ナタリー PowerPush - 欧陽菲菲

Jeff Miyaharaと奇跡のコラボ実現
名曲が現代的に生まれ変わる

新曲って言うのも変だしいろんなことが不思議

──ところで、今回の企画を聞かれたとき、菲菲さんはどう思われました?

インタビュー風景

菲菲 自分が過去に歌った声を使って新しくアレンジするなんていう経験は、今までにもないし考えたこともなかったから、最初は「えーっ!?」って。実はJeffさんとお会いするのも今日が初めてなの。

Jeff そうなんですよね。

菲菲 でも、初対面という感じがしなくて。

Jeff 音楽でつながってる、っていうことなんでしょうね。

菲菲 新しい「ラヴ・イズ・オーヴァー」も、新曲って言うのも変だし、いろんなことが不思議で。

──「ラヴ・イズ・オーヴァー」をリアレンジするにあたって、Jeffさんはプレッシャーを感じたりしましたか?

Jeff このお話をいただいたとき、最初の1秒は「やったーっ!」と喜んで、次の瞬間「どうしよう!?」って(笑)。名曲中の名曲ですからね。今までにたくさん曲を作ってきましたけど、その中でも一番家族に喜ばれたのがこの曲ですしね。「どうなってるの、 まだ聴かせてもらえないの?」って毎日のように電話がかかってきたり(笑)。しかも、オリジナルのマスターテープがものすごく良い状態で保存されていて、28年経っていてもこんなに素晴らしいレコーディングがオリジナルのまましっかり残っているんだっていうことにも感動しました。

菲菲 へぇーっ! 28年前の菲菲がねえ。

Jeff そうなんですよ。で、実際にそれを聴かせていただいたときにもっと感動して。ホント素晴らしいパフォーマンスで、スピーカーから飛び出してくる菲菲さんの情熱がすごくって、それによってこちらもいろんな表情のアレンジを引き出させてもらったというか、自然に良い感じに仕上げることができたかなと思います。

その場に合った「ラヴ・イズ・オーヴァー」を歌えばいい

──菲菲さんは新たな「ラヴ・イズ・オーヴァー」を聴いて、どう思いましたか?

菲菲 あのねえ、不思議(笑)。だって、28年前の自分の声でしょ。そこにJeffさんが今のニュアンスをうまく入れてくれて、それがすごく自然でね。28年前の曲がまだ活き活きしてる。これは原曲の良さと皆さんの力があってこそよね。

──「ラヴ・イズ・オーヴァー」がここまで大きな曲になったのは、歌い続けてきた菲菲さんのパフォーマンスの力によるところももちろんですけど、そもそも聴き手を限定させない、世代や性別を越えて誰でも共有できる懐深さや惹かれどころがあるんじゃないかと思うんです。

菲菲 よく「この曲を歌う際のポイントは?」って訊かれることがあるんですけど、歌う場所によって雰囲気も違うし、その場に合った「ラヴ・イズ・オーヴァー」を歌えばいいんじゃないって思うのね。どうやって上手に歌うかって関係ないよね。フルオーケストラでもバンドでも、ピアノだけとかアカペラとかでもやるし、サビから歌い始めるときもあるし、ひとつのイメージがない。何回歌っても同じニュアンスにはならないの。

Jeff 僕もそういう印象をすごく感じていて。できあがって何回も聴いてるんですけど、今回はここの部分に耳を惹かれるとか、この1フレーズが飛び込んでくるとか、いろんなところにフックがあるんですよ。「ラヴ・イズ・オーヴァー」はスタートからフィニッシュまでいろんなストーリーが含まれているっていうことなんですよね。聴いていてそれがすごく伝わってきたので、アレンジもダイナミックなものにしてみたんです。具体的に言えば、ある1ブロックをそのまま別の部分にペーストするっていうアレンジをしてないんですね。聴く人それぞれが持っているいろんな気持ちにフィットするようにアレンジしました。

菲菲 本当に、シンガーとしてこういう形で新しい「ラヴ・イズ・オーヴァー」に出会えることができて幸せだと思います。

──ところで、今後の菲菲さんはどういった活動を考えてますか?

菲菲 日本でも海外でもたくさんコンサートをやって……40年歌ってますけど、まだまだ努力して、もっともっと良い歌が歌える良いシンガーになりたいですね。

──せっかくですから、今回のコラボレーションをきっかけにJeffさんに新曲を作ってもらうとか?

菲菲 もしよろしかったらお願いします(笑)。

Jeff それはうれしいですね。実現したときにはがんばらせていただきます。

菲菲 実現したら夢みたいだね!

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欧陽菲菲(おーやんふぃふぃ)

台湾出身の女性シンガー。1971年9月にシングル「雨の御堂筋」で日本デビューを果たし、オリコンチャートでアジア人初の9週連続1位を獲得する。同年末には第13回日本レコード大賞新人賞、第4回レコード大賞有線放送国際賞などを受賞。その後も「雨のエアポート」「恋の追跡」などのヒット曲を生み出し、1972年には第23回NHK紅白歌合戦に外国人として初出場する。1970年代半ばからは、海外での活動も積極化。台湾、香港、アメリカなどで大々的にコンサートを行い、アジアの歌姫として地位を確立していく。1983年に「ラヴ・イズ・オーヴァー」が大ヒットとなり、第25回日本レコード大賞ロングセラー賞などを受賞。1993年には台湾でアルバム「抱擁(ユンパオ)」をリリースし、アジア各国で話題となる。近年も、日本のみならず海外でも大規模なコンサートを開催。2010年1月には台湾最大級のコンサートホール「台北アリーナ」(1万2000人規模)でソロコンサートを行い、大成功を収めた。

Jeff Miyahara(じぇふみやはら)

アメリカ・ロサンゼルス生まれ。父親が日本人、母親が韓国人である。学生時代に韓国へ渡り、本格的に音楽活動を開始するべく1999年、日本へ。そして2002年、ワールドカップ日韓共同開催チャリティとして「翼をください」(山本潤子、小田和正、長渕剛などのアーティストが参加。サッカー日本代表の応援歌にもなった)を制作。これが人生初のプロデュース作品となる。その後、2005年にはBOYZ II MEN、2007年はARRESTED DEVELOPMENTのスピーチ、ティンバランドなどの海外アーティストの作品を手がける傍ら、日本ではSpontania、JUJU、伊藤由奈、青山テルマ、加藤ミリヤ、JASMINE、Crystal Kay、黒木メイサ、西野カナといったアーティストをプロデュースしてヒット作を生んだ。2008年8月にリリースしたSpontania feat. JUJUの「君のすべてに」は、音楽配信で350万以上のダウンロードを記録。2009年にはJUJU with JAY'ED「明日がくるなら」でも着うたチャートで第1位を獲得し大ヒットさせた。