お笑いナタリー Power Push - 映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」

まるでハルク!?芸人とIT企業役員の2つの顔を持つ厚切りジェイソンも太鼓判!

敵同士なのにWHY!?

厚切りジェイソン

──そのほかに気になったシーンはありましたか?

アベンジャーズと対立しているスカーレット・ウィッチが、アイアンマンをマインドコントロールしたときに“マインドストーン”を渡してしまうんです。敵同士なのにWHY!?って思いました(笑)。でもそれがのちのちの面白い展開につながっていくんですよね。

──本作は個性がバラバラな登場人物がみんなで力を合わせて戦うのが見どころの1つです。

そうなんですよね。これだけバラバラな人たちがいろんな苦難を乗り越えて力を集結させるってすごいですよ!

力を集結させるアベンジャーズ。©Marvel 2015

──厚切りさんが、こういう個性的なメンバーを仕切るリーダーだとしたらどういうチーム作りをしますか?

まずは将来何を実現したいのか確認しておくことです。それぞれの実現したい夢に共通点を見つけ出して、それを実現させるためにみんながどう手伝えるのか考える。将来のビジョンにつながる道筋を全員で話し合えれば、たぶんみんなうまくいくんじゃないですか?

──現在務めていらっしゃるIT企業ではそういうふうに仕事をしている?

はい。同じです、ヒーローも会社も(笑)。お笑いの世界とはちょっと違うかもしれないですけどね。お笑いでもたまにはチームになるときがありますけど、どっちかというと1人が輝いていく世界なのかなと。

日本版「アベンジャーズ」だったら、きっと24時間営業

──仕事で日本とアメリカを行き来する厚切りさんから見て、この作品に“アメリカ的”な部分を感じる場面はありましたか?

ホークアイ ©Marvel 2015

家庭を持つホークアイが「住居の修理があるから帰らないといけない」って言っているシーンなんかは、日本ではあんまりないシチュエーションなんじゃないですか? 日本版の「アベンジャーズ」だったら、みんなきっと帰らないですよ。「ヒーローに仕事より大事なものはない!」って言って、24時間ずっとやってると思います(笑)。仕事よりも家族を優先するのはアメリカ的ですね。

──愛国心の強いキャプテン・アメリカというキャラには、アメリカ人としてどんな印象を持ちますか?

ボクの親くらいの世代に合わせた価値観なんでしょうね。こんなに愛国心丸出しでは今の若者たちからはちょっとダサく思われてしまうかも。逆に日本版がいたらどう思いますか? “日の丸マウントマン”みたいな。おかしいよ!(笑)

──劇中で強い女性が大活躍するのもアメリカならではという感じがします。

ブラック・ウィドウ ©Marvel 2015

そうですね。ボクは自分の意見をはっきり言える、自分から動くっていう、強い女性に憧れます。ずっとうしろで何も言わずに待っているだけよりずっといい。この作品の中ではスカーレット・ウィッチよりはブラック・ウィドウのほうが前に出ていましたね。第二次世界大戦の前はもしかしたら日本寄りの、一歩引いた、控えめな女性が描かれていたかもしれません。でも途中から価値観が変わったんでしょう。僕が生まれてからは、前に出ていく女性が魅力的、という描き方をメディアがしているんだと思います。

戦いの中にコミカルな要素もあり、見どころ満載!

──先ほど、家族愛など“戦う理由”が丁寧に描かれているところを世界的ヒットの理由として挙げられていましたが、ほかにも思い当たる要因はありますか?

「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の一場面。©Marvel 2015

主人公が1人だけではなく数人いることで、自分の価値観と近い主人公が現れる可能性が高いっていうのが多くの人を引きつける要因でしょう。それとストーリーも、スケールは大きいですが、ボクたちの日常とそう遠くはない。だから共感しやすい。しかもこんなにキレイな映像で楽しめる。たくさんの魅力的な要素を兼ね備えた映画だと思います。

──では最後に、お笑いナタリー読者に注目してほしいポイントを聞かせてください。

吹替版を観させてもらって、個人的に面白いと思ったのは「クソッ!」とか言ったあとに「口が悪いぞ」って警告してたじゃないですか。でも日本語ではそんなに口が悪いことではないんですよね。そこまで注意しなくてもいいだろう、っていう(笑)。もともとの英語のセリフが想像できたから、その文化の違いを大げさに感じて面白かったな。あとシリアスなタイミングで「Hey!」っていう陽気なセリフが入っていたり。真面目な戦いの中でもコミカルな要素がちゃんと盛り込まれているのも見どころです。以上!

映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」
2015年7月4日(土)全国ロードショー
映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」
あらすじ

それは、人類の平和を守るために作られたシステムのはずだった──。アイアンマンとして人類の危機を何度も救ってきたトニー・スターク。アベンジャーズの限界を誰よりも知る彼は、恐れていた。自分たちの手に負えない敵が現れたとき、誰が愛する人を守るのか……? だからこそ彼は禁断の平和維持システム、人工知能<ウルトロン>を起動させた。愛なき人工知能が選択する“究極の平和”とは、平和を脅かす唯一の存在、すなわち人類の抹消を意味することとは知らずに……。人類滅亡の危機に再び結集したアベンジャーズは、人知を超えたウルトロンを相手に為すすべもない。それでも彼らは勝たなくてはならないのだ──愛する者を守るために。

©Marvel 2015

厚切りジェイソン(アツギリジェイソン)
厚切りジェイソン

1986年4月9日生まれ、アメリカ合衆国出身。2015年2月放送の「R-1ぐらんぷり2015」でデビュー4カ月にしてファイナリスト入りを果たし、注目度が急上昇。同年6月24日に1st DVD「WHY JAPANESE PEOPLE!?」を発売。9月6日に東京・草月ホールにて開催される「ワタナベエンターテインメント夏のスペシャルお笑いライブ WEL SP 2015」では“ライブCEO”に就任。出演者の1組としてだけでなく、CEOとしての手腕も見せつける。ワタナベエンターテインメント所属。