この番組は尾形が難解な数学の世界や定理が証明されるまでの背景をお笑い抜きで解説していく知的エンタテインメント。初回は「素数」で、今後は「無限」「四色問題」「P対NP問題」「ポアンカレ予想」がラインナップされている。「四色問題」については30分間で尾形がほぼ証明していると井手真也プロデューサーが紹介した。
井手プロデューサーは、尾形の起用理由を「数学は難しいけれど、せめて一生懸命に伝える情熱を持っている人にMCになっていただきたいと考えたときに、瞬間的に尾形さんしか頭に浮かばなかった。尾形さんのための番組みたいなもの」と説明。これに尾形は「本当ですか!? 3番手、4番手じゃないんですか?」と驚き、「100%ドッキリだと思いました。NHKさんで、数学。どっちも俺から遠いところにある。でも何回か収録してもネタバラシが来ないから本当なんだなと思って、またちょっとピリッとしましたね」と率直な思いを吐露した。
小学校までは「タカシくんがりんごを2つ~」のような算数の文章問題が好きで、数学にも「好き」というイメージは持っていたものの、授業中はほとんど寝て過ごしていたそう。NHKの数学番組を担当することに不安はなかったのか尋ねると、「不安しかなかったけど、仕事断ったら『あいつ断るんだ』と伝わって『仕事を断る人なんだ』ってなるのがマジで嫌だった」と意地を明かす。最近はドッキリ企画での熱心な姿や、冠ロケ番組「パンサー尾形の竹馬散歩」(TOKYO MX)など、尾形の真面目で一途な部分が成果に現れつつある。「腕がないので一生懸命やるしかない。大学のとき、酒・女・ギャンブルでサッカーを挫折していて、そのとき生きるのが超つまんなくて、ああいうふうになりたくない、あの時代にもう戻りたくない。だから一生懸命やっている。数学から竹馬って、仕事が極端ですね(笑)。どちらもなんとか食らいついていかないと」と語った。
家族も祝福してくれているといい、「奥さんはめっちゃ喜んでました。親戚とかに言われるじゃないですか。いつも騙されたり、パンイチだったり、いいとこ見せてないわけですよ、俺! でもこの番組はいいところしかないんです。ちゃんと服も着てるし。父ちゃん母ちゃんもNHKのファンなので、めちゃくちゃ喜んでました」と笑顔。収録前には1時間以上、ディレクターと共にテーマについて勉強しており、「ディレクターさんもそんなに頭いい感じの人じゃないんですけど、ちゃんと勉強して、ちゃんと教えてくれる。教え方もうまいんです! そういう熱をもらうと、こっちも熱で返さないとってなる」と刺激を受けている様子。数学に対して純粋に興味も湧いてきて、「数学って『答えはこれしかない』というものだと思っていたけど、実は違って、証明されていないことがまだあるし、公式ができるまでの数学者の苦労もすごい。数学者って人生を懸けてやっているんですよ。変態なんです! 数学のことを考えすぎて、誰とも接しないで暮らしたいとか、そこまで追い込んで式を出す。そういう人間の生き様の面でも楽しめると思います」と見どころをアピールした。
番組の中でギャグやお笑いは封印。「なんにもやらせてくれなくて、最初はストレスだった。『俺のよさまったく出てねーじゃん!』って思っていたけど、スタッフさんがいろいろ考えて、見てみるとよさは出ているんですよね。自分の知らないよさがあるんだなと」と発見も。取材会はここぞとばかりに「見てくださいね、サンキュー!」で締めくくった。番組オフィシャルサイトでは今後、尾形の収録前勉強会の様子も公開される予定。放送と併せてチェックしてみては。
笑わない数学
NHK総合 2022年7月13日スタート 毎週水曜23:00~23:30
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パンサー尾形 @ogaogaoga399
是非見てください!!
数学好きになります!! https://t.co/wjWpNZ9f22