ナタリー PowerPush - Anxyz(アンクシーズ)

ムチャ振り連続PVで全国に笑顔と元気を届ける

大阪を拠点に活動する3人組ロックバンド、Anxyz(アンクシーズ)がニューシングル「キミの、キミによる、キミのための物語」をリリースした。横田雄也(Dr)を迎えてから初の音源となる本作は、神王リョウ(Vo)の綴るストレートな応援メッセージと●takeshi(G)によるメロディアスな楽曲が魅力。また、タイトル曲のビデオクリップでは体を張ったムチャ振り撮影に挑み、そのコミカルな内容が話題を集めている。

ナタリーではメンバー3人にインタビューを実施。異色の経歴を持つ神王をはじめ、各メンバーのAnxyz加入までの経緯や、「キミの、キミによる、キミのための物語」に込めた思い、さらにビデオクリップ撮影時のエピソードなどをじっくり語ってもらった。

取材・文 / 西廣智一

今までの人生を一度リセットしてバンド活動開始

神王リョウ(Vo)

──神王さんはサラリーマンを経て起業し、投資家として成功を収めるという非常にユニークな経歴を持っているそうですが、具体的にこれまでどういった道を歩んできたんですか?

神王リョウ(Vo) 高校のときにバンドをやっていて、当時はプロになれたらいいなくらいの気持ちだったんですけど、受験勉強が忙しくなって辞めてしまったんです。で、大学に入った1998年頃にインターネットが普及し始めて、音楽よりそっちのほうに興味が移ってしまって。大学卒業後は普通に就職したんですけど、その当時「金持ち父さん貧乏父さん」って本が流行っていて、あの絵本に影響されて入社半年後に会社を辞めて自分で起業したんです。

──そこから再び音楽の道というのが、なかなか結びつかないですが。

神王 独立してから5~6年で順調にいきまして、起業や投資の分野でテレビや雑誌に出たり、人前で講演をさせてもらったりして。いわゆる成功を掴んではいたし自分自身も満足していて幸せだったんですけど、ときどき寝る前に物足りなさを感じていたんですね。

──その物足りなさというのは?

神王 それまでの生活に100%満足はしてたんですけど、もっと上を目指せるんじゃないかなって気持ちがどこかにあったんです。どういう形で上を目指せばいいのかはわからないまま、その気持ちが歳を取るにつれてだんだん大きくなってきて。で、28歳くらいのときに人生を一度見つめ直そうと思って半年くらいの間、いわゆる自分探しをしたんですけど、最終的にたどり着いたのが音楽だったんです。多分30歳を超えてたら考えもしなかったんでしょうけど、これがラストチャンスやろうって思って、それまでやっていた会社をほかの人に任せて、人生を一度リセットして第二の人生を歩もうかなと。

氷室京介とDAITAの姿を観て「またバンドやりたい!」

──●takeshiさんは神王さんとは元々知り合いだったんですか?

●takeshi(G) 軽い知り合いで、彼がビジネスで成功してから講演会をやっていて、僕も学生の頃にそういったビジネスに興味があったので一度行ったんですよ。当時はリョウさんが講師、僕が参加者みたいな感じで。

──その当時は音楽活動もしていたんですか?

●takeshi 僕は中学で音楽を始めて、高校のときはメジャーデビューを目指してガンガンやってたんですけど、大学受験でバンド活動をストップして。その後はバンドはやってなかったけど、ギターはずっと弾いてました。

──そこからどうやって、神王さんと●takeshiさんは音楽でつながるんですか?

●takeshi(G)

●takeshi 出会った頃はお互い音楽をやってたって言わなかったし、彼が音楽がやりたかったことも知らなかったんです。そのあとに僕も大学を卒業して仕事を始めて、「この人生もどうなのかな?」と疑問に感じ始めた頃、大阪城ホールで氷室京介さんのライブを観て。そのときに氷室さんのバンドでギターを弾いていたのが元SIAM SHADEのDAITAさんだったんです。僕、ギターを始めたきかっけがBOØWYで、そのあとも氷室さんがすごく好きだったのと、DAITAさんもギタリストとして大好きだったので、そんな2人がステージに立ってる姿を観て「またバンドやりたい!」って気持ちが再燃しちゃったんですよ。

──人生に迷っていたところに好きなアーティストのライブを観て、昔の夢を思い出したと。

●takeshi はい。で、家に帰ってから「バンドをやるにもメンバー集めをどうしようかな?」と考えて、自分のパソコンで「お気に入りホームページ」を観てたら、リョウさんのブログのアドレスが残ってたんですよ。それで、めっちゃ久しぶりに覗いてみたら、バンドメンバーを募集していたという(笑)。

──本当に偶然だったんですね。

●takeshi 僕もそのタイミングじゃなかったら、ブログを観てもなんとも思わなかっただろうし。それで、ちょっと知ってる人だし応募してみようと思ってメールを送ったのが、このバンドを始めるきっかけですね。

──神王さんはそのメールを受け取ったときのことを覚えてますか?

神王 ブログでメンバー募集したときに、100通くらい応募がきたんですよ。で、順番に会っていったんですけど、彼と会った瞬間に直感で「僕、この人とバンドするんや」って。彼がどんなギターを弾くとかどんな曲作るとか全く知らなかったんで、今覚えばなんとも危うい冒険やったんですけど、結果は完璧だったと思います。本当にそこからですね。

●takeshi なんか持ってたんでしょうね。

神王 自分で言うな(笑)。

──で、最後に横田さんが加入するわけですが。

横田雄也(Dr) 大学4年のときにそれまでやってたバンドが解散してしまって。周りのバンド仲間はみんな就職活動してたんですけど、僕は音楽をずっと続けたいって気持ちが強くて、いろいろバンドのメンバー募集を見てたんです。そのときにネットでAnxyzのメンバー募集を見つけて、2人に会いました。それから何回かスタジオに入ったりミーティングをしたりしていくうちに、リョウさんの書く歌詞と●takeshiさんの作るメロディに完全にハマって、「この人たちと一緒にやりたい」と思うようになって加入したんです。

ニューシングル「キミの、キミによる、キミのための物語」 / 2011年11月4日発売 / 1000円(税込) / Musicest Inc. / IEST-005

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収録曲
  1. キミの、キミによる、キミのための物語
  2. 自分へのリクエスト
  3. Standing “O”
Anxyz(あんくしーず)

神王リョウ(Vo)、●takeshi(G)、横田雄也(Dr)からなるロックバンド。2008年に神王と●takeshiにより結成され、大阪を拠点に活動を開始する。2009年7月にシングル「キミは、天使なんかじゃない」「天使と気づいた、刹那」を2枚同時リリース。翌2010年7月には初のミニアルバム「SKY FISH」を発表した。その後、横田が加入し3人編成に。一度は音楽を諦めた経験を持つ神王による、聴き手の背中を後押しするポジティブな歌詞と、●takeshiが作曲するキャッチーなメロディが魅力。2011年11月に1年3カ月ぶりの音源となるニューシングル「キミの、キミによる、キミのための物語」をリリースした。