音楽ナタリー PowerPush - 吉田凜音×西寺郷太
14歳の大器&敏腕プロデューサー 最強タッグが作り出す極上ポップス
「真夏のBeeeeeeaM.」の気持ちよさ
──郷太さんが書いてくれる曲について、凜音さんはどんな印象を持っていますか?
凜音 すごいウチのことをわかってて曲を作ってくれてる感じがして。サビとかで声が伸びるとこが好きなんですけど、この1stアルバムだと「真夏のBeeeeeeaM.」とかすごく伸びるから気持ちいい。
郷太 うん、「真夏のBeeeeeeaM.」は「これはキタ!」と思ったね。アルバム制作の最後の時期に作ったんだけど、7、8カ月凜音ちゃんとやってきてやっとつかめた。吉田凜音像をいい形で世の中に届けられる曲ができたって思った。
凜音 「真夏のBeeeeeeaM.」はライブでも一番盛り上がってます。フェスとかで歌ったらもうヤバいんじゃないかって思う。
──郷太さんの曲にはテクニカルなフレーズも多いですけど、歌うのは難しくなかったですか?
凜音 難しいって思ったことはあんまりないですね。
郷太 そう、彼女クールっていうか、全然依存しない人なんですよ。そこがすごくいいと思ってて。前回のインタビューでも話したけど、本田圭佑選手とか中田英寿さんとかと同じ種類だから。一番になる人特有の風格みたいなのがある。
──凜音さん自身は、自分の性格についてどう捉えていますか?
凜音 自分の性格は……なんだろう。いいと思います(笑)。
アイドルアイドルしたくない
郷太 この機会に聞きたいんだけど、凜音ちゃんが出るようなアイドルイベントで俺が作った曲ってなじんでる? アイドルファンの人たちにどういうふうに受け止められてるのかが気になってて。
凜音 あー、ちょっとおしゃれチックになります、空気感が。
郷太 それってどうなの?
凜音 いいと思います。ほかのアイドルと同じにしたくないので。おしゃれなファンもついてるし。
郷太 あはは(笑)。おしゃれなファンは大事だね。
凜音 丸メガネが多いです。
──アイドル戦国時代などと言われてだいぶ経ちますけど、そういうシーンの動きみたいなものは意識していますか?
凜音 いや、アイドル時代が終わっても、別に楽曲もアイドルアイドルしてないし、アーティストって名乗っていけばいいんじゃないかなって思ってます。
──今も自分がアイドルだっていう意識はあまりない?
凜音 まあアイドルですけど、そんなアイドルアイドルしたくない。「皆さんこんにちはー!」(アイドルっぽい声で)みたいなことをホントにやりたくなくて。
郷太 あははは(笑)。
──やっていたことはあるんですか?
凜音 以前ユニットで活動してたときはそういう雰囲気だったから、これは合わせないといけないなと思って普通にやってました。でも向いてないなって思ってました。
──じゃあアイドルっぽい挨拶なんかも?
凜音 やってましたよ。
──今ものすごくイヤそうな顔しましたね(笑)。
郷太 どんな挨拶? 「りんりん凜音です!」みたいな?
凜音 んー、「ちっちゃいけどいつもパワフル!」みたいな(笑)。
──それを言ってる自分に違和感があったんですね。
凜音 うん、自分じゃないのがイヤだった。
──ライブをしたり、お客さんを盛り上げること自体はイヤじゃないんですよね?
凜音 それはすごく楽しいです。次はどんなライブにしようかって、いっつもイメージしてて。早く大きいステージでワンマンをして満員にできるようになりたいんですよ。
──そういう野望はあるんですね。
凜音 ふふふ(笑)。あります。
郷太 そう、まるっきり冷めてるわけでもないのが面白いんだよね。ディズニーランドでくたびれるまで遊んだりとか、ライブのこともすごく考えてたりとか。
──やる気がないわけではない?
凜音 そうですよ! やる気はあります!(笑)まだまだがんばるのでよろしくお願いします!
収録曲
- Fantaskie OVERTURE
- 真夏のBeeeeeeaM.
- テンセイリンネ ~ GONG! GONG! GONG! ~
- M.I.R.A.C.L.E ~アイシタイキミガクル~(Fantaskie Re-Edit)
- ふぁんたすきー
- ポジティビティ feat. 西寺郷太
- SCHOOL DAYS
- ふぁんたすきーII
- 忘れないPlace
- 恋のサンクチュアリ!
- Fantaskie REWIND
- フェイバリット・ランド
- 吉田凜音 2ndシングル「忘れないPlace / テンセイリンネ~GONG!GONG!GONG!~」2015年2月25日発売 / ビクターエンタテインメント
- 初回限定記憶盤 [CD] 1200円 / VICL-37024
- 初回限定転生盤 [CD] 1200円 / VICL-37025
- 通常盤 [CD] 1000円 / VICL-37023
吉田凜音(ヨシダリンネ)
2000年生まれ。北海道札幌市出身。2013年からソロシンガーとしての活動をスタートし、数々のライブでその高い歌唱力を披露して話題を集める。2014年11月に西寺郷太プロデュースによる1stシングル「恋のサンクチュアリ!」でVERSIONMUSICよりメジャーデビュー。2015年2月には2ndシングル「忘れないPlace / テンセイリンネ~GONG!GONG!GONG!~」をリリースし、同年3月には1stフルアルバム「Fantaskie」を発表。
西寺郷太(ニシデラゴウタ)
1973年東京生まれ。1996年からNONA REEVESのボーカリスト兼メインコンポーザーとして活躍するほか、他アーティストへの楽曲提供やプロデュースも行う。日本屈指のマイケル・ジャクソン研究家としても知られ、2009年に著書「新しい『マイケル・ジャクソン』の教科書」(新潮文庫)、2010年に「マイケル・ジャクソン」(講談社現代新書)を上梓。2014年3月にティト・ジャクソンが参加した初めてのソロアルバム「Temple St.」、同年6月にNONA REEVESのオリジナルアルバム「FOREVER FOREVER」をリリースした。近著にノンフィクション風音楽小説「噂のメロディ・メイカー」(扶桑社)がある。