統合失調症に長年苦しんできたハウス加賀谷のこれまでの歩みを、相方・松本キックが加賀谷の語りをもとに執筆した本書。トークショーの前に行われた囲み取材で、松本ハウスは同書の5刷り、3万部突破を報告し、「日本の好景気はここから始まるんじゃないか」(加賀谷)、「加賀谷ミクスね」(松本)と売れ行き好調を喜んだ。
キックによれば、力を入れたポイントは「加賀谷と家族の関係」。「お互いに愛情があるのにうまく噛み合ってなかった。話を聞いて気づいたので、お母さんの愛情はとくに大事に何回も書き直した」と話す。トークショーは、荻上チキが書籍発売後の反響や環境の変化、コンビ活動休止中の心境などについて、松本ハウスの2人に尋る形で進行した。
テレビ出演などで弾みをつけ、これからという時期の活動休止を振り返り、「僕は病院の中で『キックさん大丈夫かなあ!?』と。心配しましたよ」と他人事のように話し笑いを誘う加賀谷。加賀谷を焦らせないよう見守ってきたキックは「なんとも思わなかった。1人でやれることやればいいやと、ソロライブをやったり」と当時の冷静な気持ちを述べた。
加賀谷は休んでいた10年間、すがるところが“お笑い芸人のハウス加賀谷であった”という過去だったと告白。2人は「元に戻る」のではなく、今の状態でできる笑いの形を模索していったそう。3ページ程度の台本覚えも、1カ月以上かかったのが2時間ほどでできるようになったと話す加賀谷は、「だんだんキックさんがネタ持ってくる時間が遅くなったんですよ!」と吐露。また加賀谷の語りで綴られている執筆形式に話が及んだ際には、キックが「加賀谷をイメージして、同化して書いていた」と明かして荻上を驚かせた。
ほかにも統合失調症や障害について、それぞれの考え方が語られる。3人は来場者からの具体的な治療や結婚に関する質問にも丁寧に応じた。終了間際には荻上のことを「チキちゃん」(キック)、「チキ坊」(加賀谷)と呼ぶほど3人の距離は短縮。最後に今後の目標を聞かれた松本ハウスは、「大きな目標はなくていいかなと。日々接している人たちが笑えるようになれば」(キック)、「僕は人生を通して幸せになりたい。毎日を充実して生きることが一番」と語った。
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