お笑いナタリー PowerPush - エレ片コントライブ ~コントの人8~
エレ片10年目突入!最新DVD解説&メンバーの欠点総ざらい
劇団の主宰で作・演出・主演を務めているねじまき(片桐)と団員のハルサワ(今立)は、お笑い作家の男(やつい)のもとへネタ見せにやって来た。公演でバカウケしているというショートコントでお笑いコンテストに挑もうというのだ。違和感しかない2人にダメ出しする作家、「ブス」と言われても自分の美貌を疑わないねじまき、主宰を信じきっているハルサワの攻防戦。
やつい この人もいます。
──この人も!?
片桐 まんまいます。服装も同じ。
──「こういう人いるよね」っていうイメージを膨らませて作り出したキャラなのかと思いました。
片桐 この人が「こういう人いるよね 」のイメージそのままなんですよ。
やつい 音響さんに「これはあの劇団の座長ですよね?」って言われたことがあって。全然違ったんですけど、こういう人ってどこにでもいるんだなーって改めて思いましたね。
片桐 やついが体当たりしてくるのが本当に痛くて。「痛めてやろう」って思ってるんでしょうね。あのシーンになるたびに「来る、来る……」って思うですけど、毎回思ったより痛いんですよ。で、うわーってなるとやついがすげえ笑うから悔しいから我慢して。痛くてすごい辛かったです。
──今立さんはこのコントで辛かった場面はありますか?
今立 僕は終始洗脳されてたのでないです。
片桐 そういう劇団出たことあるもんね!
今立 出てねえよ!
いわくつき物件に引っ越してきたばかりの男(今立)の部屋の壁を突き破ってきたのは、2人のリュージュ競技者(やつい&片桐)だった! ソリに乗って壁に穴を空けては逃げる彼らに、男はただただ部屋を破壊される。
──これはもう観ていて単純に楽しいネタでした。
片桐 稽古が全然できなくって、やるかやらないかは劇場に入ってから決めました。
今立 見た目が面白いかどうかで。尺も3分くらいしかないからね(笑)。
やつい 頭の中で動かすと面白いけど、実際やってみるとつまんないってことはよくあるんですが、わりと思い描いてた通りに動けましたね。
片桐 これは実話なんだっけ? 坂道を滑ってる人がいるとかって……。
やつい ああ、そうそう。これも実話です。
──これもですか!
やつい そういう事件があったんですよ。で、ちょうど冬季オリンピックのときだったのでリュージュかスケルトンか迷って、足から出てきたほうが面白いだろうとリュージュにしました。
──ソリの乗り心地は?
やつい 楽しいんですけどしんどいです。全力でぐるぐる回るので。でもこのネタは身体的で面白いって宮沢章夫さんに言われました。「若いうちは動くっていうのが大事だね」って。
今立 若くはないんだけどね(笑)。ただただ家の壁壊されてダンボールが飛んでくるのは笑っちゃいます。
やつい まあ中身は何にもないです(笑)。レールに置いてある風船を、先端に針がついてる汽車に割られないように持ち上げてっていうゲームが好きなんですけど、あのイメージで作りました。
カルチャーに詳しいやち平(やつい)とダチ平(今立)がおしゃれカフェでサブカルトークを繰り広げている。そこにお笑い芸人・カタギリーズの片桐が来店。サインをもらおうとするサブカル好きのダチ平に、やち平はとんでもない罵声を浴びせる。
やつい 「これはサブカル」とかってすぐカテゴライズする人が多いじゃないですか。そいつこそ気持ち悪いぞっていうコントです。サブカル女子に関しては全然よくて、サブカル女子を攻撃している人が一番気持ち悪いっていう。
──これももしかして実際にモデルがいるんでしょうか。
やつい これもいますね。この人の中でも放送できる系のものだけを集めてます。
片桐 サブカル好きな子と、本当は自分もサブカル好きなのにサブカル好きをバカにしてる子っていう。東京以外の会場だとちょっとわかりにくかったかもしれないですね。やち平さんのキャラが強くて。最低の下ネタもかましてますからね(笑)。
──よくピー音にならなかったですね。
やつい 七尾旅人さんの「シャッター商店街のマイルスデイビス」って曲を聴いて入れようと思ったフレーズなんですよ。
今立 そのフレーズそのまま使っちゃったっていう(笑)。これからDVD観る人は楽しみにしててください。
すべての言動を肯定してくれるロボット・全肯定人間(やつい)。これを手に入れてから上り調子だという今立は、同僚の片桐にも仕事をがんばってもらおうと全肯定人間を貸してやることに。これが片桐を堕落させるきっかけとなり……。
──これはほかとはテイストが異なるネタでした。
やつい パターン化してるライブがもうやだなと思ってて、違うことをやりたかったんです。あとこれは片桐さんに対する「がんばれよ」っていうエールを込めたコントなんですよ。片桐仁っていう人間に対してのプレゼント……っていうのかな。
一同 あはははは!
やつい だからよくよく観ていただくと、片桐さんが演じている男が片桐仁っぽい人生なんですよ。優れた友達がいて、そいつとコンビを組んで活動していたけど、そいつばっかり評価されて自分は全然評価されない。そのときに全肯定人間をもらって肯定され続けていった先がどうなるかっていうね。まさに片桐仁さんに贈るコント。
今立 痛かった?
片桐 痛くはないよ! まさか俺のことだとは思ってないもん!
今立 プレゼント届いてなかった(笑)。
やつい 最後のオチは考えましたね。そんなにすぐ人って変わらないじゃないですか。それも片桐さんが2014年の最初に「僕は変わる!」って言っててやっぱり変わらなったんですよね。それもそのままコントにしました。
片桐 去年性格を変えるって決心したんですけど……。
今立 悪化の感さえある。
片桐 いやいや、変わるってことを意識してるから進歩はしてるよ!
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収録内容
- オープニング
- タワーマンション
- ヘブンアーティスト
- ねじまきミドリ
- リュージュ
- カフェ女子
- 全肯定人間
- エンディング
特典映像
- エレ片カードゲーム
- 仏跳牆(ファッチューチョン)
- ELE-KATA SURVIVAL GAME
副音声
エレ片3人によるオーディオコメンタリー
エレ片(エレカタ)
左/やついいちろう
生年月日:1974年11月15日
出身地:三重県
中央/片桐仁(カタギリジン)
生年月日:1973年11月27日
出身地:埼玉県
右/今立進(イマダチススム)
生年月日:1975年9月27日
出身地:東京都
全国7会場でエレ片コントライブ「コントの人9」開催!
「JUNKサタデー エレ片のコント太郎」
TBSラジオ 毎週土曜25:00~27:00