彼らにとって初となる単独ライブを見届けようと、劇場には多くのファンが足を運んだ。揃いの黒のスーツで舞台に登場したウエストランドは大きな拍手で迎えられたが、井口が「男の人が多すぎるよ! こんなことある?」と毒づきながら客席を見渡す。おしゃべりは早々に切り上げてさっそく1本目の漫才へ。河本に「お前の人間性って腐ってるじゃないですか」といきなり悪口を発射された井口は、「完璧な人間なんかいない」と偉人の功績をねじまがった理論で全否定してみせる。オープニングVTR明けには、「単独用に撮り下ろしてないのがバレバレ(笑)」「出てくる場所、全部阿佐ヶ谷!」と自分たちの作品すら小馬鹿にしつつ90分間、怒涛の漫才11本で観客を圧倒した。
2本目は河本の“ただのお笑い好き”を露呈させるようなネタで、コアなお笑いファンを沸かせる。続けて3本目ではSNSで発せられる取るに足らない悩みに対して井口が反発心をむき出しに。途中、2人は明るい色味の衣装に着替えてかわいらしさをアピールするも、直後に展開したのは下ネタを題材にした漫才。普段は決して下ネタを言わない井口が徐々に本性を現すさまに客席からはじわじわと笑いがこぼれ出す。終盤になると調子づいてきた河本からアドリブが。これに井口が「単独でカッコつけるなよ! アドリブ禁止!」と釘を刺し、「はあ……」とため息を漏らす場面もあった。ネタに入る前のこういった素のやり取りもウエストランドならでは。
井口は最後まで喉を潰すことなく、妬み嫉みを原動力とした攻撃的なしゃべりのまま駆け抜け、エンディングでは「単独ライブってこんなんであってますか?」と安堵の表情を浮かべる。一方で、井口に比べて圧倒的にセリフ量が少ないにも関わらず、河本が舞台袖で酸素を補給していたことが発覚。「(酸素缶を用意されたら)使ってみたいが!」と方言丸出しで本音を吐露する河本に、井口は「はしゃぐんじゃねーよ!」とここでも噛みつく。そして2人は改めて客席を眺めて「おっさん多いな!」「心なしか臭いもん!」と再び観客に悪態をついて笑いを誘った。
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