ナタリー PowerPush - ふくろうず
ボーカル内田万里が明かす 2ndアルバム「ごめんね」制作秘話
最新アルバムには、ベースがボーカルをとった曲も
──10月6日にリリースする2ndアルバム「ごめんね」の収録曲は、いつ頃レコーディングしたものなんですか?
すべて今年に入ってからです。3~4カ月ほどかけて作りました。
──スパンとしては結構長いですよね。
みんなまだ学生なので、2週間なり1カ月なり、まとまった期間をとることができなかったんです。
──CDを聴いて、全体的にまず内田さんの声の力をすごく感じる作品だと思ったんです。ご自身は無意識かもしれないですが、内田さんの声って日本語が英語のように聴こえたり、声も楽器の一部のような響き方をするなって。
うーん、「何を言ってるのかよくわからない」とは言われたことがあるんですけど。でも、今は前よりマシというか、何を言ってるかわかるようにはなってきてると思います。
──すごく伸びやかで綺麗な声だと思いました。ちなみに、3曲目「街はいつも雨のよう」は男性のボーカルですよね?
はい。これはベースの安西が歌っています。
──どうしてそういうことになったんですか?
たぶん、私があんまり歌いたくなかったから頼んだんじゃなかったかな?
──ふくろうずでは、楽曲によってボーカルが変わることはよくあるんですか?
……というか、基本的に私は歌いたくなくて。できれば曲作りだけをやりたいというか、そっちのほうが向いてると思うんです。
──それは意外でした。
「街はいつも雨のよう」は、私が歌ってないこともあって、楽曲としてはメンバー全員で作った感じが強い1曲になったと思います。
歌詞には、そこにある以上の意味を持たせてない
──アルバムの楽曲には、一貫したコンセプトがあるんでしょうか?
いや、今回そういうものは正直なくて。アルバムを作ろうと思って書いた曲というより、今までにあった曲を出したという感じなんです。基本、普段から曲単位で作っているので。でも、アルバムに入れるんだったら、ある程度バラエティに富んでいたほうがいいだろうという基準で選曲しましたね。
──歌詞に関して言うと、どれも内田さんワールドというか、すごく作風が立ってる気がしたんですよ。普段、歌詞を書くときに意識していることってあるんですか?
特にはないんですけど、あまりストーリーは作らないですね。あと、私は歌詞に、そこに書いてある以上の意味を特に持たせてなくて。あえて深読みをさせるようなことを書いたり、言葉遊びをしたりはしていないつもりなんです。
──なるほど。
ただ、そこから受け取る側の人がいろいろ感じ取ったり、私が込めてないような意味を感じ取ってもらうのは、すごくいいことだと思っていますね。
──ご自身としては、そこに書いてある以上の意味はないと。
はい。そこにあるのがすべてだし、そうあるべきだと思うんです。
実際に歌うと、結構疲れる曲も多いんです
──来たる11月28日には、代官山UNITでワンマンライブが行われます。これは、アルバム「ごめんね」を中心としたステージになりそうですか?
そうですね。でも、スケジュールはアルバムが出てから1カ月半くらい先になるんですよね。今まで30分くらいのライブしかやったことがないので、セットリストはこれからみんなで考えようという感じです。
──ワンマンは2回目だそうですが、スタミナ的にはどうでしょう? CDで聴いている分には、1曲1曲の歌に対してすごく体力を使うという感じがしたんですが。
あぁ、そうなんです。今回のアルバムの中だと「マシュマロ」という曲が特に疲れますね。それをワンマンの中でやると思うと……。というのも、曲作りをしているときは、自分が歌うことを考えてないんですよ。曲だけ先に作っちゃうんで、実際に歌ってみると結構辛い曲があったりして。でも、ライブをやる以上は、もちろんいいライブにしたいと思っています。がんばります。
LIVE INFORMATION
- MEGA★ROCKS 2010
- 2010年10月9日(土)
宮城県 仙台LIVE HOUSE enn 3rd - ごめんねインストア
- 2010年10月30日(土)
東京都 タワーレコード渋谷店 B1F「STAGE ONE」 - MINAMI WHEEL 2010
- 2010年11月14日(日)
大阪府 大阪CELL BLOCK - ごめんねワンマン
- 2010年11月28日(日)
東京都 代官山UNIT
ふくろうず
内田万里(Vo,Key)、石井竜太(G)、安西卓丸(B,Cho)、高城琢郎(Dr)からなる4人組バンド。2007年に東京で結成され、ライブを中心に活動を展開する。2009年12月には初音源となる5曲入りミニアルバム「ループする」をライブ会場等で限定発売。スーパーカーやクラムボン、キセルなどを手がけた益子樹(ROVO他)をエンジニアに迎えたこの作品は、独特の世界観と完成度の高いサウンドで大きな話題を呼び、2010年4月に2曲を加えた全国流通盤として再リリースされる。この全国流通盤をきっかけに人気を全国区に拡大させ、メディアのライブイベントにも精力的に出演。2010年10月にニューアルバム「ごめんね」をリリースする。