動画配信サービス「AT-DX」で昨年3月にスタートした「マヂラブのマヂでラブになるTV」は、アニメ好きの野口衣織(=LOVE)がマヂカルラブリーにアニメ作品をわかりやすく紹介する番組。ゲスト芸人が作品にちなんだ書き下ろしネタを披露するのも見どころだ。
そんな「マヂラブTV」初のイベントが5月11日(日)に東京・江東区文化センター ホールで開催されることが決定。お笑いナタリーではマヂカルラブリーと野口衣織にインタビューを実施し、番組開始から1年間の思い出、印象に残っている芸人、イベントへの意気込みなどを聞いた。また三拍子とスタミナパンのゲスト出演回の収録レポートも掲載する。
取材・文 / 塚越嵩大撮影 / 森好弘
「マヂラブのマヂでラブになるTV」とは
マヂカルラブリーに野口衣織(=LOVE)がアニメ作品をわかりやすく紹介する番組。これまでナイチンゲールダンス、オダウエダ、囲碁将棋、エバース、ママタルトといった実力派芸人たちが登場してきた。マヂラブとゲスト芸人によるトークやクイズ企画も展開され、お笑い好きもアニメ好きも楽しめること請け合いだ。
1年でこんなに仲良くなりました
──前回の特集から約1年が経ちましたが、マヂカルラブリーさんと野口さんの距離は縮まりましたか?
マヂカルラブリー村上 非常に縮まっています。
マヂカルラブリー野田クリスタル マブダチです。
野口衣織 マブダチ!?(笑) 確かにすごく仲良くなれた気がしています。イコラブのメンバー以外と収録の合間にお話することがあまりないので、自分がここまで心を開けたことに驚いています。
村上 開いてくれてるんだ。うれしいなあ。
野口 「パカッ」って(笑)。毎回収録が楽しいです。
野田 番組の開始当初よりも雑談の量は増えました。仲がよくなったのか、単にダラダラしだしたのか(笑)。
村上 僕らと野口さんって人間としての属性は似ている気がするので話しやすくて、いい関係性になってきたと思います。この番組では自然体でいられるんです。その緊張感のなさがちょうど自分たちが一番力を発揮できるラインなので、3人それぞれのいいところが出ていると思います。
野口 いい意味で、こんなに何も考えずにしゃべれる場所は少ないです。
野田 考えたほうがいいとは思うよ。
野口 違う違う! 私、考えすぎちゃうんですよ。「マヂラブTV」のような「楽しいから大丈夫!」と思って自由にできる番組はありがたいです。たまにタメ口が出ちゃうので、そこは気を付けたいと思っています(笑)。
野田 野口さんのタメ口が出たとき、実はこっちはニヤニヤしてるの気付いてる?
野口 そうなんですか!?
村上 うれしいんだ。
野田 「タメ口だ!」って(笑)。
──以前のインタビューでマヂカルラブリーのお二人は野口さんについて「まったく慣れてない感じがいい」「もっと噛んだり、段取りを飛ばしたりしてほしい」と話していましたが、そんな野口さんの成長を感じる瞬間はありますか?
野田 もちろんあります。今日の収録だって流れるような進行を見せてくれていますから。いつの間にか次の段取りに入っている、鮮やかなグラデーションのような……。
野口 やめて! あんまり褒めないでください(笑)。
村上 かと思ったらまったくカンペを読めないこともあって、そのできないところもずっとかわいいです。
野口 優しい!
──野口さんは自身で成長を感じる瞬間はありますか?
野口 成長したというか緊張がほぐれた感じはします。私がどんなに間違ってもマヂラブさんが拾って面白くしてくださるという安心感があって。
野田 拾ってるんじゃなくて、イジってるんだけどね。
野口 私バカにされてたんですか!?(笑)
村上 「ヤバ、この人!」って感じ。
野田 僕らは基本的に人をバカにしたいから(笑)。
野口 優しいからミスを全部おもしろに変えてくれてるんだと思ってました!
野田 そっちでもいいです。好きなほうの捉え方でOKです。
野口 でも、マヂラブさんのおかげで「どうにかなるでしょ!」と心のどこかで思えているのはかなり大きいです。あと番組の公式SNSにアップされている切り抜きが4コママンガの即オチ感があってすごく好きなんです。収録では「ちゃんとできたかな?」と不安になるんですけど、切り抜きを見ると「面白くなってる!」と安心します。メンバーにも「これの私めっちゃおもろい!」と動画を見せています(笑)。
オダウエダと野口衣織のコラボに期待?
──約1年続けてきた上で、改めて感じた番組の魅力はありますか?
