笑福亭鶴瓶の「無学 鶴の間」|鶴瓶がシークレットゲストと共に送る配信番組を徹底レポート。第26回ゲストは浜村淳。 (20/27)

「無学 鶴の間」第18回レポート

笑福亭鶴瓶×木村多江(2023年11月4日配信)

ドラマで共演した2人。鶴瓶は手話に四苦八苦

「今日は大事なときやんか。あんた、よう来たな、こんな日に」と鶴瓶が一番前に座っていた観客に声をかける。「ちょっと立って」と言われ、立ち上がったその男性は阪神タイガースの半被姿。

この日は、プロ野球日本シリーズの第6戦目。大阪は阪神対オリックスの試合に沸く中だった。

笑福亭鶴瓶

笑福亭鶴瓶

「こんな格好してね、『球場行け』言うねん」、そう笑うも、「でもね、でも! ここに来てよかったと思いますよ。阪神タイガースの試合に行くのも、今日、価値ありますけど、ここで見られるってないですからね。しかも一番前でしょ。絶対うれしいと思いますよ」という鶴瓶の言葉に、観客の期待感が募る。

「もうご紹介していいですか。木村多江さんです」

鮮やかなワンピースを身にまとった木村がステージに現れると、歓声と大きな拍手が起こった。

「こんなところ、出たことないでしょ? 寄席ですよ」と鶴瓶が訊くと、「出たことないです。うれしいです」と木村が微笑む。

木村多江

木村多江

2人は、2022年、NHKで放映されたドラマ「しずかちゃんとパパ」で共演(現在U-NEXTで配信中)。「僕が好きになる人なんですよ」と鶴瓶が言うと、「そういう役でしたね」と木村。「“役”って。ほんまやからね」となんともうれしそうな鶴瓶。

当然、2人の話は「しずかちゃんとパパ」の撮影エピソードからスタート。ろう者の役だった鶴瓶は一から手話を習い、その難しさに四苦八苦しながらドラマに臨んだが、木村は手話がうまく、そのことに鶴瓶は驚いたという。


鶴瓶 手話やってはったんですか?

木村 私、高校3年生のときに手話のミュージカルをやっていたんです。手話で歌ったり踊ったりしながら。だけどそこからずっとやっていなくて、ちょうどもう一度習い始めたいと思っていたときにあのお仕事が来たんです。

鶴瓶 なんでもやっておけば、ものになるんですね。

木村 その経験がこんなに役立つとは思わなかったですが、また手話をやりたいと思っていたタイミングだったので、勉強しながら撮影しましたね。やっぱり手話を使う方たちと手話べり(手話を使ったおしゃべりすること)したいですから。

鶴瓶 俺が一番困ったのが、手話の同窓会のシーン。ほんまのろうあの方々の間に入れられるんですよ。向こうはドラマで見てるから、俺が手話できると思ってはる。でも、俺は自分のセリフしかわからんから、どうしようかと思った。

木村 すごくいいシーンでしたね。本当に手話の方たちばかりの中に入ってるのに、違和感なくすごく馴染んでましたよね。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

鶴瓶 なんでそんなに馴染むんやろ(笑)。俺も覚えないとしゃあないやんか。朝の5時頃に起きて、ずっと覚えるんですよ。

木村 でも鶴瓶さん、練習しないから(笑)。

鶴瓶 ふふふ。

木村 ふと見たら、寝てるんですよ。

鶴瓶 そんなこと言いに来たんか(笑)。

木村 すぐ寝てましたよね。

鶴瓶 ほんまにね、眠たなるんですよ。

木村 私が長セリフで、一生懸命手話をしながら言ってるときに、また寝てるんです。なんか死んだ魚の目みたいになって。

鶴瓶 誰が死んだ魚や(笑)。

笑福亭鶴瓶

笑福亭鶴瓶

木村 聞いたふりしてるんだけど、あれ、目開けて、寝てるんですよね?

