あなたの企画が映画になる、作り手の夢がかなうプロジェクト

映画ナタリー Power Push - 「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」

カルチュア・エンタテインメント取締役 崔相基に聞く選考ポイント

自身の企画が映画化されて多くの視聴者に観てもらえる。作り手にとって心躍るような夢の企画「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM(TCP)」が第2回の開催を迎える。

映画ナタリーでは、TCPを企画・運営し、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループで映像、出版、音楽の企画製作事業を手がけるカルチュア・エンタテインメントの取締役・崔相基(チェ・サンギ)氏にインタビューを実施。「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」の開催概要や審査のポイント、プロジェクトに懸ける思いを聞いた。

取材・文 / 下森宏益 写真 / Mie Inaba

「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」

TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016開催 グランプリ受賞者には5000万円を超える製作資金提供

「映画を愛するお客様に、もっと新しい感動を、もっとワクワクする作品を届けたい!」
CCCグループでは、クリエイターの発掘と育成を目的に、プロ・アマを問わず60分以上の実写映像化が可能な“良質な映画企画=名作のタネ”を募集。集まった企画書の中から1次、2次、最終審査を経て、グランプリ1作品、準グランプリ2作品を選出する。受賞者には5000万円以上の製作費の支援と制作体制のバックアップ、副賞が授与される。完成作品は、全国のTSUTAYA店舗をはじめ、ネット宅配サービス「TSUTAYA DISCAS」や映像配信サービス「TSUTAYA TV」にてレンタル、配信。エントリー締め切りは2016年6月13日まで。

審査の流れと選考ポイントを聞く

1次審査 2016年6月中旬~7月中旬

TSUTAYA店内に掲示されたTCP 2016告知ポスター。
ジャンルやプロ・アマは不問
映像化したい熱い企画書を送付

TSUTAYAで映像関係業務に携わるスタッフの中から選出された約100人が、企画書をすべて読み込み、審査項目ごとに評点していく。映画の企画書であれば、応募ジャンル、プロ・アマは一切不問だ。
「昨年は17歳から70歳と幅広い年齢層や職種の方からの応募があり、総数は474企画にものぼりました」

1次審査の選考ポイント

1次審査を行うTSUTAYAスタッフたち。
映像に精通したTSUTAYAスタッフが、小売サイドの立場から審査

「1次審査では制作者の視点より、TSUTAYA事業を担う店舗スタッフ、バイヤー、MD(作品選定)など小売側の立場から『この映画を本当に観たいか? お客様に薦めたいか?』に力点を置いて審査を進めています。昨年の傾向としてはドラマ系の企画が多く寄せられました。第2回は制作予算の上限設定がないので、どのような作品が集まるか楽しみです」

2次審査 2016年9月中旬~10月上旬

初稿シナリオやアートワークを提出
プロデューサーを交えた個別面談も

1次選考通過者は、企画書に沿った初稿シナリオやビジュアルイメージを提出。その後、TCPプロデューサー陣と事務局スタッフを交えた面談を個別に行う。
「事務局スタッフでは面白さがわからなかったシナリオでも、制作現場のプロであるプロデューサーが目を通すと『改稿するとこの素材はよくなる』というものもあります。制作のプロならではの視点で示唆をいただきながら、実現の可能性も含めて選考します」

2次審査の選考ポイント

「事務局メンバーと議論を重ねて審査しています」と語る崔相基。
企画書だけではわからない“自作に対する思いやこだわり”も確認

「2次審査では、企画書だけではわからない『作品に対する本気度』『作ろうと思った理由』『自身の作品へのこだわり』など、さまざまなことを確認しています。たとえば、シナリオの一部に対して『ここを直すとよくなると思うけど、どう思いますか?』と質問を投げかけ、その返答から自作をどう思っているか、応募者の制作能力などを見ていきます。短い面談ではありますが、先々一緒に映画を製作していくうえでは、とても重要なアプローチの1つだと考えています」

最終審査 2016年11月予定

「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015」最終審査会より、プレゼンテーションの様子。
映画界を代表する製作陣や俳優を前にプレゼンテーションを実施

最終審査では、自身のプロフィールや自作の企画意図、訴求ポイント、あらすじ、テーマなどをプレゼンテーション形式で発表。その後、日本映画界を代表するプロデューサーや俳優などの評点と、エリアごとに分けた店舗スタッフの点数も加味し、グランプリ3作品が選出される。
「昨年、2次審査から最終審査へと進んだのは7企画。どれが選ばれても不思議ではないクオリティで、すべてを映像化しようとの声が上がったほどでした」

最終審査の選考ポイント

「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015」最終審査会へと勝ち上がった7名。
お客様の存在を意識した映画作りと、「面白いものを作りたい!」という熱意

「プレゼンテーション力は審査対象ではありません。審査員であり、潜在的な視聴者である私たちに向けて『こんな面白い映画を観たいでしょ?』という点を熱意を持って伝えていただくことが重要になります。脚本の内容やビジュアルイメージもそうですが、コミュニケーション力も映画作りには必要不可欠。最終審査に残った方々は、コミュニケーション能力にも長けていました。そのうえ、昨年グランプリに選ばれた3人全員が、年末のクランクインに向けて、その先にいるお客様のことをちゃんと意識し、常に自分自身に問いかけながら制作を進められているように感じています」

グランプリ、準グランプリ決定

  • 「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015」授賞式の様子。左から、最終審査員を務めた黒木瞳、グランプリ受賞者の中江和仁氏、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏。
  • 「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015」授賞式の様子。左から、最終審査員を務めた大谷健太郎、準グランプリ受賞者の梅本竜矢氏と片桐健滋氏、加藤卓哉氏、最終審査員の本木克英。
受賞作品はTSUTAYAが製作まで責任を持ってバックアップ

第1回グランプリ作品企画「嘘と寝た女(仮)」を手がけた中江和仁氏、準グランプリ作品企画「裏アカ(仮)」の加藤卓哉氏と「ルームロンダリング(仮)」の片桐健滋氏、梅本竜矢氏は、現在TSUTAYAの支援のもとで映画を鋭意製作中だ。

募集期間
WEBエントリー締め切り
2016年6月13日(月)
企画書・約款送付締め切り
2016年6月17日(金)必着
募集内容

映像化可能な企画書を募集。
実写の長編作品(60分以上)であれば、プロ・アマ、応募者の年齢、性別、国籍、学歴など制限は一切なし。
個人に限らず、チーム・プロジェクトなど団体での応募も可能。