野田 ここにきてほのかに思い始めてるのは、シンプルに「すごくいいアニメが続いてるな」。数多のアニメがある中で、チョイスが毎回素晴らしいです。
村上 絶妙なんです。すごく一般的とまではいかないけど、評価はされている作品だから本当に観たくなる。
野田 最初の趣旨からズレていく番組が多い中で「マヂカルラブリーが知らないけど観たほうがいいアニメを紹介する」という基本的な趣旨に沿い続けている(笑)。
村上 自分でも面白そうなアニメを調べるときはあるんですけど、結局どれを観ればいいのかわからないので、かなり役立っています。
──番組ではさまざまな芸人がアニメにまつわる書き下ろしネタを披露してきました。印象に残っている芸人はいますか?
野口 私はいぬさん!
村上 アニメに全然沿ってなかったけどね(笑)。
野口 ネタの内容がツボでした。再登場した芸人さんもいるので、いぬさんにもまた会えたらいいなあ。
野田 呼べばくるよ、あいつらは(笑)。
村上 僕はインポッシブルが印象に残っています。アニメのコスプレをして自分たちのネタをやっただけなんですけど、「これでもいいんだよ」と思いました。この番組に出てくる芸人は本当に面白い実力派の人たちなので、手抜きをせずにちゃんとアニメに沿ったいいネタを作ってきてくれるんですけど、インポッシブルパターンでも全然いいです。
野田 俺はオダウエダかな。毎回大荷物を持ってきて全力でやってくれるので。コスプレもしていたので、いつかネタに野口さんが入って一緒にコスプレをしてもいいんじゃないかな。「オダウエダノグチ」で。
野口 語呂悪くなっちゃった、急に!
──オダウエダさん登場回では、野口さんも「はめふら(乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…)」のカタリナの衣装を着ていました。野口さんは「はめふら」が大好きとのことですが、衣装を着た感想は?
野口 感無量でした! 「着させていただいていいんですか!?」という気持ちが強かったです。ファンの方々は私が「はめふら」を好きなことは知っているので「よかったね!」「衣織ちゃんのカタリナが見られてうれしい!」という声がたくさん届きまして。私は好きすぎるものとは距離を置きたいタイプなので、普通だったら「おこがまです!」って感じなんですけど。
野田 おこがま? 「おこがましい」の「しい」を取っちゃうんだ。
野口 「おこがま」です! でもファンの方が喜んでくれているのを見て「着てよかった~」と思いました。
村上 こっちはいろいろ着てほしいんだよなあ。
野口 「おこがま」です! 「しい」です!
エバースはド緊張、カラタチは大暴れ
──この番組でエバースが緊張していたというエピソードを野田さんが「M-1」の会見などで時々話しているのをお見かけしますが、そんなに緊張していたんですか?
野田 はい。まさかの主人公の名前を忘れるという緊張ぶりでした。とんでもない飛び方ですよ。エバースって若手の中でもネタのレベルが相当高くて、いつ「M-1」優勝してもおかしくないようなイメージで、先輩も気を遣っちゃうくらいの実力派なんですけど、あの緊張ぶりを見て急激にかわいくなっちゃいました。
村上 町田はまだわかるけど、佐々木もかわいいんだっていう。
野田 佐々木もかわいい。町田もかわいい。
──そんなエバースも今や「M-1」ファイナリストです。ほかにも、ママタルト、ななまがり、寺田寛明さんなど賞レースの決勝進出者が多数登場してきました。
村上 本当に一線級の芸人ばかり出ていますよね。
野田 どういう交渉をしたら、あのレベルの芸人たちがこの番組のためだけの新ネタをあんなに真剣に作ってくれるんだろう?
村上 謎だよね(笑)。
──カラタチが登場した回では、マヂラブのお二人にイジられまくっていたのも面白かったです。
村上 ボケの前田が気持ち悪いキャラとして認知されていますけど、実は大山もキモい。大山の立ち位置が意味わからないんです。前田に「気持ち悪いんだよ!」とかツッコんでるけど、お前もだろっていう。
野田 どっちも変だよね。
──大山さんは持ち前のアニメ知識を生かして、YouTubeのスピンオフ番組「野口衣織のマヂLaughTV」レギュラーの座を勝ち取りました。私も観させていただきましたが、大山さんと野口さんのフレッシュな掛け合いが楽しいです。
村上 ……知らない間に大山が“別の主人公”みたいな立ち位置になってません?
野口 実は今日のスピンオフの収録は前田さんも参加してくださいました。
野田 「カラタチTV」が始まるんですか? 今日のカラタチはどうだった?
野口 「大暴れシリーズ」って感じでした。
野田 「大暴れ」でいいじゃん(笑)。なんでシリーズ化してるんだよ。
野口 でもカラタチさんのおかげで「野口衣織のマヂLaughTV」もスピンオフに留まらない単独の番組として面白い内容になってると思います。本編にもまた来てほしいです!
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芸人たちの真価はステージ上で発揮される