鶴瓶 そう(笑)。いや、でもあんな仕事、よう俺、受けたわ。

木村 どんな役か知らなかったんですよね。

鶴瓶 ほんまに知らない。「セリフはあんまりないですから、やりましょうよ」ってマネージャーが言うから。セリフないわい、そりゃ。

木村 ふふふ。


手話は毎回ろう者の方に教えてもらいながら、ドラマに臨んだという鶴瓶。その教えてもらった方たちとも仲良くなって、今も時々食事に行くと話す。それを聞いて、「あ、呼んでください」と木村が言うも、「いやいや、呼びたいと思うけど、なんかね、ちょっとスケベェですからね、根本的に」と苦笑する。その余計な心配に、木村も「大丈夫ですよ」と言いながらも、「でも、飲み始めると、ちょいちょいスケベェが出るタイプなのでね、ちょっとね」と優しく微笑む。

木村多江、新作では忍者

鶴瓶 いやいや、だけどね、(観客に)わかっていただけるでしょ? スケベェになるでしょ、こんな人がそばにいてたら。でもここに出てくれるくらい、ほんまにざっくばらんな性格やし。でも、幸、薄いんちゃうの?

木村 いや、それは役。

鶴瓶 幸薄い役、ようやってる。

木村 いっぱいね、やりました。泣いて、犯罪を暴露するとかそんな役ばっかり。もしくは、病気になって死んじゃうとかね。どれだけ黒いリボンかけられたか。本当に。

鶴瓶 (笑)。

木村 ああ、生き残りたい、生き残りたいって。でもあるときに、映画で生き残る役が来たんですよ。どんどんみんな死んでいくんですね。出てる人たちが。これは私も死ぬなと思っていたら、最後、私だけ生き残ったんですよ。えっ!と思って、監督に「すいません、私、生きてていいんですか」って。

鶴瓶 ワハハ!

木村 そしたら「いいんですよ」って言っていただいたんです。

鶴瓶 あんだけ死んでたからね。生きてることが不思議で、「私、死ななあかんちゃうか」って?

木村 そうなんですよ。だから、そこから生き残れる人生が始まって、生命力のある役に変わってきて。

木村多江

木村多江

鶴瓶曰く「アンニュイ」な雰囲気をまとう木村多江。若い頃から本人は「コメディもやりたい」という想いを持っていたが、起用する側が「いや、木村さんはこっちでしょ」と、どうしても幸薄い役が多くなっていったと話す。しかし役者としての幅を徐々に広げ、今や実力派女優としての評価も高い。「今度、忍者やるんでしょ?」と鶴瓶。来年配信予定のNetflixシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」では、忍びの役として激しいアクションシーンにも挑戦しているという。

「アクションは大変でした」と木村。基本である「でんぐり返し」自体、「久しぶりすぎてできるかどうか」というところからのスタートだったそうだ。


鶴瓶 でんぐり返し、できませんよ。

木村 結構怖いですよね。大人になってから。

鶴瓶 今どっち向いてんのかわからへんもん。前、藤ヶ谷(太輔)にストレッチポールをもらったんですよ。そこにまず乗れない(笑)。つってまうねん。でも、昔から体型も変わってないでしょ。

木村 ちょっと変わってますけど、でもトレーニングをがんばってやってます。そういうアクションとかも来るので。

鶴瓶 うちのマネージャーも「ストレッチ行ってくれ」って言うんですけど、もうええやんかって言うてまうんですよ。

木村 伸びとか、それくらいから始めたらいいんじゃないですか。

鶴瓶 よう、つるねん。

木村 あれ、なんでしょうね。夜中にクーッてなりますよね(笑)。

鶴瓶 あれ、なんなの? それで嫁はんに言おうと思って横を見ると、嫁はんも「うう」って(笑)。2人ともつって、お互い助けられへん。

木村 どうにもなんないですよね。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

鶴瓶 どこがつるんですか。

木村 足かな。ヒールを履かなくなって、スニーカーばっかり履くようになったら、足の裏がつるようになったから、撮影で高いヒール履くような役をやるときは、その前からヒールを履いて慣れさせていますね。

鶴瓶 一番大変なとこ、つったの、首です。

木村 首?

