音楽ナタリー Power Push - BAND-MAID

世界中の“ご主人様”を熱狂させるメイドたちの多忙すぎる日々

最新の音楽を知るために聴き漁っています

──MISAさんは今回のレコーディング、どうでしたか?

MISA 今回の制作に入る直前に5弦ベースに変更したんですよ。なので、レコーディングまでに弾きこなせるようにするのが大変でしたね。右手の感覚から何から全部違うし、かなり苦戦しました。

──普通、レコーディングは弾き慣れている楽器で臨むものではないんですか?

MISA(B)

MISA 今までにない低いキーの曲が出てきたので、5弦じゃないと成立しなくなってしまったんです。

──それだけ曲の幅が広がってきたということですね。KANAMIさんも気持ちいいぐらいにギターを弾きまくってますね。

KANAMI ありがとうございます。好きなことをやれて楽しいです。でも楽しいことばかりでなく、楽器隊はこの2年ぐらいの間にすごく練習したし、アレンジや楽曲制作についてもすごく勉強しました。

──自分たちで曲を作るようになってから聴く音楽が変わったりしてませんか?

KANAMI 変わりましたねえ。最新の音楽を知るために、音楽雑誌に載ってるアーティストさんを聴き漁ったり、TSUTAYAでトップ10に入ってるCDを全部借りてきたり。

小鳩 いろんな曲を聴くことが増えたっぽね。

KANAMI それはここ1年でみんなやってることだと思います。

──出しているサウンドはハードロックだけど、インプットはそこに留まらない。

小鳩 そうですね、幅広く聴いていきたいなと。

──ツアー中に作ったということもあってか、シンガロングのパートが増えた気がします。

AKANE 「モラトリアム」は特にそうだと思います。

小鳩 これまではお給仕でご主人様やお嬢様と盛り上がれる曲が少なかったので、それを意識しました。あとはレコーディングで男性のスタッフさんにも歌ってもらうことでお給仕感(ライブ感)を出す工夫も今回はしてますっぽ。

──個人的には「TIME」が一番好きです。

小鳩 わ! 小鳩がメインで歌わせていただいてる曲なのでうれしいですっぽ。

──新たな代表曲になりそうなぐらいキャッチーな曲だと思うんですが。

小鳩 アルバムにしか入れられないタイプの曲だし、聴き飽きさせないという意味でもいい曲だと思いますっぽ。

スピードを上げるのは、今しかできないことをもっと増やしたいから

──「Just Bring It」というアルバムタイトルからも自信が垣間見えますね。

小鳩ミク(G, Vo)

小鳩 レコーディングが終わってから考えたんですけど、今回は自分たちが制作した曲も多いし、挑戦的な曲だったり、BAND-MAIDらしくない要素も入れられて自信のある1枚になったという気持ちがあったで、ひと言でビシっと表現できるタイトルがいいなと思ったんです。それで調べてたら、「かかってこいや」っていう意味のこの言葉を見つけて、ぴったりだなと思って付けましたっぽ。

──ちなみに、自分たちの過去の音源は聴き返しますか?

小鳩 聴きますっぽ。

──今回のアルバムと過去の作品を聴き比べると全然違うと思いませんか?

小鳩 いろいろ違うなって思いますっぽ(笑)。そういう意味でも進化してるのかなって思いますっぽ。

──前作から1年強という短期間でこれだけ成長したのは驚異的だと思いますよ。

彩姫 今回の制作期間中に過去の作品を聴いて、これまでやってなかった要素を入れていったので、それがレベルアップにつながってるんだと思います。同じことをやっても意味がないので、それは意識してましたね。

──ほかのバンドなら4、5年はかかるような進歩をあっという間に遂げているなと。

小鳩 活動のスピードをもっと上げていかないとねっていう話はいつもメンバーとしてますっぽ。

KANAMI 駆け足してるよね。

──なんでそんなに急ぐんですか?

小鳩 なんでだろう……。今しかできないことをもっともっと増やしていきたいなと思ってるのは大きいですっぽ。海外でちょっとでも注目されているうちに、もっと成長した自分たちを見せていきたいというか。

──徐々に貪欲になってきている部分もあるんでしょうか。

AKANE それはありますね。

AKANE(Dr)

──気が早いかもしれないですけど、次に出すアルバムはもっとパワーアップしている予感がします。

KANAMI もっといい曲を仕上げないとっていうプレッシャーはありますね。

小鳩 自分たちで自分たちにプレッシャーをかけているところはありますっぽ。

KANAMI あきらめたらそこで終わっちゃうので、どんどん追求していきたいです。

──BAND-MAIDはけっこう根性があるんですね。

AKANE そうですね。ガッツはあると思います。

小鳩 それは曲に出てるっぽね(笑)。

彩姫 自分たちのこと責めまくってるもんね(笑)。

BAND-MAID
メジャー1stアルバム「Just Bring It」 2017年1月11日発売 / 日本クラウン
Just Bring It
初回限定盤 [CD+フォトブック] 3700円 / CRCP-40485
通常盤 [CD] 2900円 / CRCP-40486
収録曲
  1. Don't you tell ME
  2. Puzzle
  3. モラトリアム
  4. YOLO
  5. CROSS
  6. OOPARTS
  7. Take me higher!!
  8. So,What?
  9. TIME
  10. you.
  11. Awkward
  12. decided by myself
  13. secret My lips
BAND-MAID(バンドメイド)
BAND-MAID

2013年7月に秋葉原のメイド喫茶で働いていた小鳩ミク(Vo, G)を中心に、KANAMI(G)、AKANE(Dr)、MISA(B)の4人で結成されたガールズロックバンド。結成から1カ月後に彩姫(Vo)が加入し5人編成となる。メイド服を身にまとい、ライブを“お給仕”、ファンを“ご主人さま”、“お嬢さま”と呼ぶスタイルで活動している。2014年1月に1stミニアルバム「MAID IN JAPAN」をリリース。4月に東京・Shibuya Milkywayにて初のワンマンお給仕を開催し、2015年7月に東京・Shibuya eggmanで行った2度目の単独お給仕ではチケットを完売させる。同年11月に2ndミニアルバム「New Beginning」を発表し、同作はiTunes Storeにて海外配信。2016年3月にアメリカ・シアトルで実施された日本文化のコンベンションイベント「SAKURA-CON」に出演し、約3000人の観客を前にパフォーマンスを行った。5月18日に3rdミニアルバム「Brand New MAID」を日本クラウンよりリリースしメジャーデビュー。6月に国内で初の全国ツアーを行い、10月からはメキシコ、イギリス、ドイツ、フランス、ポーランド、イタリア、スペイン、香港をめぐるワールドツアーを成功させた。2017年1月には初のフルアルバム「Just Bring It」を発表した。