お笑いナタリー PowerPush - 鳥居みゆき

“尖ってた時代”からの盟友・きーぽんが聞く Draft King「贈る言葉」PVに込めた思い

鳥居みゆきが自身初となるPV監督に挑戦した。手掛けたのはガールズバンド・Draft Kingが歌う「贈る言葉」のビデオクリップ。「ヒットエンドラン」のネタでおなじみのクマのぬいぐるみ目線で主人公の少女の成長を描き、本人も母親役で出演、小道具として私物を散りばめるなど、鳥居みゆきのエッセンスを惜しげもなく注いでいる。

お笑いナタリーでは鳥居を昔からよく知る盟友・きーぽんを聞き手に迎えてインタビューを実施。どんな思いをPVに込めたのか、またDraft Kingがカバーした海援隊の名曲「贈る言葉」の魅力について、鳥居に語ってもらった。

聞き手 / きーぽん 文 / 狩野有理 撮影 / 笹森健一

きーぽんは尖ってる私を知っている

左から鳥居みゆき、きーぽん。

きーぽん そもそも私がここでインタビュアーをやらせていただいてるのは、私とみゆきちゃんが昔っからの仲ってことでお声がけいただいたからなんだけど。私がサンミュージックに入ったのもみゆきちゃんのおかげなんだよね。

鳥居みゆき そうだね。

きーぽん みゆきちゃんがサンミュージックに誘ってくれたときのこと覚えてる?

鳥居 覚えてない。ゴメン!

きーぽん 嘘でしょ!?(笑) あれは「R-1ぐらんぷり」の予選の楽屋だったかな? 私が前の事務所を辞めてフリーになったって言ったときに、「それならサンミュージックに来ればいいんじゃない?」って言ってくれて。

鳥居 そのとき私サンミュージック入ってた?

きーぽん 入ってたよ。もうみゆきちゃんが売れてる頃。

鳥居 売れてるのに「R-1」出てたの?

きーぽん 売れてるのに出てた(笑)。

鳥居 うそ。すげえ。やる気あるな! 「R-1」って売れたら出なくていいやつでしょ?

きーぽん そうだね(笑)。

鳥居 あ、思い出した。きーぽんをサンミュージックに入れてあげてって私がマネージャーに言ったんだよ。

きーぽん 女芸人がほしいっていうのもあってすぐに入れてもらえて。

鳥居 そのとき女芸人少なかったからね。昔は少なかったのにさー。

2人 今多いよね!

鳥居 こんなにいらないよ。“女芸人”っていう扱いがやだ。私、女芸人っていう括りのとき出ないもん。

きーぽん 昔みゆきちゃん、女芸人ライブのエンディングトークのとき毎回先に帰ってたでしょ?

鳥居みゆき

鳥居 私は女芸人ライブに限らずいつもネタやってすぐ帰ってたよ。

きーぽん だからほかの芸人みんなで「鳥居さんってすごい忙しいんだろうねー」って言ってたの。でもサンミュージック入って蓋開けてみたら、全然そんなことなくて。毎晩遊んでるわ!って(笑)。

鳥居 社交性がないとかじゃなくて、ライブのエンディングに意味があるって思わないんだよね。あと無料の路上ライブとか。だから私、あの頃自分で自分を高めなきゃいけないと思って「(出演料が)5000円以下のライブには出ません」って言ってたの。

きーぽん すごいよね。

鳥居 そのせいで全然ライブ出られなくなったけど(笑)。だから尖ってる私を知ってるんだよね、きーぽんは。

きーぽん うん、めっちゃ知ってるよ。そんな尖ってた時代を経て、今はいろんな共演者と舞台を作ってるみゆきちゃんですが(笑)。毎回私も声をかけてもらってて。

鳥居 私がきーぽんを誘うのは、大人になってからこんなおばちゃんが怒られてるところなんかめったに見られないじゃん。でも私は演出家としてすごいきーぽんに怒るわけ。「その演技違う!」って。それが気持ちよくて毎回呼んじゃうんだよね(笑)。

きーぽん なんなのそれ! どんな嗜み?

鳥居 きーぽん、そんな話いいからPV監督の話させてよー。

きーぽん あ、しちゃう? PVの話。

鳥居 あ、でもやっぱりこの前観た映画の話しちゃおうかな。

Draft King ニューシングル「贈る言葉」2015年3月4日発売 / サンミュージック
初回限定盤 [CD+DVD] 1500円 / SMLC-0017 / Amazon.co.jp
通常盤 [CD] 1000円 / SMLC-0018 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. 贈る言葉
  2. 誓いの歌
  3. 贈る言葉(Instrumental)
  4. 誓いの歌(Instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
  • 「贈る言葉」Music Video
鳥居みゆき(トリイミユキ)

鳥居みゆき

3月18日生まれ。秋田県出身。

鳥居みゆき「余った傘はありません」幻冬舎のPR誌「星星峡」での連載を経て2012年に単行本化された「余った傘はありません」が文庫化。本作は4月1日に生まれた双子の姉妹・ときえとよしえの一生が、彼女たちに関わってしまった人々ともに描かれている長編連作小説で、文庫版には書き下ろしの「はだかの王様」と歌人・穂村弘による解説も収録された。インタビュー中、本書の話題になった際、「テンポはいいけど決して読みやすくはないよね(笑)」というきーぽんの感想に対し、鳥居は「読みやすくはないと思うよ。でも全部わかっちゃうお腹いっぱいのやつって嫌じゃない?」とコメントしている。

きーぽん

きーぽん

1976年9月18日生まれ。栃木県出身。