「劇場では負けられへん」プラス・マイナスが初NGK単独ライブ、15年目で得た自信

7月、東京・ルミネtheよしもとと大阪・なんばグランド花月で「15年目の集大成『漫才の感謝祭』」と題した単独ライブを開催するプラス・マイナス。NGKでの単独ライブはキャリア初のことで、「現段階のマックスパワーの自分らを見せる」と意気込んでいる。

大阪出身の2人にとってNGKは子供の頃からなじみの場所。その一方で芸人として憧れる劇場でもあり、兼光は「普通の出番をもらえること自体がすごいのに、今回は自分たちの単独ライブ。芸人始めた頃はNGKで単独なんて夢にも思ってなかった」と語る。岩橋も「あの頃見ていた人に今、自分がなってんねや」と感慨深そう。最近では結成10年に満たない若手でもNGKで単独ライブを打つことがあるが、自分たちにはまだ早いのでは、と考えてきた。しかし日々さまざまな舞台に立ち続ける中で得た「僕らでもできるんちゃうかな」という自信が背中を押した。

プラス・マイナスは今年3月、ルミネの本公演出番を懸けたバトルライブで優勝。150ステージを勝ち取り、これまで以上に舞台数が増えた。岩橋は「日頃のルミネの舞台で手応えを感じます。なのでNGKでも恥じない単独ライブができるんだろうと思えている。だからこそ大勢の方に見ていただきたい。NGKはそうそうたる師匠方が立ってきた伝統ある舞台ですから。やらせてもらうとなったら満席にしてカッコつけたい」と今度の単独ライブに懸ける思いを明かす。

テレビ番組の企画で、運気を上げるべくコンビ名にナカグロを入れたことが功を奏したか、先述のバトルライブ優勝やネタ番組「じわじわチャップリン」（テレビ東京）で史上初の満点を叩き出すなど上り調子。もちろんそれだけではなく、全国各地にあるよしもとの常設劇場に出演し、地方での単独ライブにも挑戦するなど、“武者修行”で力を付けてきた。大きな賞レースで結果が振るわなくても腐らなかったのは劇場という居場所があったから。「人気者のあとに僕らがステージに出ていくとスーンってなるんですけど（笑）、その人らよりウケたい。劇場では負けられへん」と述べる岩橋が頼もしい。

早くから活躍した同期のジャルジャルや銀シャリに対する劣等感を覚える時期もあった。「自分たちは自分たちと思えるようになって、いい意味で“関係ない”」（岩橋）、「同期の活躍は刺激になる」（兼光）と心境の変化を語った2人は、「M-1グランプリ2015」の最終決戦でその同期2組がトレンディエンジェルに敗れたとき、2人して「よっしゃー！」と声を出して喜んでしまったことも笑って振り返る。

ゲストは東京公演にテンダラー、チーモンチョーチュウ、和牛、銀シャリ、大阪公演にテンダラー、スーパーマラドーナ、藤崎マーケット、ミキと豪華。コーナーはなく「最初から最後まで漫才で走り抜ける」つもりだ。プラマイ自身は新ネタを作るほか今までのネタも磨き直し、10本程度のネタを用意する予定で、兼光は「自信を持ってお送りするので、漫才を見たことがない人、NGKに行ったことない人も誘ってきてほしい」とアピールしている。