カナリア最後の単独ライブ、ボン「ほぼ全部間違えました」涙と笑顔で解散

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昨日3月10日、カナリアが単独ライブ「ボン&安達」を東京・ルミネtheよしもとにて開催。これをもってコンビを解散した。

カナリア

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「カナリア解散ライブin東京『ボン&安達』」の様子。

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カナリアは2003年に結成。目標だった「M-1グランプリ」での優勝は2010年に決勝進出したきり年々遠のいていき、ラストイヤーである2018年大会を待たずしてボン溝黒が“卒業”を申し出、2人でカナリアの幕引きを決断した。コンビとして最後の単独ライブは大阪と東京の2カ所で実施。昨日の東京公演は立ち見スペースまで多くのファンが埋め尽くし、2人がラストに選んだ漫才「ドレミの歌ゲーム」を含めて計10本のネタやスタッフ宅に眠っていた懐かしのVTR集を堪能した。

コント「Music Box」(2009年作)を披露するカナリア。

コント「Music Box」(2009年作)を披露するカナリア。[拡大]

ライブがスタートし、大きな拍手に迎えられたカナリア。いきなりネタに入ろうとする安達と、安達にツッコミを入れつつ「急すぎちゃう? ごきげん伺うとかあるでしょ?」と言葉を選ばないボンにさっそく会場は笑いに包まれる。1本目のネタは2006年の漫才「土下座のマリオネット」。安達が歌うペスカトーレ坂下の「土下座のマリオネット」というおかしな歌にちっともピンと来ないボンが、戸惑いながらも「ああー、これな!」と知ったかぶりするネタだ。続けて展開されたコント「Music Box」ではラジオDJ・マイキー役のボンがセリフを噛みまくり、安達は次のネタのスタンバイ中に「ボンさん、最後ですよ?」とチクリ。ボンは「次(のネタ)のことでいっぱいなんで……」とはぐらかしたり、「マイキーさんってああいう人。噛む人なんですよ」と言い張ったりして笑いを誘う。

ショートネタ「アソパソマソ」(2004年作)を披露するカナリア。

ショートネタ「アソパソマソ」(2004年作)を披露するカナリア。[拡大]

カナリアを結成して最初に作ったというショートネタ「アソパソマソ」が披露されると、客席から「おおー」と歓声が上がる。この「アソパソマソ」や「カナリア日本語教室」「カナリア国語辞典」といった10年近く前のネタには本人たちも懐かしがって無邪気な笑顔を見せた。2006年に作った漫才「新郎ボン溝黒」は、いずれ開くだろう結婚式のためにボンが新郎の練習をするネタ。ボンは「ボン溝黒」ではなく本名の「溝黒和昭」と呼んでほしいのだが、牧師役の安達は何度やっても「ボン溝黒」と言ってしまう。業を煮やしたボンはイライラした様子で安達のスーツの襟を立たせると、「牧師っぽい!」と大はしゃぎ。さらに「これでいける。牧師さんが“ボン”っと入った」と考えなしに余計な一言を足してしまい、これを聞き逃さなかった安達が得意げに「ボン溝黒」と呼んでみせ観客から喝采を浴びた。

「カナリア解散ライブin東京『ボン&安達』」の様子。

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ラストのネタ「ドレミの歌ゲーム」では、2人がありもしない「ドレミの歌」でゲームを展開する。「レ」だったか「ミ」だったか、歌が長いせいでどの音を相手に指定されたのかわからなくなりながら必死で食らいつくボン。解散ライブということを忘れさせるほど楽しそうな彼らの様子に客席は自然と笑顔になる。オチに差し掛かると、終わってしまう寂しさに声を漏らす観客も。2人は14年半のねぎらいが込められた温かい拍手で見送られ、ステージを後にした。

ボン(左)の挨拶を聞きながら「ん?」という表情を浮かべる安達(右)。

ボン(左)の挨拶を聞きながら「ん?」という表情を浮かべる安達(右)。[拡大]

すべてのプログラムを終え舞台に再登場したボンは、涙ながらに「楽しすぎました。めちゃくちゃ楽しかったです。僕がどんだけ間違っても笑ってくれてうれしかった」と挨拶。解散を決めた経緯を真摯に説明するが、「僕、間違っちゃうんです。無理なんです。今日も10個もネタ覚えられない。ほぼ全部間違えました」などの発言に、涙を拭っていた観客ですら笑いをこらえきれない。隣に立つ安達も首をかしげたり、「何を言っているんだ?」という表情を見せたり、ボンに驚かされっぱなしだった。コンビは残しつつ、それぞれピンで活動するという選択肢も蹴ったボンが「お互い50歳くらいになったらもう1回、なんか……」とモゴモゴと語りだした際には安達が「せんかったらええやん、解散!(笑)」と渾身のツッコミ。「だからデータ消さんと、台本残しといてください」(ボン)、「残しとったって覚えへんやないか!」(安達)という2人らしいやり取りをファンは目に焼き付けていた。

「カナリア解散ライブin東京『ボン&安達』」の様子。

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終演後には2人でコメント取材に応じ、ボンは涙の理由を「終わった瞬間に実感が湧いてきた」と述べ、安達は「ボンがずっと何言ってるかわからなかったので涙もクソもなく(笑)。これがボンの真骨頂。これぞボンちゃんです」と笑った。ボンは「ボンざわーるど」に改名し、音楽ユニットを結成するなど新たな試みにも挑戦していく。「子供からお年寄りまで、みんなに受け入れられる人になりたい。平和の象徴になりたい」と展望を明かすと、安達は「カナリアからハトになってややこしいなあ」とつぶやいた。安達はこれまで通り「安達健太郎」の名前で活動。「芸人としても役者としても、作家としても、50歳までに第一線でできてたらいいですね」と語っている。

なお2人には日本テレビ「最後の一日 最後の言葉~本当にそれでイイんですか?~」が密着している。番組は4月27日(金)に放送される予定。

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カケル

日時:2018年3月24日(土)18:30開場 19:00開演
会場:京都・よしもと祇園花月
料金:前売2800円 当日3300円
<出演者>
安達健太郎 / テンダラー浜本 / お~い!久馬 / シャンプーハットこいで / 野性爆弾くっきー / ライセンス藤原 / 犬の心・押見 / アインシュタイン稲田
MC:テンダラー白川

ボンざわーるどLIVE「ヨーロッパをけんけんぱ」

日時:2018年4月8日(日)16:15開場 16:30開演
会場:東京・新宿レフカダ
料金:前売1500円 当日1800円

カケル

日時:2018年4月15日(日)19:00開場 19:30開演
会場:東京・ルミネtheよしもと
料金:前売2300円 当日2800円
安達健太郎 / 木村祐一 / バッファロー吾郎・竹若 / 野性爆弾くっきー / 品川庄司・品川 / 笑い飯・西田 / インパルス板倉 / かもめんたる・う大 / マヂカルラブリー野田
MC:キクチウソツカナイ。

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読者の反応

クラーク・ケント @okaokavt

やはり、大阪とはネタを変えてきた。最後はM1決勝でやった「ドレミの歌」。こっちも見たかった。
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