コミックナタリー PowerPush - 「青の祓魔師」劇場版

画面にまつわるスタッフ大集合!原作者・加藤和恵×キャラクターデザイン・佐々木啓悟×美術監督・木村真二が座談会

私、木村さんが描かれる背景が好きで影響を受けているので

木村真二による美術ボード。

加藤 木村さんにやっていただいて、マンガだと適当に描いている背景が、より詳細に描かれていて感動しました。マンガでは諦めることもいっぱいあるので、「まあこれでいいや」って描いてしまったところも、贅沢にきっちり描かれていて。

木村 コマの延長線上にある背景を考えるのが難しかったですね。

加藤 そこまで考えてやっていただけて、本当にもったいない気持ちです。

──「鉄コン筋クリート」に見られるように、高低差のある背景は木村さんの特徴だと思いますが、今回もそれが活かされていて。

木村 でも原作を読んだときに、そういう場所なんだなってわかりましたよ。特段アレンジしたというわけでもないです。

祭りのシーンではカラフルなねぷたが街をパレードした。

加藤 たぶん私、木村さんが描かれる背景が好きで影響を受けているので、それを取り入れて描いていたのかもしれません。木村さんの背景を、すごく薄味にしている感じ。でも木村さんに「青エク」のようなミーハーというか、ライトな作品に関わってもらえたのは意外でした。

木村 やってる方法論は一緒なんですよ。世界観を描くのが仕事なので、そういう意味ではキャラクターより世界観がそこにあるかどうかでしか選べない仕事なので。「青エク」の場合、ちゃんと世界観が完成されているのでやりがいがありましたよ。

佐々木 今回はお祭りという、別の描きごたえもありましたしね。

映画は雪男の複雑なところもよく描かれているなと

──ちなみに映画公開中は、劇場に見に行かれたりしましたか?

加藤 地元で見に行きましたよ。熱狂的な女性のお客さんも多かったですけど、親子連れの方にも結構見てもらえたみたいでうれしかったです。

佐々木 僕も見に行きましたけど、後ろの席に女子中学生のグループがいて、見終わった後、「どうだったんだろう?」とこっそり振り返って反応を伺ったりしました(笑)。割と泣いてる方もいたので安心しましたね。

──劇場版は本当に、親子でも楽しめるようなシーンもたくさんありましたね。では、みなさんのお気に入りのシーンもお伺いできますか?

佐々木 僕は審問室で雪男が責められているシーンですかね。さらに燐も雪男に責められて、言い返せない。あのどん底な感じが好きですね(笑)。ここからだぞ! って感じが。

木村 僕は冒頭のお祭りのくだりかな。お祭りの準備とか、子供の頃を思い出しますよね。わたあめ屋のおじさんに「川から水汲んできたら何かあげるよ」って言われたりとか、そういうのを思い出します。

雪男が切なげな表情を浮かべるシーン。

加藤 確かに、作品全体にノスタルジック感はありますよね。私は雪男がロープウェイになんとも言えない切なげな表情で乗っているシーンですね。「頑張れー」って思う(笑)。その前の、燐としえみが助けたゴーストたちを解放する場面でも、遠くから「あれには加われない、でもいいなあ」って感じで見ていて。こいつ難しい性格してるなって。

──加藤さん、生みの親なのに。

加藤 我ながら(笑)。でも映画は雪男がよく描かれてるなと思いました。TVシリーズでは、どちらかと言うと兄を思う弟っていう面が強かった気がしたんですけど、もうちょっと踏み込んだ、複雑なところを描いているような。

佐々木 実はあのロープウェイでの雪男の表情、僕的には顔があんまり気に入ってなくて、今回Blu-ray&DVD化にあたって若干直したんですよ。

加藤 そうなんですか。どうなってるんだろう! 楽しみです!

佐々木 たぶん、そんなに気にならないと思います。僕以外が見ても変わらないくらい。

加藤 ああ、そういうの、私も単行本作業でよくあります(笑)。あ、あとやっぱり野球のシーンは好きでしたね。いちばんじわっとくる。オチ知っちゃってるから余計切なくてグッときましたね。

佐々木 劇場でご覧になった方も、もう一度見ていただきたいですね。本当に、木村さんの美術と澤野さんの音楽と加藤さんの原作の力が、うまいことコラボレーションできたんじゃないかと思ってます。その世界観を堪能していただければ。それに尽きますね。

加藤和恵(かとうかずえ)

1980年7月20日生まれ。東京都在住。赤マルジャンプ2000年SUMMER(集英社)に掲載された「僕と兎」でデビュー。2005年、月刊シリウス創刊号(講談社)より「ロボとうさ吉」を連載。その後、ジャンプスクエア(集英社)に活動の場を移し、同誌2009年5月号より「青の祓魔師」を連載開始。2011年4月にはTVアニメ化を果たす。

木村真二(きむらしんじ)

1981年、小林プロダクションに入社。美術スタッフとして「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」などの作品に参加し、1986年に「プロジェクトA子」で美術監督デビュー。2004年には大友克洋監督の「スチームボーイ」で、2006年には松本大洋原作のアニメ映画「鉄コン筋クリート」で美術監督を務め好評を博す。また大友克洋との共著となる絵本「ヒピラくん」は、木村自らが監督を務めアニメ化。2012年には絵本「サブレ」を出版した。

佐々木啓悟(ささきけいご)

株式会社A-1 Pictures所属。TVアニメ「閃光のナイトレイド」のキャラクターデザイン、「戦国BASARA」の作画監督を務める。

原作者・加藤和恵、キャラクターデザイン・佐々木啓悟、美術監督・木村真二の合作イラスト色紙

原作者・加藤和恵、キャラクターデザイン・佐々木啓悟、美術監督・木村真二の合作イラスト色紙を抽選で1名にプレゼント!

座談会後、加藤が燐を、佐々木がうさ麻呂を、木村が背景の正十字学園を担当したコラボ色紙を執筆。応募者の中から抽選で1名にプレゼントする。応募の詳細はリンク先をご覧あれ。

DVD / Blu-ray「青の祓魔師」劇場版 / 2013年7月3日発売 / アニプレックス
完全生産限定版 [Blu-ray] / 8400円 / ANZX9151
完全生産限定版 [DVD] / 7350円 / ANZB9151
通常版 [Blu-ray] / 5040円 / ANSX9151
通常版 [DVD] / 3990円 / ANSB9151
あらすじ

11年に一度の祝祭を前に、高揚感と喧騒で溢れかえる正十字学園町。悪魔の侵入を防ぐため、祓魔師たちは結界張り替えに勤しんでいた。一方、暴走する幽霊列車(ファントムトレイン)の退治にあたった奥村燐は、任務の途中、少年の姿をした幼き悪魔に出会う。

美術監督・木村真二へのインタビューはこちらから!

加藤和恵(かとうかずえ)
加藤和恵

1980年7月20日生まれ。東京都在住。赤マルジャンプ2000年SUMMER(集英社)に掲載された「僕と兎」でデビュー。2005年、月刊シリウス創刊号(講談社)より「ロボとうさ吉」を連載。その後、ジャンプスクエア(集英社)に活動の場を移し、同誌2009年5月号より「青の祓魔師」を連載開始。2011年4月にはTVアニメ化を果たす。