お笑いナタリー PowerPush - 舞台ウレロ☆未解決少女
舞台版「ウレロ」第2弾のDVD&Blu-ray化が決定! 仕掛け人の佐久間宣行×オークラ×土屋亮一が壮絶裏話
今は「あかりちゃんがあのセリフ言ったらウケるぜー!」ってなってますから(佐久間)
──久しぶりの再会となったウレロメンバーの様子はいかがでしたか?
佐久間 あかりちゃんがすごくうまくなってましたね。
オークラ・土屋 すごいことになってましたね。
佐久間 あかりちゃんが誰よりも早くセリフを覚えるんですけど、他人のセリフもきっかけも全部覚えてくれるんですよ! だからすごく助かりました。初日にあかりちゃんが一番ふわふわしたところがなくて、他人のきっかけとか飛んだところまでカバーしてくれて。実はバカリズムが体調を崩していたんですが、パートナーがあかりちゃんだったので飛ばしたきっかけをあかりちゃんがアドリブで戻したりしてるんです。
土屋 誰も気づかなかったですよね。
佐久間 気づいたのはこの3人だけだと思います。飛ばして3~4秒くらいであかりちゃんがリカバリーしてますから。
オークラ このあとの話の展開が理解できてるから、必要なフレーズとか情報がパッと出てくる。
佐久間 あとはもう家族みたいなところがあるので、稽古もお互いに「こうしたほうがいいんじゃないの」とか言いながらできてるから、本当にいいチームになったと思います。
オークラ あとはゲストもよかったよね。
佐久間 僕らが言うのもなんですけど、ゲスト超よくないですか!?(笑) 前回の舞台「ウレロ☆未公開少女」ゲストの入江雅人さんと高畑充希ちゃんも抜群だったと思うんですけど、今回の清水富美加さんと伊藤正之さんも、僕らの先輩でコント作家の内村さんがわざわざ僕らのところに来て「面白かった」って言ったあとに「コントに合う抜群のゲストを連れてくるね。どこで見つけてきたの?」って聞いてくださったのがすごくうれしかった!
土屋 僕も内村さんと会議で会ったときに「とにかくいいコメディエンヌを探してくるね」って言われました。
オークラ 台本が書きあがった段階で「これでダメだったらどうしよう」って怖くなるのがあるじゃないですか。
佐久間 稽古期間はほかの舞台に比べて半分くらいしかないし、1日のうちでみんなが集まれる時間も仕事が終わってからなんです。なのに書きあがった本が2時間半分くらいある(笑)。怒られるんじゃないかなって思いながらやってました。芸人さんとは付き合いも長いし、何か言われても押し切ろうと思ってますけど、あかりちゃんとか富美加ちゃんとかがバッチリやってくれるので助かります。うまかったよなぁー、“間”が!
オークラ 安心して観ていられますもんね。不安感がない。
佐久間 シーズン1のウレロは、あかりちゃんが言うボケのセリフを減らしていたりしたんですけど、今は「あかりちゃんがあのセリフ言ったらウケるぜー!」ってなってますから。
オークラ シーズン1の1話を観てもらえたらわかるんですけど、あかりちゃんのキャラクターがしゃべらなくても成立するようになってるんですよ。
佐久間 あの頃はどのくらいできるかわからなかったから。
土屋 それがシーズン2の最終回付近なんかはあかりちゃん1人だけがボケてる回とかありますからね。
オークラ 対人恐怖症のキャラでしたから、最初は。
佐久間 それが今は昼公演と夜公演の間にあかりちゃんだけボケを足したりしますからね。
最後の最後は紅白の舞台裏で書いてました(オークラ)
──テレビシリーズと舞台では脚本の書き方に違いはありますか?
土屋 テレビだとオークラさんと1話ずつ担当していますが、舞台はだいたいブロックごとに分けて書いています。
佐久間 今回はプロローグ、1幕、2幕、3幕、エピローグに分かれています。プロローグと1幕がオークラさんで、2幕が土屋くん、3幕の音楽と絡み合うところがオークラさん、エピローグが土屋くんという、特殊な書き方をしてるので。藤子不二雄みたい(笑)。
オークラ みんなで一緒に話し合うんですけど、1回別れて書いたものをまた持ち寄ったときにズレが生じるんです。
土屋 書いてる間に変わっちゃいますからね。
オークラ だからこっちに合わせたり、あっちに合わせたりと、つじつま合わせをします。
──舞台版の脚本を作るうえで、佐久間さんはどのような役回りですか?
