ナタリー PowerPush - AMWE

2010年代をリードする大型新人 2ndアルバム「GIRLS」リリース

自分の中のどの部分をすくい出して前面に出していくか

──リリー・アレン、リトル・ブーツ、アニー、レディー・ガガなど、自分でサウンド面からビジュアル面までプロデュースする女性アーティストが海外にはたくさんいます。AMWEというキャラクターコンセプト、アーティストイメージを固めていくにあたり、そうしたアーティストに刺激された部分はありますか?

AMWE

もちろん! 大いにあります。特にリリー・アレンはデビューしたばかりの頃に、ガーリーなスカートにスニーカーをあわせて履いているのを見て「うわっ、私と同じ感覚だ!」と思ったのを覚えています。キャラやコンセプトを固めるというよりも、自分の中のどの部分をすくい出して前面に出していくかという作業だと思うんですよね。リトル・ブーツやアニーも、インディ感覚を持ちながらポップな音楽をやっている。そこはAMWEとまったく同じだと思います。レディー・ガガの土俵は大きすぎて(笑)……もはや天上の人となってしまっていますが、でも彼女の自分らしさを曲げない姿勢には大いに触発されます。新作に「ROCKSTAR」という曲がありますが、彼女のような無敵のスターたちへのオマージュなんです。それこそスターやパフォーマーじゃなくても、自分らしさを貫くことって私たちの日常生活の中で大切だと思っていて、そういうテーマに触発されています。

──ジャケットやPVなどでAMWEとしてのビジュアルイメージを打ち出していくに際し、ファッションやデザイン面などで心がけていることはありますか?

特に今回はサウンドのイメージを反映して、カラフルでポップにというのを前面に打ち出しています。あとボーイッシュなところ……それは素顔なんで自然と出ちゃってます(笑)。それから大好きなブランドにフィンランドのCTRLというスケーターのブランドがあるのですが、今回いろいろと協力していただきました。

──エレクトロやハウスなどのダンスミュージックに興味を持つようになったきっかけは?

クラブには以前からよく通ってましたし、ダンスミュージックには幼い頃から親しんでいました。あとシンセサイザーやエレクトーンなど、小さい頃から電子楽器には親しんでいたんで、打ち込み系はもともと好きな体質みたいです。ただエレクトロ系に本気でのめり込んだきっかけは、アニーやアフィなどエレクトロ系でピンでやってる女の子たちが出てきて、それに刺激を受けてというのが大きいですね。

いろんな街でたくさんライブをやっていきたい

──アルバムにはCUBISMO GRAFICOこと松田“CHABE”岳二さんによる「GIRLS AND BOYS」のリミックスが収録されています。チャーベさんはAMWEさんにとって「AMWEになったきっかけでもある恩人」だそうですね。

そうなんです。あのチャーベさんのリミックスが好評で、今回引き受けてくださったことに本当に感謝しています。チャーベさんとは、かなり以前に友人を通して紹介していただいたことがきっかけで、今でもいろいろお世話になっている良き先輩です。AMWEとして活動を始める際にも相談に乗ってもらいました。今回限られた制作期間の中、素晴らしいリミックスを作ってくださって、すごいなあと改めてリスペクトしましたし、同時に刺激ももらっています。

──「DIESEL:U:MUSIC」の2009 JAPAN WINNERに輝いたり、海外でもライブを行なうなどインターナショナルに活動されていますが、海外での活動は最初から視野に入れていたのですか?

最初からそれだけを目指していたわけではないんですが、KITSUNÉをはじめいろいろな海外アーティストからのコンタクトを受けていたので、海外のほうがAMWEの音楽をより理解してもらえるのかもしれないという予感のようなものはありましたね。でも、今振り返ってみると、本当に「無知こそ力なり」という気がします。たまたまMySpaceに自分の楽曲をアップしたらこんなことになって……英語で歌っていたことも大きいとは思うのですが、とにかく海外からの反応がこんなにすごいとは……。ロンドンやパリでライブをやったり、しかもTHE BIG PINKやアニー・マックと同じステージに立つなんて夢のまた夢としか言いようがありません。でも「こうなったらとことんやっちゃうかな!」みたいな妙な度胸もあって、ここまで来ちゃいました。

──今作で初めてAMWEを聴く人のために、AMWEの音楽の楽しみ方を教えてください。

そうですね、クラブミュージックとして聴いてもらってもいいし、ボーカル作品としても聴いてもらっていいし、いろんな楽しみ方ができると思います。今回はいろんなメッセージも込められているので、歌詞も受け止めてもらえるとうれしいですね。

──今後はどのような活動を予定していますか?

11月にはヨーロッパで前作「I AM AMWE」がリリースされるので、それにあわせて海外でのプロモーションライブを予定しています。国内でもライブを計画中で、もちろん新曲を披露したいと考えています。いろんな街でたくさんライブをやって、より多くの人にAMWEを観てもらえたらうれしいですね。特に今回は“GIRLS”を思いながら作った作品なので、女の子たちにぜひ聴いてほしいです。もちろん男の子たちにも! BLURやDeee-Liteやマイブラのカバー、そして私のダンストラックをどう受け取ってもらえるのかも楽しみです!

ニューアルバム「GIRLS」 / 2010年9月29日発売 / 2500円(税込) / SYNCA MUSIC PROJECT / XECJ-1010

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CD収録曲
  1. GIRLS AND BOYS
  2. GROOVE IS IN THE HEART
  3. I SAW AN ANGEL
  4. BE STUPID
  5. GIRLS NIGHT OUT
  6. ROCKSTAR
  7. CUT, COPY AND PASTE
  8. MOONLIGHT
  9. STUPID GIRLS, STUPID BOYS
  10. GIRLS AND BOYS (CUBISMO GRAFICO DIZZINESS MIX) -ENCORE-
  11. MOONLIGHT (ELECTROCUTICA REMIX) -ENCORE-
  12. ONLY SHALLOW (LEE JAY POW REMIX) -ENCORE-
DVD収録内容
  1. BANGIN' THE DRUM [MUSIC VIDEO]
  2. GIRLS AND BOYS [MUSIC VIDEO]
  3. MOONLIGHT (ELECTROCUTICA REMIX) [MUSIC VIDEO]
  4. I AM AMWE [TRAILER TYPE1]
  5. I AM AMWE [TRAILER TYPE2]
  6. I AM AMWE [TRAILER TYPE3]
  7. GIRLS [TRAILER TYPE1]
  8. GIRLS [TRAILER TYPE2]
AMWE(あむうぃ)

アーティスト写真

エレクトロシーンを主軸にワールドワイドな活動を行う女性アーティスト。2008年よりライブ活動を始め、ファッションブランドDIESELが主催する音楽コンテスト「DIESEL:U:MUSIC 2009」のJAPAN WINNERに選出。同年にパリとロンドンで行われた「D:U:M 2009 WORLD TOUR」にも参加し、海外メディアから大きな注目を浴びる。帰国後は国内でも「SUMMER SONIC」や「WIRE」といった大型フェスに出演。フランスの著名プロデューサーチーム・KITSUNÉが手掛ける「Kitsuné Maison」や、「House★Disney -Electro Parade-」といったコンピレーションアルバムへの参加を通して、その認知を確かなものとする。2010年9月に2ndアルバム「GIRLS」をリリース。