罰ゲーム尽くしのバラエティ演習合宿

──では過酷だったという合宿のお話を聞かせていただけますか？

ウドンくん　まず東京組と大阪組、それぞれ行きのバスの中でひたすら大喜利、エピソードトーク、一発ギャグをやるんです。で、合宿所に着いたらバスの中で出た回答を使った東西対決が待っていて、「そういうことか」と。ベストアンサー同士を戦わせるっていう。

ハッピー遠藤　なぜか東西相撲大会もあったよね（笑）。

河邑　あったあった！ リレーとか長縄とか、体力系も。

ミカンくん　一番ハードだったのが、丘の上から全力疾走で駆け下りて、そこでお題を探してまた丘に上っていって答える企画。正解が出なければまた丘を下ってお題を探して……を繰り返すんです。

──バラエティ番組のようですね。

小野　即席コンビで漫才を作って披露するトーナメントもあったよね。

ハッピー遠藤　僕、イッシーと組みましたよ。

ミカンくん　ハッピー遠藤がギャグをやったあとに、僕が「バルス！」って言うと吹っ飛ぶっていうネタ。

ウドンくん　どんな漫才!?

ミカンくん　意外にも褒められたんですよ。お笑いがようわからなくなりました（笑）。

百瀬　あとは激辛カレーからの、センブリ茶。罰ゲーム尽くしでした。

河邑　何も悪いことしてないのに！

ミカンくん　予告寝起きドッキリもあって、ずっと気を張ってましたね。

──どれも実践的です。

カズヤ　濃い2日間でした。

ウドンくん　そのおかげで同期の結束も強まったと思います。

──合宿含め、今のみなさんに影響を与えている印象深かった授業や講師の言葉はありますか？

ケンタ　恋愛にまつわるネタをやると「恋愛のネタ嫌いやねん」ってだけで見てくれない先生がいて。僕は嫌いだったんですけど、その先生が別のコンビに「ボケるんとちょけるんは違うぞ」と言っていたのは覚えています。ちょけるっていうのは自分本位な行動なんですよね。でもボケるのは他人を笑かすこと。その言葉がきっかけで素人とプロの違いを意識するようになりました。

カズヤ　一応言っておくと、僕はその先生好きですからね？（笑） 普通ネタ時間2、3分のところを、僕ら10分くらいの尺でやっていたんです。怒られるかなって思っていたら、ほかの時間を守っているコンビに「好きなことをやりたいんやったらハリードみたいにやり切れ！」って。自信になりました。

河邑　でもほかの先生には怒られてたよな？

カズヤ　うん（笑）。

──ほかのみなさんはどうですか？

黒田　「お笑いは客商売や」という言葉は改めて自分たちはプロになるんだっていうことを自覚するきっかけになりました。

百瀬　演技の先生に「自分より下手だなって思う人は、実は自分と同じくらいの実力。自分よりちょっと上手いなって思う人は実はすごく上手い人だよ」って言われたのは今も思い出します。現状に満足しないで努力し続けなくちゃいけないなって。

同期は刺激を与えてくれる存在

──卒業後はそれぞれどんな活動をするのでしょうか。

百瀬　ネタ見せを受けて、まずはピラミッド型ライブの一番下のランクを目指します。

ハッピー遠藤　ピラミッドライブで結果を残すとテレビのオーディションを振ってもらえるんです。

小林　ガール座とウドントミカンは1年目でテレビに出てたよね。

ウドンくん　スクールのときの作家さんとマネージャーさんがネタを見てくださるんですけど、ネタがよければバンバン仕事をくれる方だったんです。

ミカンくん　テレビに出たくてお笑いを始めて、実際にテレビに出ている自分を見たら感動しましたね。

カズヤ　ネタを見てくれたマネージャーさんの目に留まれば、ライブにオファーしてもらえることもあります。

ケンタ　ユニットを組ませてもらったり。それこそ同期ライブをやらせてもらって、そこで初めて自分たちで企画コーナーを考えるっていう経験ができました。

河邑　多少無理なことも言い合える仲やから、いろんなことにチャレンジできたよね。

──少し話は飛びますが、大阪校出身の3組が今年東京に来た理由は？

河邑　ずっと東京に行きたいと思っていて、7月に大阪・道頓堀角座が閉館（編注：1月1日に大阪・松竹芸能 DAIHATSU 心斎橋角座がオープン）したのをきっかけに決めました。

ミカンくん　年末年始のテレビのオーディションがあるっていうのも大きかったです。

──3組のタイミングが重なりましたね。相談し合ってのことですか？

カズヤ　相談はしていないんですが、同期が行くっていうのはデカかったですね。置いていかれるっていう気持ちもあって。

──東京組は彼らの上京をどう感じていますか？ ライバルが3組も同時に押し寄せてくる形になりましたが。

百瀬　うれしいですし、がんばんないと！っていい刺激になります。

──「R-1ぐらんぷり2018」で河邑さんが決勝進出したのも刺激になったのでは。

ケンタ　「そこそこウケろ！」みたいな気持ちで応援してました。

一同　そうそうそう！（笑）

ウドンくん　ウケすぎるのもな（笑）。

ミカンくん　「優勝じゃなくて爪痕残すくらいにがんばれ！」。

河邑　優勝を願え！

カズヤ　ちょうどええとこやったよな。

河邑　ちょうどよくないわ！ 0票やったわ！

──優勝してあんまり遠くに行ってしまうと……。

ケンタ　追いつけないところに行かれると焦るんで（笑）。

──あはははは（笑）。応援しながらも悔しい気持ちもあるんですね。最後に改めて、松竹芸能タレントスクールの特色を教えてください。

カズヤ　仲がめちゃくちゃいいです。同期も、先輩も後輩も。

河邑　養成所のネタ見せで、生徒が頑なに笑わへんっていうエピソードをよく聞くじゃないですか。でも私たちのときはほんまに面白いネタやったら笑ってくれる雰囲気だったのでやりやすかったです。認めてくれる同期が多かった。

百瀬　スクールが終わったあとも生徒同士で「どうだった？」みたいなアドバイスをし合ったりしていました。ライバルはライバルなんですけど、切磋琢磨できる仲間です。

黒田　カリキュラムを毎年変えつつやっているので、新しくて面白いし、時代に合ったことを学べるのかなと思います。

小林　養成所生でも若手ライブに出られるのは大きいです。誰にでもチャンスがある。

──遠藤さんはいかがですか？ 松竹ならではのカラー。

ハッピー遠藤　えーっと……黄色です！

一同　あはははは！（笑）

百瀬　松竹の色は赤と白だよ（笑）。

ハッピー遠藤　アンハッピー！