オークラ プロットを作るときに全部立ち会ってますし、一緒に作る感じですよね。3人で話したことをそれぞれが宿題みたいに持ち帰って、そうするとその展開に飽きた佐久間さんが「もっとこういうのがいいかな」って言い出して、「この前の会議と違うだろ!」ってなる。アイデアがあふれてどんどん足してくるので、こっちは「また始まったよ、佐久間さん」って。
土屋 そんなに入らないよっていう(笑)。
オークラ それで90分に収めるとか、どの口が言ってるんだ!
佐久間 2幕の最後に大オチみたいなのがあるんです。あそこは去年のクリスマスの夜中の3時くらいに僕が編集所で「マジ歌」の編集をしてたんですけど、そこに土屋くんに来てもらって、「このアイデアよくない!?」って2人で話をしていて。
土屋 「いや、めっちゃ面白いですけど……」って(苦笑)。
佐久間 面白いって言ってる土屋くんの背中を押すために、夜中の3時にオークラさんに電話して。
土屋 オークラさんは3幕を担当しているから、設定が変わってきちゃいますからね。
佐久間 オークラさんに「こういうふうに変えても成立するし、そっちのほうが面白いよね!?」って電話で話したんです。そしたら半分寝ぼけまなこで「いいよ、いい」って(笑)。
オークラ どうのこうの言っても熱量がハンパないから「わかった。いいよ、それで」って返事をしました。
佐久間 それで土屋くんに「オークラさんがいいって言ってるよ!」って言って。そういうことを年末にギリギリまでずっとやっていました。オークラさんなんか最後の最後は紅白の舞台裏に近いところで書いてましたよ(笑)。(※バナナマンの作家として、紅白歌合戦の副音声を担当した2人と行動を共にしていたため)
オークラ 紅白の裏実況当日にずーっと書いていて。その前も2日か3日くらいテレビ東京に監禁されていました。
佐久間 テレビ東京からそのまま紅白の会場に行ってたよね(笑)。
オークラ 見てくださいよ、この腱鞘炎!!
佐久間 この年次でチーフ作家をたくさんやってる人が腱鞘炎になるまで書くことってないですよ!
オークラ 嫌になっちゃいますよ。でもウケるとまたやりたくなるんです。
佐久間 舞台本番はいつも客席の一番後ろに3人並んで座るんです。そこで客席のリアクションを見るんですけど、僕は2人を見るんです。1幕はオークラさんが書いているから、ウケるとうれしそうにするなーと思って、オークラさんを見てるんです。そして1幕がウケればウケるほど土屋くんの顔がこわばる(笑)。
オークラ 別にどっちがどうとかっていうのはないですよ! でも(佐久間さんが)すごくそういう見方をしてくるから、となると僕もだんだん他人のパートを「スベれ! スベれ!」と思ってしまう(笑)。
佐久間 2幕の大事なところがウケると、半腰で座っていた土屋君がホッとこう……(椅子に深々と座る)。
土屋 すごく見てくるんですよ。
オークラ こんなことされたら、本番中にうるさいでしょ!?
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- DVD / Blu-ray「舞台ウレロ☆未解決少女」
- 2015年6月10日発売 / テレビ東京 / Loppi・HMV限定販売 / DVD / 4860円 / TXRS0046 / Blu-ray / 5616円 / TXRS0047
DVD
- 予約受付期間(1回目) 5月31日まで
- Loppi商品番号:117869
お渡し日:6月10日 - 予約受付期間(2回目) 6月1日~6月3日
- Loppi商品番号:118803
お渡し日:6月10日 - 取り寄せ受付期間:6月4日以降
- Loppi商品番号:119019
お渡し日:6日後
Blu-ray
- 予約受付期間(1回目) 5月31日まで
- Loppi商品番号:117870
お渡し日:6月10日 - 予約受付期間(2回目) 6月1日~6月3日
- Loppi商品番号:119014
お渡し日:6月10日 - 取り寄せ受付期間:6月4日以降
- Loppi商品番号:119026
お渡し日:6日後
本編約120分+特典映像
出演者:劇団ひとり / バカリズム / 東京03 / 早見あかり / 在日ファンク / 伊藤正之 / 清水富美加
佐久間宣行(サクマノブユキ)
テレビ東京のプロデューサー。「ゴッドタン」「トーキョーライブ」など数々のバラエティ番組を担当している。2015年1月2日放送の「共感百景」はギャラクシー賞1月度の月間賞に選出された。
オークラ
放送作家。「ゴッドタン」「とんねるずのみなさんのおかげでした」のほか数多くの番組を担当。2015年6月開催のライブ「東京03 FROLIC A HOLICラブストーリー『取り返しのつかない姿』」に作・演出で参加している。
土屋亮一(ツチヤリョウイチ)
劇団「シベリア少女鉄道」代表。2015年4月には主宰の本公演「この流れバスター」が上演される。またメイン脚本で参加したドラマ「甲殻不動戦記ロボサン」のDVD&BDボックスが販売中。