鶴瓶 首つりました。

木村 あ、ちょっと聞こえが悪いです。

鶴瓶 (笑)。

鶴瓶は自由、木村多江は自然体

身体の話から、再び話は「しずかちゃんとパパ」での撮影エピソードへ。床に座っていた鶴瓶が立ち上がるシーンだったが、「この歳になると、スッと立ち上がれない」。一所懸命立ち上がろうと力んだ瞬間、真後ろに座っていた木村の顔の前で、ブーッとおならが出たのだという。そのとき、木村がポツリと言った一言を鶴瓶はいまだに忘れられない。


鶴瓶 「自由でいいですね」って(笑)。

木村 ふふふ。

鶴瓶 えらいこと言われたと思ったんですよ。そして「匂わないですよ」って。

木村 匂っちゃいますよね。嗅いじゃいますよね、ああいうときって。

鶴瓶 それはおかしいわ。グッと息止めるやんか。なのに、嗅いで、「匂わないですよ」って(笑)。褒められているのかどうだか。

木村 自由でいいなと思って。私もいつかそうなりたいなって。

鶴瓶 木村多江が「ブーッ」て! そんなん言わんといて。

木村 ふふふ。

木村多江

木村多江

鶴瓶 でも撮影、本当に楽しかったですね。ほんまにろう者がいてるということも良かったですね。

木村 いい機会でしたね。

鶴瓶 それで付き合えるっていうのはね。

木村 なかなかご一緒することも少ないし、みんなの中に1人とか2人とかいらっしゃると、その人たちにも伝わるように私たちも努力するし、その人たちも手話だけじゃなくて、ジェスチャーを入れて伝えてくださったりとかするから、あ、こんなふうに関係なく付き合えるんだなって思いましたね。手話も、この人ともっと話したいから手話を覚えようっていう、会話のひとつとして英語を勉強するみたいに手話を覚えていく感じで。


「自然体」。鶴瓶は木村多江のことをそう表する。この「無学 鶴の間」のように、生配信で、自分自身をさらけ出すしゃべりの場でも、臆することも、へんに気負うこともなく、自分らしくそこにいる。素直に鶴瓶とのコミュニケーションを楽しみ、1つひとつ、その時間を大事にしようとする姿勢が伝わってくるのだ。

この、スッとその場所に溶け込んでいく自然さは、どんな役にもなれる女優・木村多江の資質なのかもしれない。すると鶴瓶、「あれは面白かった。入り込んでたもんね」と、よるドラ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」(NHK)で姉の江里子役を演じた木村を称えた。発表されたときは意外な配役に思えたが、木村の柔らかい雰囲気と相まって、江里子の温かい人柄が見事に表現されていた。

「江里子さんは実際にいらっしゃる方なので、みんな知ってらっしゃる。でも私は会ったことがなかったから、みんなと同じようにYouTubeとかを見て、みんなと同じ情報量しかないんですよ。それでやるしかなかった」と木村。

「よう似てるなと思った。あの2人はお笑い芸人という枠じゃない、癒しですよね」と鶴瓶が言うと、木村も頷いた。

2人と樹木希林の縁。うれしい言葉

鶴瓶 今度はどんな役が来るかやね。逆に、困った役ってありますか? これはちょっとかなわんな、っていうか、ようやったなというのは。

木村 どの役も終わった後は燃え尽きちゃう感じですけど、ちょうど今オンエアしている「マイホームヒーロー」というドラマはマンガが原作で、すごく人気のマンガなんですよね。元があると、皆さんのイメージがあるから、それを壊してないかという不安があるけれど、ドラマはドラマのストーリーがあるから、そこで描かなくてはいけない部分と、マンガをリスペクトして、マンガのファンの方たちを裏切らない部分と、その境目がどこなんだろうというのはすごく難しかったですね。

