「アンダー・ザ・ドーム」はできる限り、ハッピーエンドで終わってほしい

──最終章がよかった海外ドラマはありますか？

「ブレイキング・バッド」はよかったですよね、「もうちょっと続けられるんちゃうん？」ってところで終わったし。「24 -TWENTY FOUR-」は「24」やからよしとしようと思いますけど。

──「24」は全シーズンを制覇したんですか？

はい、全部観ました。「リブ・アナザー・デイ」も観ましたし。

──観始めたら全部最後まで付き合わなきゃという気持ちになるのが「24」ですね。

「24」は事件がどうこうじゃなくて、キーファー・サザーランド演じる主人公がどういう最後を迎えるかを見届ける役目がある（笑）。

──そういう意味では「アンダー・ザ・ドーム」を観たら、ドームがどうなるかも見届けないといけない。

だけど、見届けた結果「あれ？」っていうのが嫌で。一番いいのは「もう1シーズン続いてほしかったな」っていう感じで終わってほしいです。

──ちょっと物足りないかなくらいがいい？

はい。満足できますね。でも「アンダー・ザ・ドーム」はできる限り、ハッピーエンドで終わってほしいです。そして、恐らく俺はジムがジュニアを体張って助けて死ぬと踏んでるんですけど。映画の「アルマゲドン」じゃないけど、誰か1人がドームに残らなきゃいけなくなって、ジムが残る。

──あ、彼、顔がブルース・ウィリスに似てるし（笑）。

ドームが縮小するというエピソードがシーズン2でありましたよね。あれが、もう1回あってもいいと思うんですよね。

──そこをジムが助けるわけですね。「俺の町だ」とも彼は言ってますし。

そう。だからビッグ・ジムは町とともに死んでいくのかなとか勝手に予想してます（笑）。

──話は違うんですけど、女性陣で好みな人っていうのは？

好きな人？ そうだなー。リンダがいいかな！ 俺。

──どんなところがお好みで？

なんか真面目やし、いい奴やし、恋愛に対しても一生懸命尽くしてくれそうやし。好きかな、こいつが。

──意外とそういう人がタイプですか？

だって、アンジーはもうジュニアに思わせぶりしたから大変なことになったしね。しつこく。メラニーは何者かようわからん。ノリーはすぐ浮気するし。

──ジュリアは？

ジュリアは、なんか強気でしょ。リンダより。リンダは警官だから、職業的に強気なだけ。プライベートで2人っきりになったら甘えると思うんですよ。でもジュリアは根っから強気です。

──「アンダー・ザ・ドーム」は女性を見るドラマというよりは、男性を見るドラマという感じですか？

いや、女性とか男性とかじゃなくて、人間の本質を見るドラマですね。だって、町をドームが覆うというから、ファンタジーでリアリティがないように思いますけど、こういう状態は、いつでも現実に起こる可能性はある。例えば、何かしら大きい災害が起こって交通機関が全部ストップして日本から出られないとなったら、このドラマと同じ世界。僕、阪神・淡路大震災を経験してますけど、あのときは本当にコンビニに何もないとか、食料がなかなか手に入りづらいとかありましたから。東日本大震災も同じですよね。 「アンダー・ザ・ドーム」はそういった状況に置かれたとき、人間はどういった行動を取るか、人それぞれが持っている悪と正義をうまいこと表現してるなと思います。

──なるほど。ついつい観ちゃうのはやっぱりその辺が理由なんですかね。

そうだと思います。だから、「アンダー・ザ・ドーム」は“ながら観”ができないですね。ながら観しちゃうと本質の深い部分を逃がしちゃうときがあるから。意外に「24」の方がながら観できたりしますよ、アクションシーンとかね（笑）。そういった意味では「アンダー・ザ・ドーム」は真剣に深く観るドラマじゃないかなと思います。

要はさんまさんとダウンタウンさんが力を合わせて作ってるドラマですよ

──ツッコミ目線で観たときに、最大のツッコミどころは？

シーズン3が始まって1話観たときもそうですけど、観てると今までのプレイバックを簡潔にして流してくれるじゃないですか。でも毎回、牛のシーンが流れる。あれ、「もう牛のやつええで！」っていう。「もうわかったわかった！ 牛が真っ二つなるくらいのドームの威力わかった！」とは思います、毎回はもういらないですね（笑）。

──日頃、お笑いを好きで読んでくださるお笑いナタリーの読者に、「アンダー・ザ・ドーム」のこういうところがお笑い好きな人もきっと気に入るよ、というポイントを教えていただけませんか。

難しいなあ（笑）。お笑い好きな人からしたら、例えば、さんまさんとかダウンタウンさんとかウッチャンナンチャンさんみたいな今の時代を築いた人の作品って観たいわけじゃないですか。それと一緒で、この「アンダー・ザ・ドーム」の原作者のスティーヴン・キングはいろんな時代を築いている人なんです。それに加えて製作総指揮を務めているのがスティーヴン・スピルバーグ率いる製作会社アンブリング・テレビジョン。要はさんまさんとダウンタウンさんが力を合わせて作ってるドラマですよ。そう思えば、より楽しめるんじゃないかなと思いますけど。

──さんまさんとダウンタウンさんですか。

そうです。出てるキャストが若いってだけで、新進気鋭の若手ではなく盤石の実力者たちが作っているドラマやから。そういう部分ではストーリーも映像もしっかりしてますし、お笑いに必要な緩急の部分、緊張と緩和っていうものに近いものが「アンダー・ザ・ドーム」の中にはあるので、空気感だけは似てるかもしれないですね。すっごいピリピリした映像のあとにノリーとジョーがただイチャイチャしてるだけのシーンがあったりとか。そういうのをお笑い好きの人は楽しむのが一番なんじゃないかなと思います。