ナタリー PowerPush - タオルズ

合言葉は「君に幸あれ」 デビュー10周年と初レギュラーラジオ

タオルズがCDデビュー10周年を迎える今年、彼らにとって初のレギュラーラジオ番組「Radio Backers ~君に幸あれ~」がTOKYO FMをはじめとするJFN系4局でスタートした。ナタリーではこれを記念してタオルズへのインタビューを実施。デビューから現在に至るまでの10年間を振り返りつつ、ラジオへかける意気込みを語ってもらった。

取材・文 / 伊藤実菜子 撮影 / 福本和洋

10年間を振り返って

──タオルズは今年でデビュー10周年ということで。これまでの10年間を振り返ってみていかがですか?

西田遼二(Vo, G)

西田遼二(Vo, G) ほんとに右も左もわからない18歳のときからやってるんで、早かったなっていうのが正直なところですね。

田口真一(G, Cho, Piano, Harmonica, Cajon) 長かったようで短かったような。ほんとにあっという間でしたね。

西田 それはそのときそのとき一生懸命やってきたからなんだろうなって気はします。幸いにもいろんなタイミングでCDも出せましたし。

──でも決して順風満帆にここまで続けてくることができたわけではないと思うんですが、途中で活動を辞めたくなることはなかったですか?

西田 ほんとに辞めたくなったことは一度もなかったかなあ。僕らまだ大学生のときにデビューしたので、卒業して周りが社会人になっていっても音楽を続けるのが当然だったんです。あんまり人生の岐路で迷うこともなかったというか。

田口 生きてる中で、イヤなことってのは絶対あると思うんですよ。例えばライブに向かうとき「ああ今日ライブ出たくないな」とか思うことも正直あります。でも、ステージに立つとそれをすべて忘れちゃうんですよね。「ああもうこんなに楽しいんだったらこれは辞められないな」っていう。ライブ中毒みたいな。だから辞めらんないですね。

「君に幸あれ」を超えようとしてきた

──タオルズはデビュー曲の「君に幸あれ」がNHK総合「爆笑オンエアバトル」のエンディングテーマになって一気に知名度を上げましたが、同時にそのイメージが強く付いてしまったのではないかと思います。そこに対して思うところはありますか?

西田 昔は「君に幸あれ」が僕らのシンボルみたいなものだったんですが、いつもその曲を引き合いに出されるのはどうかなあと思ってた時期も正直ありました。でも今は僕らを世の中に出してくれた曲だっていう意識のほうが強いです。昔のテイクを聴くと「まあ18歳だな」ってちょっと気恥ずかしかったりもするんですけど、またそれがいいのかなあとか、あの曲に勝ててない部分もあるなあって思ったりしますね。常に「君に幸あれ」を超えよう超えようとして曲を作ってきた感じはあります。

──ひとつの指針になっていると。

田口真一(G, Cho, Piano, Harmonica, Cajon)

田口 そうですね。最近は路上ライブもやってるんですけど、よく「『君に幸あれ』知ってます」って声をかけていただくんですよ、10年前の曲にもかかわらず。その人の心の中では「君に幸あれ」が輝いてて、ずっと鳴り続けてるメロディなんだなってことを考えると、「ああ、ほんとにいい曲なんだな」って改めて再認識できましたね。

──自分たちの自信にもつながりますね。

田口 そうですね。10代のときにそういう曲を歌えていたっていう自信もありますし、今でも歌えている喜びもあります。それを歌うことによって今でも聴いてくれる人を元気付けることができるので、それはすごくうれしいことだなと思います。

田口イメチェンの理由

──田口さんが金髪になって、タオルズのビジュアルイメージが一新されましたね。

田口 生まれ持った素質ってあるじゃないですか、ビジュアルって。それで言えば西田さんはまあ端正な顔立ちで……もともと太ってたんですけどね、中学時代は。

西田遼二(Vo, G)

西田 そうなんですよ。

田口 でも今はこう痩せられてカッコいいピンクのジャケットなんか着ちゃってね。でも僕の場合はずっと小中高大、今もちょっとぽっちゃり系の体形で。

西田 ちょっとじゃないけどね。

田口 (笑)。でもやっぱり自分を変えなきゃいけないなと思いまして。10周年を機に、少しでも西田遼二に追いつけ追い越せじゃないですけども、西田さんに対抗する意味で髪の毛の色をバサッと変えてみました。

西田 2人で並ぶと芸人さんのように見られることもあるかもしれないけど、全然そう思ってもらって構わないですね。僕たちはライブを大事にしていて、ライブで楽しませるバンドになりたいっていう思いはずっと持ってるので、見た目から興味を持ってくれた人も楽しませていきたいです。

音楽から入らなくて構わない

田口真一(G, Cho, Piano, Harmonica, Cajon)

──4月からはJFN系4局でレギュラープログラム「Radio Backers ~君に幸あれ~」が始まりました。今後この番組をどういうものにしていきたいか、目標はありますか?

田口 コンセプトとして「リスナーの背中を押す」というものがあるので、「ああ、なんかつらいことあったけどタオルズのラジオ聴いてがんばろう」っていうふうに思ってもらえるような番組を目指してます。理想はタオルズを知らない人たちにも「なんかあの番組わけわかんないな」「あれ、なんだこの番組、面白い!」っていう口コミが広がって、たくさんの方に聴いてもらうことですね。だからあえて番組タイトルにもタオルズって入れてないんですよ。

西田 音楽から入ってもらわなくても構わないっていう。

田口 そこから最終的にタオルズを知ってもらえればうれしいですね。僕らももっともっと楽しい番組作りをしていきたいと思いますので、皆さんぜひ聴いてください!

タオルズ

Radio Backers(レディオ バッカーズ) ~君に幸あれ~

放送時間

TOKYO FM 毎週日曜日25:30~26:00
FM大阪 毎週土曜日27:00~27:30
FM愛知 毎週土曜日25:00~25:30
FM福岡 毎週土曜日25:30~26:00

ミニアルバム「cue」 / 2012年10月3日発売 / 2100円 / OFF THE BALL / OTB-0002
ミニアルバム「cue」
収録曲
  1. ハヤブサ
  2. コールミー
  3. こいのうた
  4. 君は正しい
  5. スッゲー
  6. 人生最良の今日よりも
LIVE INFORMATION
TOKYO FM主催 タオルズデビュー10周年記念 Oneman LIVE「殿、ご乱心」(仮)

2013年7月6日(土)
東京都 渋谷duo music exchange
OPEN 18:00 / START 19:00

タオルズ
タオルズ

西田遼二(Vo, G)と田口真一(G, Cho, Piano, Harmonica, Cajon)からなる2人組ユニット。都内の中学校の同級生として知り合い、2000年に結成。2003年にNHK総合「爆笑オンエアバトル」のエンディングテーマに採用された「君に幸あれ」でCDデビューを果たして以降、コンスタントに作品を発表し精力的なライブ活動を行う。2012年10月に6曲入りミニアルバム「cue」をリリース。2013年4月からはTOKYO FMをはじめとするJFN系4局にて初のレギュラープログラム「Radio Backers ~君に幸あれ~」がスタートした。ストレートな歌詞と素直なメロディ、ライブ中の軽快なトークで幅広い年齢層のファンを獲得している。