乃木坂46 伸び盛り5期生の魅力が爆発!「超・乃木坂スター誕生!」Blu-ray BOX特集 (2/2)

番組プロデューサー・毛利忍氏 インタビュー

僕は素材を生かす板前でいたい

──「超・乃木坂スター誕生!」を収録するうえで、コントの内容であったり披露する楽曲や歌唱メンバーはどのように決めているんですか?

乃木坂46の皆さんでコントに挑戦してもらったのは、まず4期生による「ノギザカスキッツ」が最初でしたが、そもそも彼女たちは芸人さんではないので芸人さんと同じことをやっても敵わないし、そこで勝負をする必要はないと思うんです。なので、まず「アイドルのコントってどういうものだろう?」というところからスタートして。その中でも、特にメンバーのキャラクターからヒントをもらったコントが多いです。例えば#17で「AIロボット・ナオキ」という、冨里奈央さんが男装してイケメンロボットになるコントがあるんですけど、あれはもともと冨里さんがメンバーの中で「イケメン」な言動をすることが発端。一緒に歩いていたらさりげなく車道側を歩いたり、「その荷物、重くない?」とか「そこ、段差あるから気をつけて」と声をかけたり、普段からメンバーを気遣っていることが5期生の間で話のネタになっていたので、「じゃあ冨里さんがイケメン役のコントをやったら、キャラクターとしてハマるんじゃないか?」というところから考えて、イケメンのAIロボットという出口になった。菅原咲月さんの「バブ美先生」も彼女の底抜けに明るいキャラや、彼女のルックスがバブル時代のマハラジャとかあのへんのファッションが似合いそうだなという発想からで。そういう、本人の持っているキャラクターを増幅させてコントにするというやり方が多いです。

──なるほど。

加えて、メンバーから発信されたものから広げる場合もある。#6の「魔法少女サクナギ」は、確か川﨑桜さんが「プリキュアみたいな魔法少女ものをやりたい」と番組内で話していたことが発端ですし、#3の「あ~やガチャ」は小川彩さんが5期生の中でみんなからかわいがられていたので、そういう最年少の愛らしさに全振りしたコントを作ってみようとか。わりとそういう感じですね。楽曲に関しては5期生の子たちはみんな歌がうまいので、「この歌をこの子が歌ったら面白いよね」という発想から決めています。

──「新・乃木坂スター誕生!」の頃から比べると、彼女たちの歌は格段に成長しましたよね。

そうですね。「新・乃木坂スター誕生!」が始まった当時の映像をたまに観返すんですけど、格段にうまくなっているんですよね。中西アルノさんや井上和さん、五百城茉央さんをはじめ、最初から上手なメンバーもいましたが、例えば一ノ瀬美空さんは当初歌に自信がなかったようで。初期の収録ではそういう雰囲気が歌からも伝わってきましたが、収録を重ねるごとに自信が付いてきたのか、めちゃくちゃ上手になりましたし。成長で言ったら一ノ瀬さんや冨里さんなどはめちゃめちゃ伸びましたよね。

──冨里さんも初期は、緊張から涙してしまう場面がありましたし。

いきものがかりの「ありがとう」だったかな、最初にスタジオでソロを歌ったときもすごく緊張していましたし、2022年末の「新・乃木坂スター誕生!LIVE」で初めてお客さんの前でソロ歌唱したときもガチガチで。本人的にはあまりうまく歌えなかったのか、涙を見せる場面もありましたよね。2022年は横浜と神戸でライブを行ったんですが、最初の横浜公演では冨里さんが涙を見せて、それを相方の五百城さんが慰めていたんです。でも、その数週間後の神戸公演では五百城さんが体調不良であまり声が出なくて、今度は冨里さんが五百城さんをフォローして支えていたんですよ。そういう姿を見て、「人ってこんな短期間で成長するんだ」と実感しました。5期生の年代の子たちは本当に短期間で目に見えるくらい成長するので、一緒にお仕事をしていて楽しいです。

──毛利さんの中には「超・乃木坂スター誕生!」を制作するうえでのルールは、何かあるんでしょうか?

ちょっとフワッとしていますが、コントにおいて「これ、乃木坂46がやらなくてもいいじゃん」というものはやる必要がないと思っていまして。楽曲選びでもそうなんですけど、5期生が歌うことで魅力的に映る楽曲をやったほうがいいですしね。あとは、僕もテレビマンなので、お客さんが求めていることをやった方がいいと思っていて。番組制作っていろんな手法がありますけど、料理人に例えるとするならば僕はわりと和食の板前に近いのかな。なるべく素材の味を生かして、素材のよさが出るように調理するのが僕の中の作り方。中にはソースでおいしく食べてもらうフレンチ職人もいるでしょうけど、僕は素材を生かす板前でいたいと思っています。

──5期生とこの先やってみたい企画はありますか?

あの子たちのプライベートに密着した企画が、番組後半に何度かあったんです。例えば、#27では五百城さんと冨里さんの休日に密着させていただいて、プライベートでの仲のよさを観てもらい、そのあとにスタジオで思い出の曲であるKiroroの「Best Friend」を歌ってもらいました。#29でも五百城さん、奥田さん、菅原さんの同級生トリオ「さつまいろ」のプライベート鎌倉旅に密着しましたが、その流れからスタジオで3人がwacciの「宝物」を歌ったら、みんな感涙していて。今後はそういう「メンバーのストーリー+歌」みたいな見せ方はありかもしれないですね。

プロフィール

乃木坂46(ノギザカフォーティシックス)

2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」でメジャーデビュー。2013年には5都市を巡る初のツアー「真夏の全国ツアー2013」、12月には初の東京・日本武道館公演を成功させた。2015年1月には1stアルバム「透明な色」をリリースし、同年末に「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たす。2017年に17thシングル「インフルエンサー」、2018年に20thシングル「シンクロニシティ」で日本レコード大賞の大賞を2年連続で受賞。2022年2月には5期生メンバーとして五百城茉央、池田瑛紗、一ノ瀬美空、井上和、岡本姫奈、小川彩、奥田いろは、川﨑桜、菅原咲月、冨里奈央、中西アルノの11名が加入した。2024年4月に通算35枚目のシングル「チャンスは平等」をリリース。5期生によるレギュラー番組「超・乃木坂スター誕生!」のBlu-rayボックスも同時発売となった。