてください」って連絡したんですよ。まずなにより単純に、このイベントに出ているアーティストを観たかったんですよね。それは「仕事がなかったとしても、観に行きますよ」ということなんですけど、せっかくだったら仕事として関われたらうれしいなと。出演しているバンドのほとんどが自分のツボだったし、海外の音楽を聴いてる人だったら「これが観たい」って反応するバンドが必ず出てるんじゃないかなって思います。

沙田 うん、そうですよね。

古溪 Hostessというひとつのレーベルの中で、これだけのアーティストを集められるっていうのもすごいですよね。あと、ビッグスターというよりもインディペンデントな香り、オルタナティブな香りを持ったバンドが出演しているイメージがあって、個人的にはそこも好きなんですよ。今回が8回目ですけど、誰が出るか決まっていないときから「このイベントには絶対行きたい」という気持ちがあるんですよね。

──「Hostess Club Weekender」というイベント自体を信頼している、と。

古溪 そうですね。

沙田 洋楽が好きでも、ライブに行く機会って少ないと思うんですよ。例えばフジロックに1人で行くのは敷居が高いかもしれないけど、このイベントはもっと気軽というか、ちょっとした好奇心があれば行けるんじゃないかなって。

蒼山幸子

古溪 チケットの値段も良心的ですからね。1日券が7900円で、2日通し券が1万3900円でしょ? この値段で、海外のバンドを1日5組観れるって、すごいことだと思いますよ。しかも演奏時間もしっかり取ってるというところもいいと思います。最短でも45分、最後のほうに出るバンドは60分から90分くらいやってくれるから、アーティスト側もライブの流れを作れるし、やりやすいんじゃないかなって。もちろん、観る側もじっくり堪能できますよね。

蒼山 それくらいの時間があれば「このバンドって、こういう感じなんだな」っていうのがつかめるので。

沙田 転換の時間もバンドの映像が流れていて、そこでかかっている音楽に惹き付けられたり。全然退屈することがなかったですね。

毎回「このバンドもいいな」っていうアーティストに出会える

──古溪さんはイベント当日も「今日はこのバンドがよかった」と感想をツイートしてますよね。

古溪 そうですね。基本、ファン気質なので(笑)。あと、写真を撮っていて「この人、カッコいい」って気付くこともあるんですよ。ステージで絵になるアーティストというか。海外のバンドの場合、撮影は最初の3曲くらいということも多いから、あとはじっくり見られるんですよね。

沙田瑞紀

沙田 いいですねえ(笑)。

──これまでの「Hostess Club Weekender」の中で、特に印象に残ってるバンドは?

古溪 たくさんあるんですけど、1回目でよかったのはオーウェン・パレットかな。2回目は、今回も出ているCloud Nothings。The Cribsもよかったし、ウィリス・アール・ビールやPerfume Geniusも素晴らしくて……このイベントって、最初に出てくるバンドに“当たり”が多いんですよ。

Cloud Nothings "I'm Not Part of Me" (Live at Baby's All Right)

──魅力的なニューカマーを発見する場所でもある、ということですね。

古溪 うん、毎回発見がありますね。お目当てはほかのバンドだったとしても、「このバンドもいいな」っていうアーティストに出会えるっていう。

沙田 私たちが行ったときもそうでした。

蒼山 お客さんの熱気もすごくて。私たちと同じくらいの世代の方もけっこう来てたんですよ。盛り上がり方が自由というか、邦楽のフェスとはまた違った雰囲気でした。

古溪 このイベントのお客さんって、しっかり音楽と向き合って聴いてるっていう印象があるんですよね。そのうえで、好きなように盛り上がってるというか。邦楽のフェスだと、サビで決まった動きをしたり、ある程度のBPMとビートがあればサークルモッシュが起きたりするじゃないですか? あれはあれでひとつの楽しみ方だし「面白いな」って思うんだけど、一方で「もっとステージを観てほしいな」と思うこともあるので。

Hostess Club Weekender
Hostess Club Weekender
2014年6月21日(土)
東京都 新木場STUDIO COAST
OPEN 12:45 / START 13:45
出演者
Blonde Redhead / Simian Mobile Disco performing WHORL / Perfume Genius / ソン(Sohn) / Highasakite
2014年6月22日(日)
東京都 新木場STUDIO COAST
OPEN 13:00 / START 14:00
出演者
キャット・パワー(Cat Power) / Cloud Nothings / Joan as Police Woman / Toy / The Bohicas
料金
1日券 7900円(ドリンク代別)
2日通し券 1万3900円(各日ドリンク代別)
ねごと ライブ情報
ねごとpresents 「お口ポカーン!! "Z"OOM in Z day」

2014年7月20日(日)東京都 EX THEATER ROPPONGI

ねごと

全員平成生まれの蒼山幸子(Vo, Key)、沙田瑞紀(G)、藤咲佑(B)、澤村小夜子(Dr)からなる4人組ロックバンド。高校2年生だった2008年1月に結成し、春に開催された「閃光ライオット2008」に応募。8月に行われた決勝大会に進出。審査員特別賞を受賞する。2010年2月より行っている自主企画「お口ポカーンフェス?!」も毎回好評を博している。2010年9月29日、1stミニアルバム「Hello! "Z"」をKi/oon Musicよりリリース。2011年3月発表の1stシングル「カロン」はau「LISMO!」のCMソングとしてオンエアされ、幅広い層から注目を集めた。同年7月、初のフルアルバム「ex Negoto」をリリースし、オリコン週間ランキングでトップ10入り。「SUMMER SONIC」「ROCK IN JAPAN FES.」「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」「MONSTER baSH」「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER」など、多数のフェスに出演する傍ら、「GirlsAward」「HARAJUKU KAWAii!! FES.「などといったカルチャー系イベントにも出演。2014年3月には2ndミニアルバム「"Z"OOM」を発表した。これまでに7枚のシングル、2枚のミニアルバム、2枚のフルアルバムをリリースしている。