外山祐介プロデューサー インタビュー
“魔法少女”を軸に「まどか」の世界を広げていく
──ついにリリースを迎える「マギアレコード」。配信開始日が春から夏に延びてしまった理由はなんでしょう。
この数カ月でやっていたことは、主にキャラクターのクオリティアップです。例えば必殺技の“ドッペル”について、「AnimeJapan2017」で1度マミのドッペルをお見せしましたが、あのときから演出を一部変更することにしました。打ち合わせを繰り返すなかで、原作アニメで魔女空間に迷い込んだときに生じる違和感のようなものが、ここにも必要なんじゃないかという話になりまして……。
──違和感、ですか?
ええ、イヌカレーさんの作り上げた奇妙でおどろおどろしい魔女空間に、かわいらしいアニメタッチの魔法少女が紛れ込んでいるという違和感です。こういう、ある種の気持ち悪さみたいなものが、「まどか」にとって大事なものだと考えました。また、スタッフだけで作っていた小型の敵キャラクターにもイヌカレーさんの監修を入れたほうがよいだろうということになり、細かなパーツごとにご意見をいただいて修正を加えています。魔法少女ごとに用意しているモーションの種類も、かなり増やしました。
──そもそも「マギアレコード」の企画はいつ頃から動き出したのでしょうか。
ゲーム化については新編(2013年に公開された「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」)の1年後くらいから話がありました。アニプレックス社内でも企画についての試行錯誤は続けていました。そのなかで自分も関わることができるチャンスがあり、「まどか」は自分にとっても思い入れのある作品でしたし、「ぜひやらせてください」と話して、プロデューサーを担当させていただくことになりました。ただ、ソーシャルゲームは運営がうまくいかないと途中で終わってしまい、ユーザーさんの手元には残らない。そのため、できるだけ長く運営したいと考え、自社コンテンツを長く運営されていたf4samuraiさんに協力のご相談をしました。
──アニプレックスさんとf4samuraiさんが中心となりつつ、テレビアニメ版のスタッフも引き続き参加していただいている。
そうですね。キャラクター周りはメインに蒼樹うめ先生、アニメーション作成はシャフトさん、魔女などのデザイン面はイヌカレーさんに監修をお願いしています。
──外山さんは「まどか」のどんな部分がお好きですか?
選ぶのは難しいですが、自分にとって印象的なキャラクターは、ほむらです。時間遡行を繰り返しながらの悩みとか、ストーリー的な部分でも彼女には胸を打たれました。開発チームの中にも「まどか」が好きだ、リスペクトしているという人がたくさんいて、そうした作品に携わることができる喜びが、モチベーションにつながってもいるようです。
──「マギアレコード」は「まどか」の“外伝”という位置付けですが、具体的にはどんなものにしたいと考えていらっしゃるのでしょう。
テレビ版でも、世界中に多くの魔法少女がいることがわかるように描かれてはいるのですが、それぞれのストーリーについては語られません。今回はせっかくのスマホゲーということで、いろいろな魔法少女を登場させたり、使えるようにしたりしたいと考えました。“魔法少女”という要素を軸に「まどか」の世界観を広げていければと思っています。
「メインストーリー」は、神浜市の秘密を解き明かしていく物語
──ゲームの舞台は魔法少女が集まる新興都市・神浜市。ほむらが時間遡行を繰り返すループの中で、神浜市にたどり着いたという設定になるそうですね。
今回はプロローグ部分で、テレビ版10話に登場する“委員長の魔女”とのバトルを再現しています。その後展開されるチュートリアルからは、神浜市を舞台に新しい魔法少女・環いろはが、消えてしまった妹・ういを探すストーリーが展開されていきます。
──いろはたち新キャラクターと、まどかたち原作キャラは、どう関わり合っていくことになるのでしょうか。
ストーリーは、大きく分けてメインストーリーとアナザーストーリーの2つがあります。メインストーリーはいろはを主人公に、神浜市の秘密を解き明かしていく物語。その途中でいろはと原作キャラが出会い、さまざまなドラマが展開されていくことになります。もう一方のアナザーストーリーは、原作キャラを中心にした物語で、アナザーストーリーを読むことによって、メインストーリーの裏側で彼女たちがどんな行動をしていたかがわかる構成になっています。
──メインとアナザーの両面で、物語を立体的に描いていく。
ただ、リリースの時点でも多くの魔法少女を準備していますし、今後もどんどん追加していきたいと考えているので、すべての魔法少女をメインストーリーに絡めることは難しい。ですので、それぞれの魔法少女に、キャラクターの生い立ちや人となりがわかる“魔法少女ストーリー”を用意しました。
──どんな性格なのか、なぜ魔法少女になったのかなどが、そこで明かされるわけですね。
はい。魔法少女ストーリーは各キャラにつき3話ずつ用意しています。バトルに連れて行くことでエピソードポイントが貯まり、順番に解放されていくので、メインストーリー、アナザーストーリーには登場しない魔法少女にも愛着を持っていただければ嬉しいです。
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蒼樹うめ先生は、「いろいろな人の手でキャラが完成するのが楽しい」
新しい魔法少女たちの物語が、
スマホゲームに登場!
- 「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」
- 2017年8月22日配信開始 / 提供元:Aniplex Inc.
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【ジャンル】
魔法少女☆RPG【価格】
アイテム課金型(基本プレイ無料)【対応プラットフォーム】
App Store / Google Play
©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
テレビ・劇場版の代表曲を網羅した
“アルティメット”なCDがリリース
- 「魔法少女まどか☆マギカ Ultimate Best」
- 発売中 / アニプレックス
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期間生産限定盤 [CD]
3780円 / SVWC-70281
- 収録曲
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- コネクト / ClariS
- また あした / 鹿目まどか(CV:悠木碧)
- Credens justitiam
- Sis puella magica!
- and I'm home / 美樹さやか(CV:喜多村英梨)、佐倉杏子(CV:野中藍)
- Magia / Kalafina
- ルミナス / ClariS
- she is a witch
- ひかりふる / Kalafina
- naturally / 鹿目まどか(CV:悠木碧)、美樹さやか(CV:喜多村英梨)
- あこがれた咲いた / 鹿目まどか(CV:悠木碧)
- Mebius Ash / 暁美ほむら(CV:斎藤千和)
- ユメおと / 鹿目まどか(CV:悠木碧)、暁美ほむら(CV:斎藤千和)
- Stairs / 巴マミ(CV:水橋かおり)、佐倉杏子(CV:野中藍)
- まだダメよ
- Noi!
- カラフル / ClariS
- 君の銀の庭 / Kalafina
- 映像特典
ノンクレジットOP&ED、「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」スペシャルムービー