ダジャレや謎かけを取り入れた漫談で浅草を中心に愛されてきた中津川弦。彼が独演会を開くのは20年間で初めてのことで、この日を待ちわびた“弦さん”フリークで会場は満席となった。
いつもの調子でひょこっとステージに現れた中津川が「シャープでホットなハイ・ヤング、中津川弦です」と挨拶すると客席からは万雷の拍手が。挨拶代わりの“歌舞伎町小噺”を披露し、さっそく「弦さ~ん」というおなじみのフレーズで会場を沸かせる。その後は歌舞伎町タワー、映画「THE FIRST SLAM DUNK」、ドラマ「らんまん」、中村倫也・水卜麻美夫妻、WBCなど最新の時事ネタが盛りだくさんの内容を届けるが、言葉遣いは全体的にノスタルジックで、ティッシュペーパーを「ちり紙(ちりし)」と言うだけで観客は爆笑していた。
中津川は「芸歴20年ということで伏線回収ネタをやってみました」と新たなチャレンジにも意欲的だ。“スベり死に”をした中津川が何度も生まれ変わり、ネタを改良していく「ブラッシュアップ弦さん」では、彼の漫談が最終的にリズムネタに発展。韻をふんだんに盛り込んだラップで若者にもアピールした。
その後、衣装チェンジを挟んだ中津川は「面白いですよー!」と叫びながら小走りで舞台へ。「すでに私の持ち時間最長を更新しております。まだ3分の2も残ってるのですが……」と苦笑いしつつ、バラエティ番組のオーディションを題材にした1人コント「受かれ!弦さん!!」に突入。軽快な話芸はさらに冴えわたり、オチのあとには「イエーイ!!」「どんなもんだい!」と胸を張る。また、その場でもらったワードをもとにストーリーを作り上げる「即興弦さん劇場」では、本ネタと遜色ない出来の小噺を披露して観客を驚かせた。
最後に展開されたのは、中津川が明治時代の埼玉・川越にタイムスリップしてしまう超大作「小江戸川越物語」。この日3度目となるラップでは、観客が手拍子を送り、中津川もノリノリでポーズを決め、まるでミュージカルのよう。少しジーンとする展開も挟みつつ、大団円で物語を終えた。
エンディングでこの日最大の拍手に包まれた中津川は「これからもがんばってまいります。明日からまたがんばっていこうとは思います」と決意新たにしつつ、「けれども……明日はちょうどお休みでございます」とお茶目な笑顔を見せる。最後は「笑いは心の活力と申します。笑いは心のしじみ習慣と申します。また笑顔でお目にかかりたいと思います。本日はどうもありがとうございました!」と初の独演会を締めくくった。
なお「芸能生活20周年記念~中津川弦独演会~」の映像が6月18日(日)から6月25日(日)まで有料配信されることが決定。視聴チケットはZAIKOで本日5月25日の正午に発売される。
にぼしいわし @NIBOSHIIWASHI21
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