課題は自信を持つこと

──楽曲制作に吉木さんは関わってるんでしょうか？

直接は関わってないんですけど、半分くらいの楽曲を作ってくださったYamaToさんには私のほうから楽曲制作をお願いしました。もともとYamaToさんの作る曲が好きだったので。本当はパティロケに作ってほしかったんですけど、私のソロで実現することになりました。

──7月に行われた1stソロライブで多くの新曲がお披露目されて、アルバムにはそのときの楽曲がすべて収められています。パティロケとしての活動もある中、短期間でこの曲数を仕上げるのは大変だったのでは？

めっちゃ頭がパンクしそうでした。ライブ前は本番直前まで何度も歌詞を見返してましたし。

──ソロライブを経て、ようやくソロ活動に自信が持ててきたのではないですか？

私、芸能活動を始めてからずっと自信なんてものはなくて。パティロケでも自信がない（笑）。だから今の私の課題が自信を持つことなんです。

──初期の頃のパティロケのライブから吉木さんを観させてもらってますけど、自信がないとは思えないです（笑）。

がんばってます（笑）。心配性なんですよ、今の自分の動き、変じゃなかったかなって思ったり。

「夢で逢えるから」はメンバーとの別れを歌った曲

──アルバム収録の「夢で逢えるから」は、今回のアルバムのために作られた新曲です。歌詞を読み解くに「友との別れ」をテーマにした曲なのかなと思ったのですが、これは先日卒業を発表したパティロケのFUMIKAさん、HIMEKAさんへのメッセージも込められているのでしょうか？

実はけっこう前からパティロケの中で今後の活動をどうするかという話があって。その中で本当は解散という話もあったんですけど、今回FUMIKAとHIMEKAが卒業となり、パティロケ自体は残ったメンバーと新メンバーを加えて活動を続けていくという結論に至りました。「夢で逢えるから」はパティロケが解散するという話があったときに作られた楽曲なので、実は“メンバー全員との別れ”というテーマで書かれた曲になります。

──吉木さんはパティロケが解散するという話になったとき、どういった思いがありましたか？

正直芸能界を引退とまではいかなくとも、私も表舞台から一旦退こうかなとは考えました。もう何がしたいのかよくわからなくなってしまって。でもソロ活動も始まったばかりだったし、パティロケの活動と共にフェードアウトしていくのも違うかなと思ったんです。まだ私が表現できることはあるだろうなと考えて、活動を続けていくことを決断しました。

──最終的にFUMIKAさん、HIMEKAさんの2人の卒業という形になりましたね。

2人ってパティロケの中の人気トップ2なんですよ。だからこの2人が抜けたら、いろんな人から「パティロケ終わったな」って言われるかもしれないと思いました。ファンも減ってしまうかもしれないですけど、覚悟はできています。残って続けると決めたからには、地道にまたがんばっていきたいなって。だいぶ前の話になりますけど、パティロケが私とFUMIKAの2人だけになったことがあって、そのときに私は「辞めたい」って言ってたんですよ。「本当にもうダメだ」と思って辞める決意は固かったんですけど、いろんな人から「続けたほうがいい」と言っていただいて。今回はそのときほど辞めたいという気持ちはなくて、「まだパティロケを終わらせちゃいけない」と思いました。前回も今回も、私がパティロケを辞めることに一番反対したのはお母さんなんですけどね（笑）。家族みんなが応援してくれてるので、すごくありがたいことです。

パティロケとの対比としてソロの世界観を楽しんでほしい

──グループ解散から2人卒業と状況は変わりましたけど、「夢で逢えるから」に込められたテーマやメッセージはそのまま歌にして伝えていきたい？

“1人で歩いていく”というメッセージを込めて歌っているので多少差異はあるんですけど、大きくズレてはいないと思います。「散る友に捧ぐ」というフレーズが示す通り、ソロでの私のこれからの道と言うよりはパティロケのこれからを歌った曲なので、パティロケのファンの人にも聴いてもらいたいですね。アルバムは11月8日にリリースされるので、この曲を聴いたうえで12月17日にZepp DiverCity TOKYOで行われるパティロケのワンマンに来てほしいです。

──ソロ活動で新たに挑戦してみたいジャンルなどはありますか？

ジャンルとしては今の路線が自分にはあってるかなと。ゆったりしたサウンドの音楽が好きなので（笑）。もしパティロケがなくなっていたら、今とは違った路線も挑戦してみたいと思ったかもしれないですけど。パティロケとの対比としてソロの吉木悠佳の楽曲の世界観を楽しんでもらえたらと思います。

──ソロとしてワンマンライブ開催、そしてアルバムをリリースというところまで来ましたが、ほかにソロで叶えたい夢はあります？

聴いてくださるファンの方をもっと増やしたいという気持ちはありますけど、大きな会場でワンマンライブをドーンってやりたいとかは正直あまり思わないんですよね。どちらかと言うとライブ中のすべてを堂々と、自信を持ってできるようになりたいです（笑）。もちろんパティロケもがんばります！