音楽ナタリー Power Push - アルスマグナ

初主演映画公開!スクリーンで見せた5人+1匹の絆

アルスマグナが主演を務める映画「ザ・ムービー アルスマグナ危機一髪!」が9月17日より全国12の映画館で公開される。

この作品は、アルスのメンバーが通う私立九瓏ノ主(クロノス)学園を舞台にした青春映画。学園に転校してきた謎の3人組により解散の危機に立たされるアルスの5人がどうやってピンチを乗り越えるのか、その姿が描かれる。

アルスマグナ初となる主演映画の公開に際し、音楽ナタリーではメンバーにインタビューを実施。映画に初挑戦した感想や主題歌の新曲「EverYell」に込めた思い、さらには今後の展望を聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 関口佳代

僕らにしかできない映画

──アルスマグナ初の主演映画の公開が決まりました。まずは映画化が決まった際の心境からお聞かせください。

神生アキラ 私立九瓏ノ主学園の世界観は、僕らにしか表現できない。だからフィクションでもドキュメントでもない、僕らにしかできない映画ができるなって思いました。

──アルスメイト(ファンの総称)にとっては、今まで深く知ることができなかったメンバーの皆さんの学園生活を垣間見れる作品です。

アルスマグナ

アキラ 僕らからしたら、普段の学園生活のワンシーンを切り取ってもらっているような感覚なんですよ。

朴ウィト そう、だから「主演」だという感覚がなくて。ただ、ライブではなかなか観られない生徒4人と(九瓏)ケント先生以外の先生たちとのやりとりだったり、生活の中身を覗き見できると思うので、きっと楽しいんじゃないかなって思います。学園に入学した気分で観てもらえたらいいなあ。

九瓏ケント 作品としては“学園モノ”なので、どなたでも受け入れやすく観てもらえるんじゃないかな。「自分だったらこのときこうするな」って、感情移入ができる世界観にもなっていると思う。

榊原タツキ 僕は主演映画が決まったと聞いても半信半疑だったというか……「え、映画!?」って思っていたんですけど、いざやってみたら自分たちの生活を切り取ってもらったような感覚だったし、台本はあったけど気負わずに楽しめました。映画は僕たちのことをよく表現できる、ルーツ……?

ケント ツールね。ルーツじゃ歴史になっちゃう(笑)。

タツキ ツールだと思ったので(笑)、すごくいい機会をいただけました。

泉奏 俺は「主演映画をやる」と聞いたときはドッキリだと思いました。映画って言われてもなんだか想像できなくて、実際に撮影しているときもどこか半信半疑でしたね。でも撮影が終わって、だんだん実感が湧いてきています。また1つ、新しいコンテンツに足を踏み入れることができたなあと。映画が完成したことで、ライブや舞台のほかにもアルスを楽しむための方法が増えたなという喜びがありますね。

駆け抜けすぎました

──皆さんの普段の生活を垣間見るような作品とはいえ、台本を読んで演技をするという作業はいかがでしたか?

神生アキラ

アキラ 不安しかなかったです。

一同 あはははは(笑)。

ウィト 僕は自分を素直に出せたかなあと思います。不安はもちろんあったけど、当日に「みんながこうするなら、僕はこうしようかな」って考えて表現する感じで。

──役作りは必要ないですもんね。

ウィト そうなんですよ(笑)。僕らそのものなんで。

ケント カメラの前でセリフを言うっていう作業に関しても、まったく経験のないことではなかったから、怖くなかったかな。ただ、撮影のときにとにかく寒かった(笑)。

──撮影はいつ頃行われたんですか?

アキラ 3月下旬ですね。

ケント 僕らと敵対する「美少年隊」の3人がすごい薄着で、顔がどんどん土気色になっていって……(笑)。

──そうだったんですね(笑)。ほかに印象的に残っている出来事はありましたか?

アキラ 撮影が4日間しかなかったことですね。映画って、1~2カ月かけて撮るものだと思うじゃないですか。なのに4日って!(笑) しかも、その日程でちゃんと撮り切りましたからね。

ケント だから映画を撮ったっていう実感がないのかー(笑)。

アキラ そうかもしれない(笑)。長めのミュージックビデオ撮影みたいな気持ちに近いかもしれないです。

タツキ 駆け抜けすぎましたよね。

アキラ なんでしょうね? 共演者の方とみんなでお昼食べながらワイワイ、みたいなこともなく……テンポもよかったしね。あ、それは監督に褒められました。「NGが少ない」って。

 ほかの人が撮っているときは次のシーンの練習をしたりしてましたからね。ごはん食べながらセリフを確認したり。

みんなの支えがあって

──本格的に演技に挑戦してみて、メンバーの新たな一面が見えたりはしましたか?

