「モノクロ」は年に一度の単独ライブ「シソンヌライブ」と趣向を変え、シソンヌのコントを約1時間にパッケージして47都道府県すべて回ろうという目標のもと2016年に始動。凝った照明やセットのないシンプルなステージで、白シャツとスラックスという簡単な衣装を着用した身体ひとつのシソンヌが質の高い会話劇を繰り広げる。2018年のツアーで初めて47都道府県を制覇。そして今年、2回目の全国1周を達成し、12月26日(木)には東京凱旋公演を控えている。
終演後、2人に話を聞くと「意外といけたなっていう感じ」とそこまで大きな高揚感はない、というのが正直な心境のようで、特にネタ作りを担当するじろうは「来年もあるので、すぐ次のネタを書かなきゃいけない。開放感よりもそっちのプレッシャーですね(笑)」と意識はすでに次回公演にスイッチし始めている。長谷川も「最初は全部回るなんて無理じゃないかと思っていましたけど、慣れって怖いですね(笑)。これが終わっても、新ネタを覚えて稽古して、っていう期間がまた来るので気が抜けない」と苦笑い。こんなふうに淡々としているのは、単独ライブ「シソンヌライブ」とこの「モノクロ」の2つのライブを軸とした舞台中心の活動をしているシソンヌならでは。そんな2人は自身を「旅芸人です」と形容して笑う。
動員数は年々着実に増加。またドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)への出演後、客層も親子連れが目立つようになるなど幅広くなった。この日も小学生くらいの男の子が父親と「最高だった!」と話しながら会場から出ていく姿が印象的で、「彼が中学生、高校生になったときに『俺はあの頃からシソンヌを見てたんだぜ』って言ってもらえるような存在になっていたいですね」と長谷川。「モノクロ」をきっかけに、東京で行う「シソンヌライブ」にも足を伸ばしてもらうのが理想だ。
今回の「モノクロ」では場面転換の多い約30分のコントも披露。じろうはメイクもカツラもなくさまざまな季節を過ごす女性を演じ、「『シソンヌライブ』でもこんな尺のネタはやったことないし、(衣装やセットなど)何もなしでたくさん転換できるんだっていうのが一番の収穫。何もないからこそ落語的な見方をしてもらえるのが『モノクロ』。何もないっていうのは逆に無限、なんでもあり。普段書かないようなネタを書く訓練になっています」と手応えを明かす。また長谷川はステージを重ねながらネタを変貌させていく「モノクロ」で培った柔軟性が「シソンヌライブ」にも生きているといい、今後もこのスタイルを継続したいと意欲を語った。
「モノクロ」東京凱旋公演はライブビューイングとして各地の映画館で上演される。さらに1月3日(金)にはディレイ上映も。一度観た人も、シソンヌが全国を回って熟成させてきたネタの仕上がり具合を確認しに劇場へ足を運んでみよう。
「シソンヌライブ[モノクロ]2019」東京凱旋公演 ライブビューイング
日時:
2019年12月26日(木)19:00~(生中継)
2020年1月3日(金)15:00~(2019年12月26日公演の収録上映)
料金:2500円
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“旅芸人”シソンヌ「モノクロ2019」全国行脚達成、熟成させたネタで東京凱旋公演へ(コメントあり) https://t.co/3q5pgbiCm4