事務所の一室でやっていた自主ラジオがTBSへ
2021年5月に始まり、先日6月30日に配信された最新回で181回を数える「階段腰掛け男」。ネタ作りを担当していない溜口が主体となり、慣れない作業に苦戦しながらもほぼ毎週、生配信してファンに近況を一番に報告してきた。仕事ではない自主ラジオのため、昨年の「キングオブコント」優勝後はなかなか時間を取れず、配信日がズレることも。それでも日を振り替えながら4年間継続した。そんな「階段腰掛け男」が実を結び、TBS Podcastというラジオリスナーからも信頼の厚い枠へ引っ越すことになったのだ。
探り探りの“令和のカリスマ”
ラブレターズは2014年から1年間、「オールナイトニッポン0」を担当。それぞれのキャラクターを生かしたトークやコーナーを展開し、溜口が「カリスマ」、塚本が「カリデカ」という愛称で多くのリスナーに親しまれた。ポッドキャスト版「階段腰掛け男」では、そのカリスマ、カリデカが復活。当時のキャラクターをそのまま突き通すのではなく時代に合わせた令和仕様のスタイルで新規リスナーや「階段腰掛け男」ファンも突き放さない。
しかし、初回はカリスマも探り探りの様子で、昭和生まれにしかわからないようなワードを連発。かと思えば直近の時事ネタも交えたり、自粛すべきワードに配慮したりと、令和対応を意識する場面も。制作には、ディレクターに宗岡芳樹氏、構成作家に奥田泰氏という「ANN0」時代のスタッフが参加。彼らと出演者のラブレターズはまさかのノーギャラのため、番組のイベント化、スポンサーや個人協賛の募集など、マネタイズ案の検討に余念がない。1回30分ほどで撮れ高十分のところ、約50分にわたって賑やかなトークを繰り広げた。
収録後、ラブレターズの2人に感想と自主ラジオがTBS Podcastに移ったこと、当時と同じスタッフと再集結できたことについて聞いた。なお番組の最新情報はXの公式アカウントで確認を。
リスナーに寄り添えるカリスマへ
──“カリスマ”も令和仕様なんですね。
溜口:今までのカリスマとは違います。もうムチャして暴れまわるみたいなことはしない。大人なカリスマにならないと。加藤浩次さんもそうじゃないですか。「狂犬」と言われた人がちゃんとカッコいい大人の男になっている。時代に合わせていく、そういうことなんじゃないですかね、令和のカリスマっていうのは。リスナーにも寄り添うところは寄り添って。「“階段”の上で待ってるぞ」っていう……。
塚本:えーっと、模索中ってことでいいですか?(笑)
溜口:今、作り上げていってます!(笑)
──タンクトップ姿で深夜の生放送をやり通すのが以前のカリスマでしたが、今日は普通のお召し物で収録しました。
溜口:時代、ですかね。
塚本:タンクトップは時代関係ないだろ!(笑)
溜口:露出がちょっとね。嫌な人もいるかもしれないから。
作家・奥田:タンクトップのメーカーがスポンサーに付けば。
溜口:いいですね! グンゼボディワイルド、バッドボーイ、どこでも構いませんので我々のスポンサーになっていただけたらタンクトップでやりますよ。
──深夜3時にタンクトップで暴れまわっていた「ANN0」時代から、年齢を重ねて「タンクトップ1枚ではもう寒いのかな?」と思ったのですが、体力面での変化は感じますか?
溜口:確かに体力は落ちていますね。毎朝登園、子供の送り迎えもありますし。でも幻滅はさせないぞという意気込みはあります。
──“カリデカ”こと塚本さんは変化は感じますか?
塚本:年相応のカリデカになってきている自負はありますね。確かに(初回台本にあったように)昭和、平成、令和と、3つの年号を股にかけたカリデカではあるので、それはポッドキャストに落とし込めていければと思います。
ノーギャラでもやるのは「楽しいから」
──YouTubeで「階段腰掛け男」を続けてきたことでこうしてポッドキャストになりました。
塚本:「ANN0」を聴いてくれていた人もそうですし、「階段腰掛け男」から聴き始めたという人にも引き続き入ってきてほしいと思っています。
溜口:「階段腰掛け男」で生き延びたところはあるからね。
塚本:やっててよかった。続けてきた結果、こんなうれしい場までたどり着いたから。
溜口:全部自分たちでやっていて、「音が出ない!」とかも余裕であった。
塚本:20分くらい配信されず、ただ2人でしゃべってただけの時間とかもありました(笑)。
溜口:さすがに今日はプロがいるので大丈夫かなと思っていたんですけど、芳樹さん(ディレクターの宗岡氏)もそこまでここの機材をわかってないみたいで(笑)。収録終わったら、職場の人に「どこ押したらメモリーカード取り出せるの?」とか聞いてたので不安になりましたよ。
宗岡:(PCの画面を見せながら)めちゃめちゃ声デカい波形で録れちゃった(笑)。
塚本:振り切れまくってんじゃねえか!(笑)
溜口:手作り感は変わらずやっていきたいと思います。
──10年以上前の「ANN0」当時のスタッフとこうしてまたポッドキャストをやれることを率直にどう感じますか?
溜口:このお二人は最初に拾ってくれた人たちなんですよ。2人が推薦してくれたおかげで道が開けた。10年後「キングオブコント」で優勝して、なのにどこからも(ラジオのオファーの)声がかからず、そんなときにまた改めて拾ってくれた。一番評価されていたのが「ラブレターズのオールナイトニッポン0」だったりもするので、この4人が集まったらもう一発デカい城を築けるんじゃないかと思いますね。心強いです。
塚本:(ポッドキャストの)声をかけてもらったときはめちゃくちゃうれしかったです。「ノーギャラだけど」って言われてびっくりしましたけど(笑)。4人ともノーギャラで、じゃあなんでやるんだっていうのはただ楽しいから。その気持ちで誘ってもらえたのが一番うれしかったので、ここからイベントの開催とか、どんどん大きくしていきたいです。
溜口:4人で、時代にあわせていけたらいいなと思います。一番楽しかった時代を追っかけちゃってるんで(笑)。
塚本:それぞれこの10年の仕事で得たモラルをちゃんと結集させたいです。
宗岡:飲み会では思い出話ばっかりだから(笑)。
溜口:「あのときは楽しかった」って話ばっかり。
塚本:思い出ラジオにならないようにしないと(笑)。
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