鶴瓶 マンガは力がありますね。僕はグルーやってますから。元々あれ、「怪盗グルーの月泥棒」で、主役はミニオンじゃないんですよ。だからあいつらは端役なんですよ。でも、どんどんミニオンが人気出てね(笑)、グルーがどっかに行ってもうた。でもやってよかったのは、子供らがものすごく好きやし、小さいときから見てる子がもう高校ぐらいになってるんですよ。だから街で俺と会っても、「鶴瓶!」とか言わないんですよ。「グルーや!」って。

木村 ああ、うれしい。

鶴瓶 うれしいんですよ。高校生が「グルーや」って言うたり、中学生が「麦茶や」言うたり。「麦茶!」言うて追いかけてくるんですよ(笑)。

笑福亭鶴瓶

笑福亭鶴瓶

木村 私は「救命病棟24時」というドラマに出演したときに看護師さんの役をやったのですが、そのドラマを見ていたときは小さかった子が、「看護師さんになりました」と言ってくれたことがありました。ドラマを見て看護師になろうと思ってなったって。ああいうのはうれしいですね。

鶴瓶 絶対うれしいと思うわ。影響を受けて看護師さんになった。影響を受けてグルーになったというのはダメだけどね。泥棒やからね。

木村 なっちゃダメ(笑)。


さらに、「泣くシーン」についてどうするかというプロフェッショナルな話や、映画「ぐるりのこと。」を演じていた期間の精神状態のことなど、木村がどう役と向き合っているかが語られていく。

「憧れている人はいてたんですか?」と鶴瓶が訊くと、木村はこう答えた。

「私が高校生のとき、まだ全然映像をやろうとかそんなの何も持ってないときに、樹木希林さんが「台所の聖女」というドラマをやっていたんですよね。それで見終わったあとに、ウエーンって本当に声をあげて泣いちゃったんです。そんなふうに体が反応したの初めてだったのでびっくりして。なんてすごい人なんだろうと思って」

学生の頃は舞台を中心にダンスや歌をやっていたという木村だが、樹木希林の存在は、映像の道に進むひとつのきっかけにもなった。木村の初めてのドラマは、同じシーンこそなかったが、樹木との共演となり、その後、「ぐるりのこと。」で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞をもらったときの司会を務めたのが樹木希林で、樹木から賞をもらったことの喜びを話す。

鶴瓶も言う。

「俺、樹木さんからもらったうれしい言葉があって、『あんた、女優でなくてよかったよ。嫉妬してたよ』って言わはったんですよ。だから、まあ、噺家やけど、噺家でもない何もないことでの演技をするっていうことが不思議なんやろうね」

木村もまた、鶴瓶の演技について、「芝居が自然」と話す。鶴瓶は「自然にしかでけへんし」と言い、大河ドラマ「西郷どん」で岩倉具視の役を演じたときも、京都弁ではなく、自分が自然にできる関西弁にさせてもらったと話す。

一方、木村にとっては関西弁は難しい。そんな話から、大阪の話へとつながった。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

「1人で全部演る」ということ

木村 大阪は人の距離が近い感じしますね。大阪で撮影してたときに、皆さんが見ててくださるんですよね。東京だと「あ、撮影やってる」ってちょっと見てすぐ行っちゃうんですけど、大阪はずっと見ててくださって、拍手してくださるんですよ。終わると、「よかったで、よかったで、あんたよかったで」って言ってくれて。なんか、ドラマなのに舞台みたいな感覚で、そうやって応援してくださるのがうれしかった。実際、舞台をやるときも、大阪のお客様はあったかいんですよね。

鶴瓶 俺もね、独演会を大阪からスタートすると、BGMがどんと上がっていくと、まだ俺が出てないのに、わーっ!てなるんですよ。

木村 そう。迎えてくださってるって、1人芝居やったときにすごく思いました。

鶴瓶 1人芝居やったの?

