映画「SING/シング:ネクストステージ」トレンディエンジェル斎藤インタビュー|グンター役で日本語吹替版声優を続投!

ミュージックエンタテインメント「SING/シング:ネクストステージ」が3月18日に全国公開される。これは2017年に公開され、大ヒットを記録した「SING/シング」の続編。豪華キャストが日本語吹替版で声優を務めることでも話題のこの作品で、内村光良が主人公であるコアラのバスター・ムーン役、トレンディエンジェル斎藤がブタのグンター役を続投する。歌って踊るポジティブなキャラクター・グンター役をどんな思いで演じているのか、斎藤に話を聞いた。

取材・文 / 成田邦洋撮影 / 曽我美芽

オープニングでボルテージが一気に上がる

──2017年公開の前作「SING/シング」に続いてグンターの声優を務められることの率直なご感想は?

めちゃくちゃうれしいです。前作から時が経って、グンターはより成長していて、エンタテイナーとしてそこに立ってくれているので、僕も「初心を取り戻す」というような気持ちで挑めます。5年前はいなかった自分の子供に見せられるのもうれしいです。

──斎藤さんにも5年の間に大きな変化があったんですね。ちなみにお子さんは前作をご覧になりましたか?

見せました。上の子は3歳なので「この声はお父さんかな?」というのはわかったみたいなんですが、下の子はわからなかったみたいです。なので、YouTubeで僕とグンターがレディー・ガガの曲で踊っている動画を観て、それから下の子はレディー・ガガをひたすら歌っています(笑)。

トレンディエンジェル斎藤

トレンディエンジェル斎藤

──陽気で歌って踊るのが大好きなグンターと斎藤さんのキャラクターは重なって見えます。ご自身で似ていると思う部分は?

“空気の読めなさ”ですかね(笑)。ただ、グンターは「空気を読んでいない」ということ自体に気づいていないです。とにかくいいと思ったことを言う。ずっとポジティブ。僕は「あれ? これ、空気読めてないかも?」って気づきますし、その瞬間、一気に内向的になってしまう(笑)。ちょっとセンシティブな部分もあるんです。

──似ているようで違いがあるんですね。

グンターを見ていると、ほかの人がしゃべっているときとかも、ずっと動いているんですよ。僕というより、うちの下の子に似ているなという感じもします。

──今作の中でグンターの印象的なシーンは?

まず、オープニングの「LET'S GO CRAZY」のシーンでだいぶ心を持っていかれます。平常な気持ちだったのが、ここで「これこれ! 『SING/シング』はこれだよ!」ってボルテージが一気に上がります。その途中で出てくる、愛すべきグンターの目立ちたがり屋の部分が、僕っぽくて。「グンター、ニクいことするね!」と。昔、コンパにわざと遅れて行ったときのことを思い出しました(笑)。

──そんな共通点もあるんですね。

それと、バスター・ムーンやグンターたちがみんなでとあるプレゼンをしに行くシーンで、グンターがひょいと言った一言が運命を変える、というのも物怖じしない部分が出ていて印象的です。

トレンディエンジェル斎藤

トレンディエンジェル斎藤

トレンディエンジェル斎藤

トレンディエンジェル斎藤

お笑いと歌の二刀流

──「SING/シング」といえば、やはり歌。前作でグンターがレディー・ガガを歌って踊っていたのは大きなインパクトがありました。今作で歌ってみた感想は?

僕は相方・ロジータとデュエットをさせていただきまして、「完璧なパフォーマンスだった」と蔦谷好位置(日本語吹替版音楽プロデューサー)さんに言われました。みんなに言っているのかもしれませんけど(笑)。自分的に喉の調子はよかったです。あの日は声がけっこう出ていました。

──斎藤さんの歌のうまさは多くの人が知るところです。今回のキャストの中では特にどんな個性を発揮していると思われますか?

ムードメーカーなところでしょうか。劇場支配人のバスター・ムーンに扮する内村さんがいる、という安心感のもと、ハチャメチャやるというところですかね。僕は歌がうまかろうが失敗しようがダメージもそんなにないので(笑)、歌が好き、歌を愛しているというところを積極的に出すのが個性なのかなと。

トレンディエンジェル斎藤

トレンディエンジェル斎藤

──ズバリ、斎藤さんにとって「歌」とは?

ストレス発散であり、「二刀流」のうちの1つです。今、「お笑い」という刀のほうがちょっと頼りないんですけど(笑)、そんなときでも「歌」というもう1つの刀を磨いておけばいいなと。そもそもこの世界に入って4、5年くらいはくすぶっていて、テレビに初めて出させていただいたのがモノマネで歌う仕事だったんです。なので、これからも状態のいいほうの刀を武器にしていきます。

トレンディエンジェル斎藤

トレンディエンジェル斎藤

──「笑い」という点で、今作はコミカルな要素満載の作品でもあります。斎藤さんの視点から「ここは笑える!」というポイントを教えていただけますか?

いろいろあるんですが、“表”の笑いで言うと、グンターがほかの人の話を本当に聞いていないのが、かわいくてコミカルで面白いです。“裏”の視点から言うと、ロジータがショーで自分がやりたくない役柄の格好をして座っているのが、僕はたまらないです(笑)。そのバックボーンを考えると、あんまり笑っちゃいけないんですけど、観ているとつい笑っちゃいます。