明日6月27日(金)より9月15日(月・祝)まで東京・麻布台ヒルズ ギャラリーにて、アニメーション映画監督・
「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」「かぐや姫の物語」など数々の作品を送り出し、2018年にこの世を去った高畑の生誕90年と、その人生に大きな影響を与えた太平洋戦争の終戦80年を受けて開催される「高畑勲展」。作品のセル画や背景画など貴重な資料の数々が展示される。ゲストの太田は本日のセレモニーに「プシュー! 助けてー!」といつものように登壇したが、会場の空気を察したかのように「場違いでしたか」と冷静にコメント。高畑と対談したことがある太田は「僕がこんな感じなので監督は引いてましたね(笑)」と笑わせつつ「『かぐや姫の物語』の制作現場の取材に行ったときのことを「作業が緻密で妥協を許さない。高畑監督のこだわりの強さを感じた。我々は漫才をやっても『これでいいや』があるけど一切それがない。会話は穏やかだけど内面では仕事に妥協を許さない厳しさ。すごい人だなとひしひし感じた」と振り返った。
太田の好きな高畑作品は「ホーホケキョ となりの山田くん」。「僕は原作のいしいひさいちさんの大ファンで、映画化にはビックリ。劇場に観に行って素晴らしかった。映像の色がきれい。全部を描き込まない。すごく自然で抜けのいい絵は居心地がいい。それでいてヒューマンドラマ。こんなことができるのかと感動しました」と熱弁する。さらに「『山田くん』はもともとギャグマンガ。必死で生きてる人がずっこけちゃう。人間の完璧ではない部分を肯定するメッセージが全編に散りばめられている。それは僕らにとっても肝。人格形成というと大きな言葉になるが、根っこにはある」という話も。「のちに高畑さんに会ったとき、『山田くん』でやりたかったことを『かぐや姫』でやろうとしていると言われた」と2作品の関連性についても話した。
「火垂るの墓」については「劇場公開された1988年は爆笑問題デビューの年。野坂昭如さんの原作は読んでいた。泣かずにはいられない作品。過酷な戦争中の兄妹の物語。高畑さんは『反戦映画ではない』と言っていたというが、『戦争反対』という言葉がいかに雑な言葉か、人間はそう単純じゃない、という気持ちなんじゃないかなと。想像するしかないんですけど」といった持論を昨今の国際情勢と絡めて真摯に語る。「太田光にとって高畑勲とは?」との質問には「大人になってから、気が付いたときは僕の中に入っていた人。原点と言うには陳腐だが、名前を知る前から中にいた人というイメージです」と答えた。
なお太田は岩井俊二とは初対面だというものの、1998年の岩井作品「四月物語」のパンフレットに太田が寄稿した縁がある。岩井は「記憶に刻まれています」と印象深い様子だが、太田は「なぜいつまで経っても(岩井作品に)キャスティングされないのか(笑)」と嘆いた。ちなみに「高畑勲展」の音声ガイドは「かぐや姫の物語」にも出演した
お笑いナタリー @owarai_natalie
爆笑問題太田「高畑勲展」セレモニーで高畑勲を語る 気が付いたときは僕の中に入っていた人(イベントレポート)
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