サカイスト「漫才してるときが一番楽しい」福岡移籍を決めた胸中

サカイストが昨日8月20日、東京・神保町花月にてトークライブ「デンマークSP～兄弟から皆さんに重大発表があります～」を開催。既報の通り、活躍の場を求めて今年11月より福岡に拠点を移すことを発表した。

「重大発表がある」と告知されていたことから、サカイストの言葉を直接受け取ろうと集まったファンで会場は満席に。出囃子の「おしゃれ番長 feat.ソイソース」が流れる中ステージに現れたサカイストは満員の客席に驚いた様子で、デンペーは「満員で、2台のカメラが入って、ピンマイク付けてくださいって言われて、緊張してます（笑）」とはにかみ、まさよしは「これだけお客さん入ってくれたら漫才でもやる？」と述べて観客を喜ばせた。そしていざ“重大発表”へと移る前にまさよしが緊張の面持ちで「うちのお兄ちゃん、実はお姉ちゃんでした……！」と宣言すると会場は爆笑に包まれる。

発表についてまとめたVTRがスタートし、福岡への“完全移籍”の文字が映し出されると観客からは「え!?」と悲鳴が。理解できないといった表情のファンに「だよね！」とまさよし。「生まれたとき女の子っぽかったんですけど、男のほうがいいんじゃないかと……」と再び「デンペーはお姉ちゃんだった」という発表の補足を始める。またVTR直後にやって来た1人の観客に向けてもう一度「実は、お兄ちゃんじゃなくてお姉ちゃんだったんです」と説明して和ませた。

2人は博多大吉の「九州を盛り上げてみないか」という誘いがきっかけだったと述べ、それぞれ決断に至るまでの胸中を告白する。芸歴20年目を迎えた今、東京で積み上げてきたものを捨てることになるのではと迷いがあったというデンペーは、「漫才してるときがやっぱり一番楽しくて。自分の生きがい。やれる場所があるなら、今までやってきた漫才がどれくらい通用するのか挑戦したい」と決意。住みます芸人としてではなく、また出身地でもない場所で活動していくことはよしもとでもまれなことだが、「これからどうしようか迷っている同世代のパイオニアになれたら。ナルシストだから、先駆者にならないとカッコ悪い」とデンペーらしく語り、「結果を出している博多華丸・大吉さんが鳴かず飛ばずの僕らに『チャンスなんじゃないか』と言ってくれて、『これに乗らなきゃどうする』って気持ちになった」と本音も吐露する。

まさよしも「（大吉に）『サカイストだったら大丈夫』と言っていただけたのがうれしかった」と心を決めた瞬間を振り返り、少し声を震わせる。やはり「どんな場所でも漫才したい」という気持ちはデンペーと同じで、「皆さんの中では解散っていう説もあったと思うけど、昔から言っています、サカイストは解散しません」と断言した。「不安もあるしドキドキ。もし（福岡で）ダメだったらお兄ちゃんを派手にして『おしゃれが止まらんばい！』って言わせます（笑）」と冗談を交えてトークを盛り上げ、さらに「離れるのは距離だけですから」と決めセリフっぽくコメント。デンペーに「いつから考えてたの？」と聞かれると「一週間前」と返し、2人で「（大木）こだま・ひびきさんの漫才みたい！」と喜んだ。

後半には京都・よしもと祇園花月から駆けつけたという博多華丸・大吉の2人がサプライズでステージに。華丸は「絶対東京残ったほうがいい！」と言い放ってサカイストを慌てさせたが、パラシュート部隊やゴリけんの福岡での成功を例に挙げて後押し。一方で11月25日（土）にサカイストが行う福岡・イムズホールでの単独ライブへのゲスト出演を打診されると、「給料日」を理由に断ってみせた。大吉は福岡行きを提案すると共に、デンペーに金髪をやめるようアドバイスも。「あんまりおしゃれするなよ。意味がわからん。ヒステリックグラマーはなしね！」と舞台上で改めて約束させる。終演後の囲み取材では「漫才の実力はもちろん、僕のオススメポイントは今の若手には珍しく弟子上がり。礼儀作法もちゃんとしてる」と太鼓判を押し、「僕らも（サカイストの師匠の）今いくよ・くるよ師匠に若い頃かわいがってもらって、サカイストには勝手に繋がりを感じている」と親しみをもって応援していることを明かした。

サカイストは、福岡に移るまで東京・ルミネtheよしもとや埼玉・大宮ラクーンよしもと劇場を中心にこれまで通り出演。11月1日（水）にルミネtheよしもとで単独ライブを開催し、東京での活動に区切りを付ける。新しいスタートを切るサカイストを応援しにファンは残りの公演に足を運ぼう。