木村 もうね、怖かった。でも落語家さんの気持ちがわかった感じがしました。1人で全部演るって、最初どうやっていいかわからなかったんです。それで、落語を見て、あ、こういうことかもしれないと思ったんです。2人とか3人いれば、必ず化学反応が起きるわけだけど、1人で演る、というのは化学反応がないわけだから。

鶴瓶 でもずっと演ってると、面白いでしょう。自分だけの反応で変わっていく。

木村 だからこそ、「自由でいる」ということが、私の中ではすごく大事なテーマに今なっているんです。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

鶴瓶 それがすごい大事でしょう。特に1人だと、誰も助けてくれない。だから、お客さんとの距離感を合わせながら笑わせていくっていうか、それがすごい大事で、お客さんにすごい助けてもらってる。

木村 そう、助けてもらってると思いました。自分1人だから、来てくださるお客様をおもてなししなきゃってすごく思って、がんばんなきゃと思っていたんだけど。

鶴瓶 以前、大阪の独演会でしゃべっていたときに、ちょうど、吉永小百合さんと映画に出たときで、「石原裕次郎さんとか渡哲也さんとか、恋人役がすごい人ばっかりなのに、なんで俺やろ」ってぼそっと言ったんですよ。そしたら会場に来てたおっさんが、「もう飽きたんや」って。

木村 (笑)。

鶴瓶 それがどーんとウケた。でもウケたからって、それ以上また言うてきはらへんねん。それがすごい。勇気いるよ。俺が「なんでやろう」って言うてすぐですよ。「もう飽きたんや」。ものすごい説得力がある。だから、そういう意味では、関西って、ものすごいヒントも与えてくれるしね。

木村 そうですね。ちゃんと、うんうんって答えてくださる感じがありますよね。


自由でいると、周りの空気も自由になり、それによって、思いがけない化学反応が起きてくるのかもしれない。木村が鶴瓶に言ったという「自由でいいですね」という言葉の意味についても、こんな対話があった。

「鶴瓶さんと撮影をご一緒して、本当に自由だなと思ったんです。あ、こうやって、やらなきゃいけなくても、寝て、それでちゃんとスッキリして、で、またちゃんと本番ですごいいい芝居する。結局、いい芝居すればいいわけだから」

鶴瓶が続ける。

「自由にやっているというか、自分で言うのもおかしいけど、現場の雰囲気はいいですよ」

木村が頷く。

「鶴瓶さんがいると、なんかみんな、あ、もう自由に笑っていいんだとか、楽しんでいいんだって気持ちになるんですよ」

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

実際、この日のトークは、その「自由さ」を互いに楽しんでいるようなところがあった。木村の柔らかい雰囲気が、トークを聴かせる心地よさにつながり、自由に言葉が行き来する。その中でふと見せる素顔や漏れる言葉、そして、俳優として仕事にいかに向き合っているか、その姿勢を知ることができるのだ。

「可愛い人やろ」、最後、鶴瓶は観客に言った。

「好きになるやんか」と。

鶴瓶だけではない。ここにいた観客はすでに、木村多江を好きになっていたに違いなかった。

「無学 鶴の間」第18回目のゲストは、女優・木村多江。これから先、もっと自然に、もっと自由になっていくだろう彼女の、さまざまな役を見てみたい、そう願わずにはいられない回だったと思う。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

左から木村多江、笑福亭鶴瓶。

木村多江

木村多江

第18回(2023年11月4日配信)
笑福亭鶴瓶×木村多江

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プロフィール

笑福亭鶴瓶(ショウフクテイツルベ)

1951年12月23日生まれ。大阪府出身。1972年、6代目笑福亭松鶴のもとに入門。以降、テレビバラエティ、ドラマ、映画、ラジオ、落語などで長年にわたって活躍している。大阪・帝塚山の寄席小屋「無学」で、秘密のゲストを招いて行う「帝塚山 無学の会」を20年以上にわたって開催してきた。

木村多江(キムラタエ)

1971年東京生まれ。学生時代から舞台活動を始め、96年でドラマデビュー。初主演映画「ぐるりのこと。」では多数の映画賞を受賞。以降、ドラマ、映画、舞台などで活躍。現在、ドラマイズム「マイホームヒーロー」(MBS / TBS)に出演中。また、2024年には、日英合作映画「コットンテール」(パトリック・ディキンソン監督)、Netflixシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」が公開予定。

2024年10月30日更新