いつかはアイドルのお母さんみたいな存在に

──香里さんが作詞をするようになったきっかけは？

鹿木　昔から詩を書くことが好きだったので、なんとなくやってみようかなと思って。実際やってみると、詩と歌詞では書き方が全然違うから「無理かも」って思う瞬間もあったけど、2作目の「Unforgettable Days」の歌詞を仕上げたときに、「これ、いけんじゃないのかな！」って思いました。書き上げて見直したときに、「なんでうち、こんなこと思いついたんだろう！」って自画自賛してしまう感じで（笑）。

株本　言葉をしっかり選んで情景を見せる詞の書き方が天才的にうまいよね。一応チェックはするけど直したことない。ほかの人には絶対書けないものだと思うよ。

井口　うん。僕が全体の流れを意識して作った曲に、しっかり情景を乗せてくれるんですよ。いい歌詞書いてんなって毎回思います。

鹿木　うれしい。ありがとうございます！

──野乃香さんのプレイングマネージャーという役割もかなり気になるところなんですけど。具体的にはどんなことをするんですか？

宮沢　まずは運営とメンバー、運営とファンの間に立って、お互いの意見を聞き、それをちゃんと伝えるという役割があります。あとは会議なんかで積極的に意見を言う特権が与えられています。細かいところでは遠征のときのホテルの予約とかもしますけど（笑）。自分としてはプロデューサーになるための勉強をさせてもらってる感じですね。

株本　秋元（康）さんみたいになりたいんだもんね。

宮沢　秋元先生はホントにすごい方なのでおそれ多いですけど、自分の作り上げた世界観を誰かに表現してもらいたいっていう夢は持ってますね。実際にアイドルとして活動しているからこそわかることもたくさんあるので、いつかはアイドルのお母さんみたいな存在になる日が来たらいいなって（笑）。

──今の野乃香さんはいわば中間管理職的なポジションでもあるので、大変なことも多そうですよね。

宮沢　そうなんですよ！ めっちゃ大変です！ 最近はだいぶうまくさばけるようにはなってきましたけどね。お互いの意見のいいところをうまく取り入れられるように。最初はもう、「どっちもわがままばっか言って！」って思ってましたから（笑）。

株本　あははは（笑）。今の時代、アイドルが1つのムーブメントになっていますけど、そこでひとつ抜きん出た存在になるには、やっぱり各メンバーの個性は重要だと思うんですよね。なので、それぞれがぞれぞれの思いを持って動いてもらうことが大事なんじゃないかな。時には外での活動があってもいいわけだし。で、つばさFlyという場所に戻ってきたときには、ファミリーのような一体感があるっていうのが将来的な理想です。

このフェスが成功すれば新しい扉が開ける

──ライブの動員も順調に増加しているつばさFlyは現状、すごく勢いがあると思います。6月24日に開催される2度目の主催フェス「FLYING FESTIVAL」も、前回に比べ規模を拡大していますし。楽しみですね。

宮沢　すごく豪華な出演者の方々に集まっていただけることになったのでプレッシャーも大きいんですけど、このフェスが成功すればつばさFlyとしての新しい扉が開けると思うんで、がんばりたいです。

鹿木　自分たちより売れてる方ばかりなので正直不安ですよ（笑）。でも、初めてつばさFlyを見てくれるお客さんも多いと思うので、自分らの良さをしっかりアピールしたいですね。

株本　ゆくゆくは野外でもやりたいし、「京都大作戦」くらいみんなに愛されるフェスにしていきたいです。ただ、普段のライブにしてもそうですけど、コツコツがんばっていくというスタンスは大事にしたいんですよ。一発パーンと花を咲かせて、すぐ散っちゃうっていうのはイヤなので。

鹿木　正直に言えば一気にボンッと大きな会場に行きたい気持ちもありますけどね（笑）。でも自分たちの身の丈にあった目標を掲げて、それを着実にクリアしながら上に登っていったほうがやりがいもあると思うので、今は地道な年間スケジュールを立てて動いております（笑）。

株本　みんなでひとつになってね。たまにお客さんに言われるんですけど、一般的なアイドルって、ファンとメンバーが運営に対してムカつく、だからがんばろうみたいな図式があるらしく（笑）。でもうちはそうじゃないですからね。

宮沢　うん。社長が目指すところは私たちとしても共感できているので、「なんだこのクソ事務所！」とかは一切思わないです（笑）。闘うべきところはプレイングマネージャーとして、しっかり闘ってますし。

──メンバーとしては頼もしいんじゃないですか、野乃香さんの存在は。

鹿木　まあでもそんなにそこをがんばんなくてもいいよって思うんですけど。メンバーとしてアイドルを謳歌したら？って（笑）。

井口　今までの話聞いてるとアイドル感ないもんね（笑）。会うたびにアイドル感が強くなってきてるなって思ってたから、逆にこんなにプレイングマネージャーしてることに驚いた。

宮沢　そっかー（笑）。でも私は、アイドルって夢とか希望とか愛とかを恥ずかしげもなく提供できる存在だと思っているんですね。なので、自分のことはアイドルだとちゃんと思ってますよ。アイドルです！