「アンダンテ」は長く愛される曲にしたい

──メジャーデビュー曲の「アンダンテ」は皆さんにとっても特別な楽曲だったと思うんですけど、リリースするときに何か課題みたいなものはありました？

谷尾　「アンダンテ」はメジャーデビュー曲として用意されて渡された曲ではなくて、ツアー中に新曲としてできたもので。だからメジャーデビューとかそういう話の前にずっとライブで歌ってましたし、自分たちの自信にもつながる曲になってました。そういう気持ちもあったからメジャーデビュー曲ではあるけど、今まで歌ってきたどの曲よりも長く愛される曲にしようって思ったんです。この曲は特にライブの序盤で歌うことが多いから、気合いが入るしもう欠かせない存在になってます。

──自信作でメジャーデビューという最高のスタートを切れたわけですよね。

奥村　そうですね。それにひめキュンを知らなかった地元の人から「ひめキュンってこういう曲をやるんだ」って言われたし、テレビのCMでもたくさん流れたらしくていろいろな声をいただきました。そういう力を持った曲なんだなって。

河野　8人の時代に制服を着てかわいらしい曲をやってたときもあったんですけど、そういう時代しか見てなかった人たちにとって、「アンダンテ」は衝撃的だったみたいです。

私たちもモラトリアムのまま夢を追いかけたい

──そして2ndシングル「モラトリアム」が完成しました。最初に聴いたときの印象は？

谷尾　曲の最初の印象は「ひめキュンぽくないな」って。これ大丈夫なのかなっていうか、すごい不安でした。もしかすると私たちの色が出せずに違う人が歌ってるみたいに思われないかな、と。だけど実際私たちで歌ったものを聴いたら、ちゃんとひめキュンの曲だなって。私たちの色に合うように作っていただけてるんだって、そのとき感じましたね。

──まだそれほどライブでは披露されてませんが、ファンの反応は？

河野　最初に発表したときは曲名も何も言ってなかったんですけど、すごくノッてくれてました。

谷尾　セットリスト的に「アンダンテ」が序盤で勢いづかせる役目ならライブの中盤で盛り上げる役目なのが「モラトリアム」ですかね。

──そういう意味ではライブで武器になる曲がまた増えたということですね。

奥村　序盤の4曲くらいが一番体力的に厳しいところなので、「モラトリアム」は中盤以降で再度激しくリスタートさせる、みたいな。

──歌詞の意味についてはどう解釈してますか？

奥村　子供の頃って夢を持ってそれに向かって一生懸命になると思うんですけど、大人になると現実的に夢を諦めなきゃいけないこともあるじゃないですか。でもそうなるくらいだったら子供と大人の中間くらいのモラトリアムのまま夢を追い続けていたい、という意味だと思ってます。

──共感しました？

谷尾　否定的な意味でモラトリアムって使われていると思うんですけど、この曲はそうじゃなくて、夢を追いかけてがんばっているほうがカッコいいんじゃないか、って歌っていて。そういうところには共感できますし、私たちもモラトリアムのまま夢を追いかけたいなって思います。

海を飛び越えてライブがしたい

──ひめキュンの楽曲は一貫してロックチューンばかりですけど、この路線はこれからも変わらず？

岡本　そうですね、ロックはなんか楽しいです。

──今、ロックテイストな楽曲を好むアイドルグループが多くなってきましたよね。その中で、ひめキュンが追及していくロックって今後どうなっていくと思いますか？

谷尾　ひめキュンってもともとロックの基盤があるところから始まったグループなので、アイドルとロックのコラボレーションという流れというよりは軸の部分がそもそもロックなんですよ。その軸にどうアイドルの要素を加えていくか……という感じだったので、どういうロックを追及していくかというよりはひめキュン自体を今後どう表現していくか、というのが正解だし課題でしょうか。

──なるほど、そういう意味ではロックしかないんですね。

谷尾　はい。しかもロックアーティストやバンドの方から楽曲提供されているわけではないので、ひめキュンオリジナルの楽曲としてのロックですからね。私たちにしか出せないロックです。

──今年ももう終わってしまいますが、2014年の目標みたいなものはありますか？

菊原　今年はメジャーデビューもできて、ツアーで全国に行かせていただいたんですけど、まだ20個くらい行ってない県があって。半分は過ぎたんですけどやっぱり全部行きたいです。あとは海外のファンの方も増えてきたので海を飛び越えてライブしたいですね。

──どこでやりたいですか？

河野　ピラミッド。

──ピラミッドの上でライブを？

河野　そう。上で。お客さんは知らないです。

谷尾　それなら私はフロリダがいい。ハリーポッターのお店があるので、そこでライブして観光して帰る。

岡本　それは自分で行け！