お笑いナタリー PowerPush - たりないふたり -山里亮太と若林正恭-

南海キャンディーズ山里×オードリー若林 裏話満載のDVD誌上コメンタリー

安島隆&どきどきキャンプ佐藤 仕掛け人対談

山里と若林が何度も打ち合わせを重ねて作り上げてきた「たりないふたり」。毎回深夜に及ぶ打ち合わせを終えると、山里と若林は決して一緒に帰ることはない。しかし熱い打ち合わせの後だけに、2人はそれぞれまだ胸に秘めたいくつもの思いを抱えている。それを受け止めてきたのが、「たりないふたり」リングにおいて2人のセコンドともいえる演出・安島隆と、どきどきキャンプ佐藤だ。安島は山里の、佐藤は若林の、熱意、感動、不満、疑問、不信感、それらのすべてを聞き、「たりないふたり」を円滑に進めるため思案。2人がベストな状態で漫才作りをしてもらうため、2人の面白さを確実に視聴者に届けるため、「たりないふたり」に近い存在である「ちょっとたりてるふたり」が見た山里と若林の姿とは。

最初の打ち合わせ

安島 最初の打ち合わせは、お2人もそうでしたし、スタッフもまず元気でしたね。高揚感がすごい。

佐藤 ああー、確かに(笑)。

安島 ちまちまやってたクラブ活動が急にスポットライトを浴びて、変にフワフワしちゃって。

対談風景

佐藤 今までにないくらいのことだったと思いますよ。あれほど楽しんで、自分の中で盛り上がって番組に臨めるっていうのは。テンションも高かったですし、モチベーションももちろん高かったでしょうし。

安島 お互い「最後の楽園」という感じで。上げてくる企画の質・量ともにすごいし長時間に渡って一個一個を詰めようとする。とはいえ、全12回の放送で1回の収録で3本撮りしなければいけないから、1回目の収録分の内容考えながらも次の収録のことも視野に入れなきゃいけない。だから僕は「1回目の収録準備は、このくらいにしときましょう」って言わなきゃいけないんだけど、2人にすごく熱があるから、それを言わせない空気になってて。それを言うと「もうここら辺でいいじゃないですか」ってことになるから。

佐藤 はははは、そうですよね。

安島 「そんな感じで満足ですか?」みたいな圧を感じるから。スタッフだけの会議では「きっとやばいことになる」って言ってて、案の定なった(笑)。だから、「あ、これはもう腹括るしかないな」と。もちろん僕ら発信の企画もあるんですけど、結局は2人が納得して面白がることじゃないとやらせられないし、やっても面白くならないから、テレビ的にスケジュールをきって作るやり方を諦めちゃいました。

会議での山里&若林

安島 山ちゃんは、自分の意見を持ちつつも「みんながそういうなら」って譲るところがありますね。若様にはまず、意見の言い方について、お作法の話をしました(笑)。はっきり意見を言うのはいいんだけれど、突っ走り過ぎると周囲がついていけなくなって、面白い物が生まれづらくなるかなと。

佐藤 会議で例えば僕や誰かが何か言って、彼が「それ違う」って言うのに僕は慣れてて。オードリーのときもずっとそのやり方なので。

安島 あとは若林くんから「会議ではこう言ったんですけど、やっぱり違うと思う」という電話がきたり。番組後半ころ気づきました。会議で「なるほど」「そうっすね」って言いながら目があっちのほうにいってる時は全然「そうですね」って思ってない(笑)。

佐藤 「たりない」に関しては特にこだわりが強い部分があるみたいでしたね。だから、会議のときはほんとにいいと思ってて、あとからやっぱり違うなって思い返すときもあるんですよ。でもその一時間後くらいにまた電話があって逆転してる場合もあったり。

安島 その頃「田中が考え中」っていうアンガールズ田中くんの舞台を演出していてサトミツくんも手伝ってくれていて。24時過ぎくらいから稽古を始めるんですけど、まずどっちかのケータイが鳴って稽古場を出て、若林くんと喋って、終わって戻ってきたらすぐもう一方のケータイが鳴る(笑)。それ考えるとすごい熱量だなと思いました。あの少々の本しかない、がらんとした部屋で、1人でずーっと考えてるんだと思うと(笑)。

佐藤 静かにね。

安島 山ちゃんとは帰り道が一緒だから、タクシーの中でいろいろ話すんです。打ち合わせの時、本当はこう思っていた…という本音を聞いたり。その点若林くんとあまり変わらないです(笑)そうやって聞いた互いの意見を互いに伝えたりしましたね。

収録前の最終調整

安島 山ちゃんは、いっぱい練習をやって精度を高めていきたいタイプ。若林くんは気持ちが大事なタイプ。若林くんはやりすぎちゃうと自分が漫才を楽しめなくなる、それが漫才に出ちゃうって考える人で、山ちゃんはそこは練習で超えられるって思ってる。そうすると本番前に、山ちゃんは練習したいけど「若林くんはそうじゃないだろうな」って感じてるから、おずおずと「1回やっとく?」みたいな感じで言い出して、スッと始まんない。若林くんも「ああ、そうっすね」って。

佐藤 「やるならやりましょうか」みたいな(笑)。

対談風景

安島 やれよ、さっさと(笑)。DVDで明らかになりますけど、衝撃の瞬間があったんです。山ちゃんはよく「若林くんは普段どうしてるのかな。あんな練習量でなんであんな本番うまくいくんだろう」ってずっと言ってて。その頃から山ちゃんと僕の間で「なんで若林はあんなに本番前緊張してないんだ?」と話題になってたんです。ライブの頃はそれがまだ「すげーな若林くん、肝座ってんな」ぐらいの感じだったんだけど、番組が始まって一緒にたくさん時間を過ごすことによってそれが疑問に変わって。「どういうことなんだ、若林は」「だって仕事もいっぱいあって。忙しくて、どうしてんの」と。それで2回目の収録後にやった打ち上げというか反省会で、彼(佐藤)が衝撃の事実をカミングアウトしました。その模様が映像特典に入ってるんですよ。

佐藤 そうですね、あれはぜひ見ていただきたいですね。

安島 それを聞いた若林くんが「なぜ言うんだ」と怒り、そして山ちゃんは勝ち誇った顔。すごく嬉しそうだった。

佐藤 嬉しそうでしたね(笑)。

安島 山ちゃんにしてみたら「ああ、彼も人の子だ。決して超人ではない」と。

佐藤 気が楽になったというか、ちょっとホッとされてましたよね、山里さん。

安島 山ちゃんが言ってたのは、「若林くんもジェロニモ(マンガ「キン肉マン」に登場するキャラクター)なんだ」って。「人間だった。頑張って超人になった人だった」って(笑)。

安島隆安島隆

生年月日:1973年5月30日
出身地:東京都
日本テレビ制作局所属。これまでに「コレってアリですか?」「潜在異色」「ぜんぶウソ」「君の席」などの番組・ライブを企画演出。

佐藤満春佐藤満春(どきどきキャンプ)

生年月日:1978年2月17日
出身地:東京都
所属:ケイダッシュステージ
「たりないふたり」に作家として参加。

ライブ「たりないふたり」中野サンプラザ2DAYS

日時:2012年8月20日(月)、21日(火) 19時開演
会場:東京・中野サンプラザ
入場料:4500円
イベント問合せ:チケットぴあ 0570-02-9111 (受付時間10:00~18:00)