アキラ それに関してはたつきっく(タツキ)ですかね! すごく心を打つ芝居をするシーンがあるんですよ。実際現場で見ていたときは「ああ、芝居してるなあ」なんて思っていたけど、映像で観るとすごくいいんですよ。途中からプルプル震え出して。

榊原タツキ

タツキ そうやってからかうんですよ!(笑) 先生にも「プルプルしてる」って言われる。でも、そうやって言う2人が、現場ではサポートしてくださったんですけど……。

──具体的には、どのようなサポートを?

タツキ そのシーンのセリフはちょっと長めだったんですけど、アキラくんはすごく的確なアドバイスをくれました。で、セリフが長い上に何回も同じシーンを撮るから現場のムードが途中で少し曇ったんですが、そうなったときには先生が面白いことを言ってみんなを和ませてくれて。あ、あと奏くんは見守ってくれて!

 無理矢理感がすごいですね。

タツキ そんなことないよ!(笑) それで、ウィトっちはすごく優しいんです。ウィトっちもアドバイスをくれたし、撮影が終わったあとには「よかったよ!」って言ってくれたり。本当に、みんなの支えがあって完成したシーンです。

──ウィトさんからはどんなアドバイスを?

タツキ 「ここは一人称だから、自分に向けて言ったほうがいいよ」とか、すごく具体的にアドバイスをくれました。

──ウィトさんはお芝居が得意なんですか?

ウィト 全然得意じゃないし、ドラマや映画もそんなにたくさん観ているわけでもないんです。ただ、舞台上でのお芝居と映像のお芝居は違うから、その違いを自分なりに見つけて表現しようとはしていました。例えば、舞台だとお客さんが遠いから目線だけのお芝居はできないけど、映像ではそれができたりだとか、唇をかみしめるだけで思いが伝わるだとか。

ケント それはそうだね。

ウィト はい。そういったところはすごく意識して撮影に臨みましたね。

映画「ザ・ムービー アルスマグナ危機一髪!」2016年9月17日(土)より全国12館で1週間限定公開

「ザ・ムービー アルスマグナ危機一髪!」

出演者

アルスマグナ / 染谷俊之 / 輝山立 / 蒼山真人 / 青木珠菜 / 大熊杏実 / キンタロー。 / ちゅうえい(流れ星) / 瀧上伸一郎(流れ星) / 太田基裕 / and more

スタッフ
  • 監督:宮岡太郎
  • 脚本:中川千英子
  • プロデューサー:池田安寿(UNIVERSAL J) / 藤村芳美(プランチャイム) / 中西研二(MMJ) / 村田泰介(MMJ)
  • 制作:メディアミックス・ジャパン(MMJ)
  • 企画・配給:ユニバーサルコネクト
  • 企画・製作:UNIVERSAL J
ニューシングル「EverYell」2016年9月21日発売 / UNIVERSAL J
初回限定盤A [CD+DVD] 1800円 / UPCH-7177
初回限定盤B [CD+DVD] 1800円 / UPCH-7178
映画盤 [CD] 1200円 / UPCH-5885
初回限定盤A・B CD収録曲
  1. EverYell
  2. BE-BOP SUMMER BABY
初回限定盤A DVD収録内容
  • EverYell Music Video
初回限定盤B DVD収録内容
  • EverYell モーションキャプチャーCGムービー
映画盤CD収録曲
  1. EverYell
  2. BE-BOP SUMMER BABY
  3. SUTEKI☆MUTEKI(美少年隊)
  4. EverYell -オリジナル・カラオケ-
  5. BE-BOP SUMMER BABY -オリジナル・カラオケ-
UNIVERSAL MUSIC STORE 限定盤
  • メンバーソロ盤CD6種セット+プレミアムイベント券付き
  • メンバーソロ盤(全6種)
アルスマグナ
アルスマグナ

2011年結成の“2.5次元コスプレダンスユニット”。全寮制の共学高校「私立九瓏ノ主(クロノス)学園」を舞台に、オリジナルの学園ストーリーを展開しながら活動する。メンバーは九瓏ノ主学園生徒の神生アキラ(カノウアキラ)、泉奏(イズミソウ)、朴ウィト(パクウィト)、榊原タツキ(サカキバラタツキ)と科学教諭の九瓏ケント(クロウケント)、うさぎのぬいぐるみのコンスタンティンで構成。素早い動きの振り付けを高いシンクロ率で踊るダンスが持ち味で、ニコニコ動画の「踊ってみた」カテゴリに投稿された彼らの動画は大きな話題を集めている。2015年2月にメジャーデビューシングル「ミロク乃ハナ」と、既発の10曲を集めたアルバム「アルスマグナ In The Box」をリリース。11月に1stオリジナルアルバム「ARSWORLD」を発表する。2016年1月には東京・日本武道館で初のワンマンライブを実施し、7000人を動員した。また7月には九瓏幸子(小林幸子)とのコラボシングル「サンバDEわっしょい! feat. 九瓏幸子」を発売。9月に彼らが初主演した映画「ザ・ムービー アルスマグナ危機一髪!」が公開され、同作の主題歌を表題曲としたシングル「EverYell」がリリースされる。