緊急事態宣言の発出を受けて中止となってしまった「高級ジャンピングボレーライブ」。配信ライブとして実施する手もあったが、「配信すると使えない音楽や使えないセリフがで出てきてしまうため、それを制御なしでいつも通りネタをやりたい」という本人たちの希望により配信することなく決行することに。視聴チケット代でその費用がまかなえないためクラウドファンディングで支援を募ると、この前代未聞の試みに昨日の時点で目標の45万円を優に超える250万円ほどが集まっていた。
無観客とはいえ手は抜かず、天竺鼠はスタッフと入念にリハーサル。そしていよいよ会場が暗転し、「オープニングVTRまであと10」という壮大なカウントダウンが始まった。あと3秒というところで何度も8やら7やらに戻り、なかなかカウントは0にならない。10まで戻ってしまったところで突然0になり、ようやくオープニングVTRが流れて舞台の幕が開いた。
この日、天竺鼠が用意していたのは漫才を含む11本の新ネタ。さまざまなシチュエーションで繰り広げられるコントはどれもエキセントリックで、笑い声のない中、2人が淡々とネタをこなしていくさまも異様だった。ラストのコントのカーテンコールには、それまで一切登場することのなかったシークレットゲストの
最後は「誰も見ていないけど」という前置きのうえでコーナーが実施され、川原がミルクボーイと相方の瀬下を呼び込む。ミルクボーイ内海は「何これ? なんなん? もっかい説明して!」とこのライブの趣旨が理解できず。川原がこの様子を世に届けるつもりはないと改めて強調すると、「出せよ! 見せたらええやん、おもろいやつ!」と説得した。
舞台裏では天竺鼠の2人が「次なんやったっけ?」と慌てて衣装を着替えていたことを明かし、「(次のネタ)なんでもいい。誰も見てないんやから(笑)」。さらに「どういう気持なん? 達成感とかあります?」と尋ねると、川原は「入り口のない建物を造ってるみたい(笑)」をその心境を表現し、駒場は「酒、うまいんかなあ?」とライブ後の爽快感を味わえるのか不思議がった。
コーナー1つ目は「種類違うけど対決」。駒場が「木へんが付く漢字」、瀬下が「ほうきを手のひらで立てて落とさないようバランスを保つ」、内海が「感動する話」というバラバラの種目に臨み、誰がもっともよかったか川原が決める。この不条理な対決は瀬下が制し、母親との感動的なエピソードを話した内海は腑に落ちない様子だった。続いては「クイズ」と称し、お題の書かれた用紙を隠す間、全員に目隠しと大音量のヘッドホンを装着。グズグズしているメンバーに川原が「負けた人はアキレス腱切りますよ」と言い放つと、3人は「(観客が)見てないのに?」「見てたらいいの?」「(見ていないよりは)まだ……なあ?」と無観客無配信という状況で迷走し始める。
スタンバイが整ったところで、川原はこれがクイズではなく「放置ゲーム」だと明かし、誰がどれだけの時間、疑問を抱かずに待っていられるかを試した。最初に内海が「何? 怖い怖い」「え、濡れた!?」と大騒ぎし、たまらず目隠しを外す。2番目は瀬下で、駒場は「ん?」と疑問の声を漏らすだけでこの単独ライブの幕が下りるまでじっとする辛抱強さを見せていた。
クラウドファンディングは2月7日(日)まで、SILKHATにて展開中。ライブグッズやセシタマンにあなたのお悩みを退治してもらう権利、生ラッキーゴリラをしてもらえる権利のほか、スタッフが携帯で撮影した公演動画、楽屋風景や公演中の写真データ10枚などもリターン品にラインナップされているので、ライブの様子が気になる人はサポートしてみては。
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零 @zeromission
【ライブレポート】天竺鼠の無観客無配信ライブ成功、隠しゲストのミルクボーイ「見せたらええやん、おもろいやつ!」 https://t.co/iCTINQBCY9