炎炎ノ消防隊 大久保篤×宮野真守(「ソウルイーター」デス・ザ・キッド役)対談
数年ぶりの邂逅に友情の炎がほとばしる! アニメ「ソウルイーター」の裏話もきっちりかっちり完璧に
世界を襲う人体発火現象の謎に立ち向かう特殊消防隊を描く、大久保篤の「炎炎ノ消防隊」。同作は自我を失い命尽きるまで暴れる“焔ビト”、発火能力を有する第二世代と第三世代の能力者、消防庁・聖陽教会・軍隊とそれぞれの派閥から構成される一筋縄ではいかない特殊消防隊と、魅力的な要素がちりばめられたファンタジー作品だ。
最新6巻が発売されたことを記念し、コミックナタリーでは作者の大久保と、彼と旧知の仲だという宮野真守の対談を公開。2人の対談は週刊少年マガジン2017年1号(講談社)に掲載されたが、コミックナタリーではその完全版をお届けする。大久保の前作「ソウルイーター」を原作としたアニメにデス・ザ・キッド役で出演した宮野は、大久保との久々の邂逅にうれしさを炸裂させ、2人で「炎炎ノ消防隊」の魅力、アニメ「ソウルイーター」の裏話を語り明かしていく。
取材・文 / 小田切鉄平 写真 / 金澤智康
※第二世代能力者 自ら発火はできないが、炎の操作や制御が可能。
※第三世代能力者 自ら発火し、能力として自在に操ることができる。
「炎炎」の着想は「燃えたゾンビって怖いよね」
大久保篤 今日はよろしくお願いします!
宮野真守 こちらこそよろしくお願いします!
──早速ですが宮野さん、「炎炎ノ消防隊」をお読みになっていかがでしたか?
宮野 主人公の森羅(シンラ)がもう、めっちゃ魅力的ですよね。すっごくカッコいいんだけど……(緊張すると変な笑顔になってしまう)変な癖があったりして、先生はあんまりカッコよく描こうとしてないじゃないですか。
大久保 そうですね(笑)。
宮野 でもそこに、彼の芯の部分を感じる。痛快な少年マンガで、とにかく主人公がカッコよくて、でもそれだけじゃなくてミステリー感もあるし。次の展開がすごく気になる、魅力的な作品ですよね。
大久保 ありがとうございます!!
宮野 消防隊っていう題材をあんまり見かけないから新しさがあるし、「炎」の能力だけで、ここまでバリエーション豊富にいろいろやれるんだ、って驚きました。次はどういうふうに炎を使うんだろう、とワクワクします。「熱音響冷却」など、科学的な知識が混ざっている点も面白いですね。
──この作品の着想は、どういうところから?
大久保 発想としては「燃えたゾンビって怖いよね」っていう。僕はホラー映画が好きなんですけど、最近のゾンビは走ったり、いろいろな種類がいるじゃないですか。それで新しいゾンビを考えてみようと出てきたのが、“燃えてるゾンビ”なんですよ。
宮野 怖い、それは怖いですよね。
大久保 そんなゾンビが出てくる映画観たいなーと思ったけど、僕は映画監督じゃなかったので(笑)。その発想に、もともと消防士の制服が好きだったことや、全員同じ能力しか使えない能力バトルって面白いと思っていた別のアイデアを混ぜて、マンガらしくアレンジしていったんです。現実的な設定にマンガ的な肉付けをしていくと、ファンタジーになると思うんです。現実っぽいままだと「実写でやればいいじゃん!」ってなるし。マンガでしかできないことをやれたらいいな、と。
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- 大久保篤「炎炎ノ消防隊⑥」2016年12月16日発売 / 講談社
- コミック / 463円
- コミック 限定版 / 1404円
- Kindle版 / 432円
桜備vs.紅丸! 大隊長決戦!! 狡猾な伝導者一味の能力により、誤解が誤解を呼び、衝突する両雄! 互いに譲れぬ対決の行方は!? 続々と解放される敵軍の能力に、浅草の町は大混乱! 燃え上がる町と白装束の猛攻に、第8は!? 第7は!? シンラたちに解決の術は──!? 現れる新たなる“焔ビト”! 目を覚ますシンラの深淵なる炎! 灼熱の浅草編、決着の時!! 6巻の帯には宮野真守&デス・ザ・キッドの推薦コメント掲載!
大久保篤(オオクボアツシ)
2001年に「一善の骨」でデビュー。「ソウルイーター」は月刊少年ガンガン2004年6月号(スクウェア・エニックス)より約9年にわたり連載され、テレビアニメ化も果たした。その後、「ソウルイーター」の外伝である「ソウルイーターノット!」を同誌2011年2月号より連載し、2014年にテレビアニメ化。2015年より週刊少年マガジン(講談社)にて「炎炎ノ消防隊」を連載中。
宮野真守(ミヤノマモル)
1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、歌手。7歳から劇団ひまわりに所属し、子役として活動を始める。声優としてのデビューは2001年放送のNHK海外ドラマ「私はケイトリン」グリフェン役。以降、アニメ、ゲーム、洋画吹替など幅広く活躍。また、歌手としても2008年にシングル「Discovery」で、キングレコードよりアーティストデビューを果たし、2016年は「HOW CLOSE YOU ARE」「SHOUT!」「テンペスト」「The Birth」と計4枚のシングルをリリース。また、自身最大規模となるライブツアーを行い、横浜アリーナにてツアーファイナルとなる2days公演を大成功におさめた。夏には東京・帝国劇場で上演されたミュージカル「王家の紋章」に出演し、新たな一面を見せた。