結成翌年の2018年4月にテレビ初出演と東京・ヨシモト∞ホールでの初単独を果たすと、同年11月によしもと所属芸人では史上最速となる結成11カ月でルミネtheよしもとでの単独ライブを成功させ、今年2019年には全国8カ所を巡る自身初の単独ライブツアーを完走、そのファイナルの様子を収めたDVDを1000円という破格でリリースするなど、お笑い界の常識に風穴を開けようと挑戦し続けてきたEXIT。今回の単独ライブもすべてのジッター(=EXITファンの呼称)がチケットを手に入れられるよう5000人規模の会場を用意したことから始まり、炎やキャノン砲の特効、光るセンターマイク、宙吊りといった通常のお笑いライブの範疇を超えた演出で誰もまだ見たことがない空間を作り上げた。
ステージには2階建てのセットが組まれ、天井では3つの大きなミラーボールが光を反射する。大音量で音楽が流れる開演前の場内はクラブの様相で、電氣ブラン・ヴァニによるご機嫌な場内アナウンスが流れたあと、サプライズゲストとしてDJ KOOが登場。EXITの「ポンポーン」や「イグジィー!」といった声をサンプリングしてアクセントを効かせつつ、サービス精神旺盛な選曲で観客の高揚感を煽る。
会場のボルテージが高まっていく中、VTRの中のEXITがさらに盛り上がるよう呼びかける。りんたろー。の「せーの!」の掛け声に合わせて会場全員が「イグジー!」と叫ぶと、EXITがステージの下から勢いよくポップアップで飛び出し、炎が上がった。2人は仁王立ちしたまま動きを止め、会場には何事かという雰囲気が漂い始める。なにやらこれはライブのオープニングで1分39秒の間、微動だにせず歓声を浴び続けたマイケル・ジャクソンのパフォーマンスのオマージュ。EXITはこの伝説に挑もうと、「もっともっと!」「あれ? 拍手が小さくなっていませんか?」といった文句をモニターに映し出してジッターの協力を促す。そして見事マイケルの記録に到達すると持ち歌のスペシャルメドレーを投下。のっけから、ステージ上に客席にと無邪気に暴れまわった。
りんたろー。は「最高だぜ、横浜ー!」と歓声を体中で浴び、客席に降りた兼近は時間いっぱいまで観客にタッチしてサービス。ジッターの盛り上がりは最高潮に達し、その熱気のまま1本目の漫才へ。冒頭の挨拶で兼近が「本当にありがとうございまーす!」と述べると、それがきっかけゼリフだったようでライブを締めくくるかのような大きな発射音と共に金テープが舞う。「これ最後に出るやつだろ!」とりんたろー。にツッコまれた兼近だが、「終わった……。もうこれを超えることはありません(笑)」と持ち前の気楽さで受け流す。さらにライブのタイトルが「見てクレーン射撃」ではなく正しくは「見てクレー射撃」だったにも関わらず、スタッフ含め誰も今日まで間違いに気づかなかったと告白し、りんたろー。も「チームEXIT、全員アホ(笑)」と笑い飛ばした。
ネタの間には、衣装チェンジ中の様子や、自分たちとの疑似デートを味わえる映像を上映して飽きさせない。「登場したときうれしくて泣きそうになった」「マジ感謝しかねえ」などとファンへの気持ちを吐露した音声を“うっかり”聞かせてしまった場面では、セグウェイで姿を見せたあと「クソみてえな客ばっか!」「感謝とかしてねえし」と強がってみせ笑いを誘う。兼近が宙吊り状態で天井から登場した漫才には、あるキーワードを言うと炎が燃え上がったり、兼近が宙を舞ったりと、エンタテインメント性に富んだ仕掛けが。惜しげなく使われる特効に、りんたろー。は「いくらかかってんだよ!」と予算オーバーを危惧する。
ラストコントの「ヒーローショー」には
抽選で当たった幸運な3名の来場者のリクエストに応えるコーナーを経て、ユニット・きつね×EXITが「L.O.K.F」を歌唱。その熱狂の余韻を残しながらエンディングを迎えると、兼近は「楽しかった! でも浮くやつ(宙吊り)はそっち(客席)側に行きたかった。1万人の会場ならできるかな? 次は1万人キャパ、よろたのでーす」と次の目標を口に。そしてりんたろー。は「今回、開催までいろいろ協議して、難しかったけど実現できた。感謝しています。これからももっといろんなチャレンジをするので、ついてきてください!」とジッターと約束を交わした。
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🐊こゆい。🦄 @koyui
このライブからちょうど1年‼️
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【ライブレポート】特効、宙吊り、光るサンパチ!EXITがパシフィコ横浜で5000人沸かす(写真33枚) https://t.co/IzFh9tD9rC