竹内夢|「おとうさんといっしょ」で活躍中の歌が大好きなおねえさん、“等身大の夢”が詰まった「rêve」でアーティストデビュー

歌手として念願のソロデビューを果たす竹内夢。5月5日にリリースされるミニアルバム「rêve」がその記念すべき第一歩となる。ミュージカルを中心に活動してきた竹内だが、近年の活動でもっとも有名なのはNHK Eテレ「おとうさんといっしょ」への出演だろう。全国のちびっこたちやその父兄からは“歌の大好きなおねえさん”として絶大な支持を集めている。今回、音楽ナタリーでは、アーティストデビューを飾る竹内本人に生い立ちや将来の夢を語ってもらいつつ、シライシ紗トリプロデュースによるミニアルバムの収録曲について話を聞いた。

取材・文 / 小野田衛 撮影 / 星野耕作

「おとうさんといっしょ」や舞台「セーラームーン」で活躍するおねえさん

──竹内さんは子供の頃から音楽漬けの環境で育ったんでしょうか?

竹内夢

単なる目立ちたがり屋な女の子でした。ところが小学校6年生のときに転機がありまして、学習発表会で「人間になりたがった猫」という劇団四季さんで有名な作品の劇をやったんです。私は「声が大きい」という理由だけで、主役猫のライオネルに任命されて。そこでライオネルが1曲ソロで歌うシーンがあり、本番が終わったら先生や友達、友達のお母さん方から「歌、すごくいいね!」ってたくさん褒めてもらったんです。その経験から歌うということを意識し始め、次の年からゴスペルを習い始めました。

──いきなりゴスペル!? 渋いところから始めましたね。

おばあちゃんがゴスペルを聴くのが大好きなので、その影響ですね。習ってみたらレッスンが本当に楽しかったです。みんなで声を合わせたり、公演に向けて励まし合ったりもそうだし、生バンドの演奏に歌を乗せる気持ちよさもあって。このタイミングで本格的に歌が好きになっていきました。驚かれることも多いんですけど、私の歌はゴスペルがルーツなんです。

──ミュージカルを始めた経緯は?

中学卒業と同時に地元の北海道から上京することになりまして、それを機にミュージカル作品に出演させていただくことが多くなりました。初舞台は「『カードファイト!!ヴァンガード』~バーチャル・ステージ~」(2016年)で、そのあとにミュージカルの「美少女戦士セーラームーン」シリーズに出演して。高校3年間は、ずっとセーラーマーキュリーをやらせていただきました。合間もいろんな作品に触れ、女優として舞台に立つということをたくさん勉強しました。

ギターを始めたのは3歳の頃

──タレント、女優業を経て、今回ついにアーティストデビューとなります。

もともとアーティスト活動がしたいという気持ちは上京したときから持っていたんですが、ありがたいことにミュージカルや番組出演が重なり、なかなか踏み出すタイミングをつかめずにいました。そうした中、去年からコロナの問題が起こり、私が関わっている舞台やミュージカルも延期や中止になることが増えて。ステイホーム中、「この状況の中で自分にできることは何だろう?」と考えるようになり、出た答えが「自分の歌をもっといろんな人に発信しよう」ということでした。そこで始めたのが、YouTubeのプロジェクト(「YumeTube -竹内夢 Official Channel-」)だったんです。今後はもっと内容もパワーアップさせていくつもりです。

──竹内さんの相棒とも言えるギターはいつから演奏していたんですか?

最初にギターに触ったのは3歳のときだったと思います。おじいちゃんがバンドマンで、家に行くとエレキギターが2本くらい置いてあったんですよね。アンプにもつながず、「ドレミファソラシド」だけを繰り返し弾いていました。ただ、そのときはそれで終わったんです。次にギターを弾いたのは中学に入ってからですが、本格的にギターを練習し始めたのは最近になってからかもしれないな。今回ソロデビューさせていただくにあたって、改めてギターと真剣に向き合いました。難しいコードを覚えたり、カッティングの方法を見直したり。今回のミニアルバムだと、例えば「月とハニー」は私が今まで弾いた中では一番難しく感じるコードなので、ギターを弾きつつ歌をしっかりと届けられるように猛練習中です。

新しい一歩を踏み出すアーティストデビュー作

──さて、竹内さんにとって「rêve」は記念すべきアーティストデビュー作になります。思い入れも強いと思うのですが、改めてどんな作品になりましたか?

今回ゼロからアーティスト活動を始めまして、「rêve」の制作を通じて新しい自分と出会えました。自分ができる表現の引き出しが増えた気がします。これから私が歌手活動をするにあたって、ベースになる作品だと思います。新たな一歩を踏み出す作品になりました。

──収録楽曲について聴きどころをお伺いします。まず1曲目の「月とハニー」は?

「月とハニー」は今回のミニアルバムの中で2番目に録った曲です。だからまだアーティスト活動をどう進めていくのか模索している途中で、キーチェックの段階から丁寧にかつ試行錯誤しつつ作業を進めた印象があります。その中でも、この曲はプリプロの段階で自分がどんなアーティストになりたいのか、割と早くイメージが湧いた曲ですね。それと「パパッパッパー」というコーラスが印象的だと思います。

──確かにイントロや間奏部分で効果的に挿入されますね。

あのコーラス、最初はこんなにたくさん入っていなかったんですよ。レコーディングが全部終わったあと、音源チェック中に私がふざけて合いの手で入れたら、それが使われることになりまして(笑)。追加で「パパッパッパー」のコーラスを録りました。

──レコーディングスタッフも「それ、いいじゃん!」と現場で盛り上がったんですかね。

頭から離れなかったらしいです(笑)。

──2曲目の「illumirain」も、これまでの竹内さんとは異なる印象です。

竹内夢

すごく疾走感がある曲で、いつもの私からはイメージできないかもしれません。この曲、レコーディングのときはピアノとギターとドラムしか音がなかったんですよ。だからファイナルアレンジを聴いたときの衝撃がすごかった! 「ここでガラっと雰囲気が変わったな」というポイントがありまして、オクターブ上のコーラスをAメロなどで入れています。

──ハモりパートもご自身で?

はい、自分で歌っています。「illumirain」はレコーディングの最後にサビだけ録り直して、そこでパンチの効いた声の音圧を足したり、最初のブレス部分を切って歌ったりと、仕掛けを加えたりしました。結果的にそれがすごくプラスに作用したと思います。