ナタリー PowerPush - THE 野党

軽快なフットワークが生み出した刺激的新作「9:10 pm」

1ラウンド3分を全力で闘い切った

──ところで今回は「Better Days with TEE」、「Break JAM with Diggy-MO'(SOUL'd OUT)」、「一滴 with 吉井レイン」と、フィーチャリング楽曲が3曲入っているのも特徴ですね。

篤志 今回の制作がなんとなく始まった頃、真新しい刺激としてフィーチャリングの曲があってもいいねっていう話が出たんです。

新藤 結果、みんなすごくいいコラボレーションをしてくれたよね。TEEくんなんか、すごい前のめりでやってくれたし。

SHOCK EYE あいつ、いいヤツなんですよ(笑)。最後のほうはもう、だいぶアトリエにも溶け込んでたし。

新藤 そうだったね(笑)。でも初めてアトリエに来て、いきなりマイクの前に立ってもらうっていうのはちょっとすごかった。俺、自分だったら怖くてできんわ。結構な先輩の家に行って「とりあえず晴一くん、ギター弾いてみて」って言われてるようなもんやろ?(笑)

SHOCK EYE そうですよね。まあTEEは僕にとって、似たフィールドの一世代若い人間ってことで、一方的にかわいい後輩みたいな気持ちがあって。単純に歌もカッコいいし、今回で刺激を与え合いたかったし。そういうのがゲストを呼んだときの一番の醍醐味じゃないですか。今回フィーチャリングで参加してくださった方全員と、そういう関係性が築けたのは良かったですね。

──「Break JAM with Diggy-MO'(SOUL'd OUT)」でコラボしたDiggy-MO'さんは、どういった経緯で?

篤志 僕が以前、Diggyさんの作品でギターやトラックをやらせていただいたことがあって。今回「誰かいい人いない?」って話になったとき、真っ先に思い浮かんだんですよね。1stの制作のときから、SHOCKさんの歌声やキャラと間違いなく張り合えるというか、一緒にやったら面白いと思っていたので。

──確かに2人の対決というか、拮抗してる感じがすごくカッコよかったです。

SHOCK EYE 大丈夫ですか? 僕、ボコボコにされてませんでした?(笑)

──全然! そんなわけないじゃないですか(笑)。

SHOCK EYE 良かったー(笑)。でもこの曲は、1ラウンド3分を互いに全力で闘い切ったっていうか。終わったあとに熱く抱き合って「ナイスファイト!」って言いたくなる感じでしたね。

サビはずっと「リーマンショック」

──そしてぜひ訊いておきたいのは「ヘイ!タクシー」について。こういう哀愁あるサウンド感もTHE 野党の魅力のひとつなのかなと思いました。

SHOCK EYE これはもう、アルバムならではの醍醐味ですよね。

新藤 「全部シングルみたいだね」っていうアルバムの評価もいいけど、こういうふうにアルバムならではの曲が入ってるのも作品性としては悪くないかなと。「ヘイ!タクシー」は、シングルの世界ではなかなか成り立たないことをしっかり楽しんでやれてるのでいいと思いますね。僕がベース弾いて篤志くんがドラムを叩いて、SHOCKくんがギター弾いてスクラッチ入れて……みたいな制作の過程も楽しめたし。歌詞はなんのこっちゃ?って感じなんですけど(笑)。

SHOCK EYE 僕はもうニヤニヤしながら書きました(笑)。

──サビがひたすら「リーマンショック」ですからね(笑)。

SHOCK EYE この曲はまず「哀愁」っていうキーワードがあって、なんでかわからないんですけど、たまたまそのとき「リーマンショック」って言葉が出てきちゃったんです。そしたらそれ採用!みたいになっちゃって。僕、普段よくタクシーに乗るんですけど、運転手さんにたまに「最近、景気どうですか?」って訊くんです。一時期それでよく意味もわからずに「リーマンショックで大変ですよねー」みたいな話をしてたから、無意識に出てきたのかもしれない(笑)。

“2ndアルバムの壁”の壁はなかった

──ここまでお話を聞いていると、前作のインタビュー時に「もしかしたら“2ndアルバムの壁”があるかも?」とおっしゃっていたのは杞憂だったようですね

SHOCK EYE ああ、なかったですね。

新藤 うん、なかった。今思うと1stはとにかく闇雲に作って、今回はそこでの反省も踏まえて進めたからこその新たな課題も見えてきて。僕はそれを次にどう活かすか?という意味でも、3枚目がまた楽しみになってきたっていう感じですね。3rdに何が必要かも今回の制作を通してわかったと思うし、そのための準備もまた始めないといけないし。今作は次回でまたワンステップ上がれるきっかけになると思いますね。

篤志 僕は音周りに関していろいろ見渡してみると、これは1stのあれに近いなとか、この曲の出だしがあれっぽいから離そうとか、アーティストである以上、何枚か出していけばどうしてもぶつかるような問題点には当たりましたね。壁というほど大きなものではないんですけど。そういうハンドルの切り方を今回すごく意識できたっていうのと、全体的にすごく練れた曲が多いことが2ndの個人的な変化ですかね。1stの初期衝動でぼこっと急に生まれて取り上げたという感じの作品よりは、これをどう料理していこうか?ってことも考えられたような気がするので。だから進化はもちろん、深化という意味での手ごたえも感じていますね。

インタビュー写真

THE 野党「Golden Hen」

ニューアルバム「9:10 pm」/ 2012年4月25日発売 3059円(税込) / SME Records / SECL-1042 / Amazon.co.jpへ

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CD収録曲
  1. Second H.S.A
  2. Golden Hen
  3. Better Days with TEE
  4. UNCHAIN
  5. 帚星
  6. My Steady Home
  7. ゲラップ!!!
  8. Brave Heart
  9. Break JAM with Diggy-MO'(SOUL'd OUT)
  10. ヘイ!タクシー
  11. Cradle Song
  12. 一滴 with 吉井レイン
LIVE INFORMATION

THE 野党の野会 ~vol.0~
2012年4月13日(金)東京都 渋谷Glad
OPEN 18:30 / START 19:00
※SOLD OUT

Ray-Van
2012年4月20日(金)東京都 渋谷club asia
OPEN&START 23:00

THE 野党(ざやとう)

新藤晴一(ポルノグラフィティ)、SHOCK EYE(湘南乃風)、篤志の3人からなるユニット。音楽番組出演やアルバム制作を通じて知り合った3人が2010年に結成し、約1年にわたって音源を制作。2011年2月に1stアルバム「8:10 pm」をリリースし、その直後より全国6公演の初ツアー「遊説2011 ~First~」を開催した。その後も楽曲制作を継続し、2012年4月25日に約1年2カ月ぶりのニューアルバム「9:10 pm」をリリースする。