ナタリー PowerPush - Soulcrap

耳で楽しむアメリカ大陸横断!コンセプト盤「'Too hot' road!」

BLUE BEAT PLAYERSのギター&ボーカルとしても活躍するTAIKI.Nが率いる「RIDDIM & BLUES」バンド・Soulcrap。ライブハウスを中心に20年以上にわたり続くマイペースな活動の中で、スカ / レゲエシーンはもちろん、モッズ、パンク、ガレージなど各方面から熱い支持を集めてきた彼らだが、この3年ほどは毎年1枚アルバムをリリースし、その勢いを加速してきた。この度、バンド初のコンセプトアルバムとなる新作「'Too hot' road!」を完成させたSoulcrapから、中心人物であるTAIKI.N(Vo, G)とIppei(G, Vo)に話を訊いた。

取材・文 / 宮内健(ramblin') 撮影 / 平沼久奈

録音を始めてから1stアルバムが出るまで5年かかった

──ナタリーにまさかのSoulcrapが載る時代ですよ! 取材の話もらったとき、こっちがビックリしましたもん(笑)。

インタビュー写真

TAIKI.N そうだよね(笑)。俺らも全然違うところで、ずっとやってきたからねえ。

──でも、ナタリーを普段からチェックしてる読者にも、絶対に響く音楽だと思います! そもそもSoulcrapってバンド自体は、いつ頃から続いてるんですか?

Ippei 相当長いですね。元々はTAIKI.NやキーボードのAbeくんとかと一緒に、高校生ぐらいのときから前身となるバンドはやっていて。その延長線で今もこうしてやっているんだけど。

TAIKI.N もう20年以上経つよね。

──なるほど。Soulcrapとして活動をはじめた頃、近いシーンで活動してたバンドはどのあたりになるんですか?

TAIKI.N 1992年頃だったから、Jackie & The CedricsとかFave Raves、Wack Wack Rhythm Band、ザ・ヘアー、the 5.6.7.8'sあたりかな。俺らはそのときからR&Bをやってた。その当時演奏してたカバーも今回のアルバムに入ってたりするから、ある意味変わってないというかね。

Ippei でも、長く活動してるといっても、休止している状態のときも5年ぐらいあったからね。満月や新月になると田舎に行って踊り狂うっていう遊びに俺が熱中してた時期とかは、バンドやってなかったし。

TAIKI.N ちょうど俺がBLUE BEAT PLAYERSをやってた時期でもあって、そのときは一度バンド解散してたから。

──そうして一度は解散したSoulcrapが復活したきっかけはなんだったんですか?

Ippei ロッキン・ジェリービーンの結婚式でライブやることになって、久しぶりにみんなが集まったんだよね。

TAIKI.N 2002年の秋ぐらいだったかな。ジェリーくんが「ぜひSoulcrapで!」ってわざわざ言ってくれてね。じゃあ、ジェリーくんのお祝いをしようってことで、その日のためにオーダーメイドで衣装も作って。

Ippei で、たまたまみんなのタイミングが良くって、そのままバンドも再始動して、今までズルズルやってるっていう(笑)。

──ひょんなきっかけでバンドが再結集して、そこからまた再始動したワケですが、ずっと音源をリリースしてこなかったですよね。たしか最初の7inchが出るって話を聞いてから、2年ぐらい音沙汰なかった覚えがあって。

インタビュー写真

Ippei 一度リリースしたら、もう止められない、みたいなのが怖かっただけかもしれない。新しく動き始める前に、ただただ遊んでいたかっただけのような気がする。

──そういう思いは、録音物を出してみたことで意識が変わりました?

Ippei 変わった部分もあったと思う。自分の音がこんなふうに聞こえるんだ? とか客観的に見るようになった。そういう意味では、次はもっとこうしたい! とか、意識は高くなった。

TAIKI.N で、録音を始めてから5年ぐらい経って1stアルバムが出たんだよね。

──録音を始めて5年もかかったんですか?

TAIKI.N 一度録音したんだけど、こりゃ全然ダメだってことで出さなかった。で、それから結果5年かかっちゃったっていう。だから、1stに入った曲には、5年前に録った音源も含まれてるんだよね。

──その5年間出なかった1stが発表されてからはせきを切ったように、毎年1枚のペースでアルバムを発表するようになりました。

TAIKI.N 俺ら、そんなネタがあるわけじゃないんだけどね。なんなら2枚目で全部使い切っていたぐらいで(笑)。でも、出し始めたら、5年間は毎年1枚出すっていうのを最初にメンバーには言ってて。今回で3枚目になる。

ニューアルバム「'Too hot' road!」/ 2012年7月18日発売 2012年7月18日発売 2415円 / SKA in the World / SIWI-190

収録曲
  1. ‘Too hot’ road!
  2. All of me
  3. God luck my dear
  4. Down in Mexico
  5. Got to get enough
  6. Follow me
  7. Calling around
  8. I'm the One
  9. Wonderful people
  10. Jamaica farewell
  11. Rambling man
ライブ情報
Soulcrap ‘Too hot’ road! Release Party

2012年9月9日(日) 東京都 新代田FEVER
OPEN 18:00 / START 18:30
前売2300円 / 当日2800円(ドリンク代別)

<出演者>
LIVE:Soulcrap / Oi-SKALL MATES / CENTRAL / Takero & The Cedrics(Jackie & The Cedrics)
Dee Jay:DR.IHARA(CLUB SKA) / DADDY-O-NOV(Radio Underground)

Soulcrap(そうるくらっぷ)

Soulcrap

BLUE BEAT PLAYERSのTAIKI.N(G, Vo)を中心に、前身バンドHigh Rhythmのメンバーにより1992年に結成。レゲエやスカ、R&Bなどを取り入れたロックサウンドとソウルフルな歌声でファンを増やす。1997年に活動停止するが、ロッキン・ジェリービーンの結婚パーティをきっかけに2002年に復活。2010年に1stアルバム「Riddim & Blues」を発表して以降は毎年連続で新たな作品を制作しており、2012年7月には初のコンセプトアルバム「'Too hot' road!」をリリースした。