俳優・渡辺謙が初めて挑戦する本格コメディ特番。架空の広告代理店・電報堂を舞台に、渡辺が声の大きさとノリのよさで仕事を取ってくる豪快な営業部長・五十風を演じる。
劇中では顔中に洗濯バサミを付けたり、頭上から大量の水を浴びたり、おかしなダンスを踊ったりと、バラエティの定番的な演出にも果敢に挑んだ渡辺。「NHKではたくさんの素晴らしい作品をやらせていただき、自信を持って(NHKの)玄関をくぐってきましたが、今日ほど自信なく、居心地の悪い作品でみなさんの前に立つのは心苦しい感じです」と苦笑いを浮かべながらも、「これまでも挑戦してきたつもりではあるんですが、これほどNHKのコンプライアンスと戦った作品は初めてじゃないかな」と手応えを明かす。「僕たちが面白がっていることがどこまで世の中に伝わるのか、リトマス試験紙にもなるような作品。……とグダグダ言っていますが大きなテーマもなく(笑)、大人のエンタテインメントとして楽しんでいただければありがたい」と語った。
タモリが司会を務めたバラエティ「今夜は最高!」(日本テレビ系)を例に挙げつつ、「上質な、大人が楽しめるエンタテインメント番組は今なかなか数が少ない。笑えて心が豊かになれるような番組ができないか、という思いがあった」と企画の意図を明かす。“笑いに挑戦”という部分に関しては「まだまだ」と謙虚に語り、反省点を聞かれると「ちょっと出すぎたな!」と笑った。一方で、「どうしても僕たちは“実”を演じることが多いので、“虚”の部分を膨らませたり掘り下げたり、はたまた全部すっ飛ばしたりとか、もっともっとやってもいいのかな」と発見もあった様子。
世間からのクレームや部下からのハラスメント告発など、コンプライアンスが叫ばれるこの頃の風潮も取り入れたシニカルな笑いもたっぷり。渡辺は「発言や行動が制限されて、ちょっと息苦しい世の中になっているのは、まさしく僕はコメディだと思っていて。だからこそこういう作品は面白がってもらえる、頭をコンとうしろから叩かれるような感覚があるのかなと。それは僕らがやらなくてはいけないことだとは思わないけど、『どうなのそれ?』という気持ちを表現者として持っているんですよ、っていうのは作品の中に入れたつもりです」と説明し、最後に「高尚な言い方してますけど、めちゃくちゃですからね(笑)。現実と虚像がないまぜ、不思議な世界を狙っていった感じ。全部観ていただくと相当ヤバいかもしれません。うん、ヤバいですよ(笑)」と付け加えて期待させた。
五十風を取り巻く人物たちのほか、
なお9月28日(土)にはNHK総合で再編集版が放送される。
君は天才!~渡辺謙がコメディーに挑戦!!
BSプレミアム 2019年8月10日(土)22:00~23:30
NHK総合 2019年9月28日(土)23:00~23:49
<出演者>
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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u
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