音楽ナタリー PowerPush - SHURE × キュウソネコカミ

ワイヤレスで解放される真のパフォーマンス

シールドから解放され“全体で魅せる”バンドへ

──ワイヤレスを導入する前からキュウソのライブって激しい印象があるんですけど。 

ヤマサキ はい。だからSHUREのワイヤレスシステムのおかげで、より“バンド全体で魅せる”ってことができるようになったと思っていて。それは本当にうれしい。

──シールドがなくなって、何かから解放された感じ?

ヤマサキ そうですね、彼(オカザワ)とか、ワイヤードのときは本当に職人ギタリストみたいな感じだったんです(笑)。でも最近は飛んだり跳ねたりぐんぐんやっていて、「お前そんなに動きたかったんか」って(笑)。だから本当によい影響をどんどん与えてくれている。

オカザワ 楽しいです(笑)。

左からオカザワカズマ(G)、ヤマサキセイヤ(Vo, G)。

──ヤマサキさんのボーカルマイクはBLX2/BETA 58Aですね。

ヤマサキ これまではワイヤードで、“鎖につながれた犬”状態でライブをやっていたんです。けっこう客席とかに飛び込んだりもしているんですけど、ローディの人とかに「お前、もうそれ以上は無理だぞ」って引っ張られたりして(笑)。それがなくなった今、どこまで行けるか。SHUREのワイヤレスマイクってライブハウスくらいの広さだったら電源を切らない限りどこでも電波が届くんですよ。壁を隔てても届く。

──ステージから思い切り離れてパフォーマンスすることができそうですね。

ヤマサキ うん。あと、この前学園祭で体育館みたいなところでライブをやったんですけど、ステージから客席に降りて、50メートル走くらいの勢いで走ってやったんですよ(笑)。それでも音が途切れなかった。

カワクボ GLXD16のおかげで楽器隊もめっちゃ遠くまで動けます。その学園祭のライブのリハのとき体育館の端っこでも音が出た。「うわ、音出るわ!」って。まあ、ライブ本番では無茶な動きはしなかったですけどね……ベースはとにかく音が消えてしまうと終わるんで、確信がないとできない(笑)。

ヤマサキ 僕ギターも弾くんですけど、ギターはシールドをつなげていて。ギターまでワイヤレスにしちゃったら、ギター持ったまま客席に飛び込んでしまいそうですから。

──自分を抑えるためにシールドをつないでいる(笑)。

ヤマサキ そうそう。ギターを持ったまま飛び込んでしまうとお客さんに怪我をさせてしまいますからね。一方でSHUREのワイヤレスマイクって軽いんですよ。ぶつかっても痛くなさそうだから安心して客席に飛び込める(笑)。

音質はシールドと変わらない

──あまり無茶しないでくださいね(笑)。ところでGLXD16やワイヤレスマイクを導入してみて、音っていかがですか?

ヤマサキ いい意味で変わらない。俺、正直もっとヘボなると思ってん。

左からカワクボタクロウ(B)、オカザワカズマ(G)。

オカザワ 俺もそう思ってた。俺ってライブではワイヤレスですけど、スタジオではシールドを使っていて。それでも音にそれほど差がなくて。

カワクボ ベースって音の変化がかなりわかると思うんですけど、全然変わらないと思いましたね。特長のあるシールドを使っている人だったらけっこう変わるかもしれませんけど。

オカザワ あと、全然ノイズないよね。

カワクボ うん。ワイヤレスって帯域がちょっと削れるだろうとか、ミュートがしんどくなるだろうとか、ノイズが入るだろうとか勝手に思っていたんですけど、そういうのもない。

──これまでの音に影響がなく、パフォーマンスの自由度が増すっていう感じ。

ヤマサキ うん。最近のライブでは、ワイヤレスならではの演出として、メンバーがステージを走り回って交差することもあるんですよ。それはワイヤレスだからできる。

──皆さんが使っているのを見て、ライブハウス規模の会場でもワイヤレスシステムを導入しようとする人が増えると思いますよ。

カワクボ まさしく飛び道具。

オカザワ そうやなあ。

ヤマサキセイヤ(Vo, G)

ヤマサキ ステージのめっちゃ端っこにギターを立てておいて、そこに遠くからパチンコで玉当てて音を鳴らしたりもできる。

オカザワ あはははは(笑)。でもね、学園祭とかでそういうことをやって、一発ほかのバンドとは違うところを見せつけてやろうっていう人たちにはすごくいい道具だと思う。

ヤマサキ シールドがないからエアギターみたいな動きで実際に演奏することもできるよな。ダイノジさんと対戦して、パフォーマンスでも演奏でも勝つ……みたいな(笑)。

ギターペダルデジタルワイヤレスシステム「GLXD16」
ギターペダルデジタルワイヤレスシステム「GLXD16」

ボディパック型のワイヤレス送信機GLXD1と、ペダル型受信機のGLXD6から成るワイヤレスシステム。
電波干渉を自動的に避け適切な電波を自動で確保するLINKFREQ周波数自動マネージメント機能とチューナー機能を搭載する。

  • 価格:オープンプライス(市場予想価格4万6000円前後)
  • 周波数帯域:2.4GHz
  • 通信:双方向
  • 最大同時使用本数:8
  • 最大到達距離:60m
  • ダイナミックレンジ:120dB
  • 周波数特性:20Hz~20kHz
  • 電源:専用リチウムイオン電池(16時間) / USB充電可能
  • パッケージ内容: GLXD6 / GLXD1 / WA305(ギターシールド) / SB902(リチウムイオン充電式電池) / USB充電ケーブル
  • 寸法:GLXD1 64(W)×90(H)×23(D)mm ※アンテナ含まず / GLXD6 95(W)×46(H)×133(D)mm
  • 重量:504g(GLXD6)
ハンドヘルド型ワイヤレスシステム「BLX24/B58」
ハンドヘルド型ワイヤレスシステム「BLX24/B58」

ハンドヘルド型の送信機BLX2/BETA 58Aと、受信機のBLX4から成るボーカル用ワイヤレスシステム。
最良の周波数を素早く検出するQuickScan周波数選択機能をワンタッチで使用できるなど、ユーザーフレンドリーな操作性も魅力。

  • 価格:オープンプライス(市場予想価格4万6500円前後、価格は変動する可能性あり)
BLX2/BETA 58A
  • ゲイン調整範囲:10dB
  • 電源:単三電池×2
  • 電池寿命:14時間(アルカリ乾電池使用時)
  • 寸法:53(ø)×224(H)mm
  • 重量:218g ※電池除く
BLX4
  • 出力インピーダンス:200Ω(XLR) / 50Ω(フォーン)
  • オーディオ出力レベル:-27dBV(XLR) / -13dBV(フォーン)
  • 寸法:188(W)×40(H)×103(D)mm
  • 重量:241g
キュウソネコカミ 3rdミニアルバム「ハッピーポンコツランド」 / 2015年1月14日発売 / Victor Entertainment
「ハッピーポンコツランド」
初回限定盤 [CD+DVD] 2592円 / VIZL-761
通常盤 [CD] 1944円 / VICL-64268
CD収録曲
  1. GALAXY
  2. OS
  3. Scary song
  4. 貧困ビジネス
  5. 要するに飽きた
  6. 勇者ロトシック
  7. なんまんだ
初回限定盤DVD収録内容
  • “DMCC-REAL ONEMAN TOUR-~DOSA MAWARI CHU CHU~”THE MOVIE
    (2014年6~7月に行われた初の全国ツアーの一部ライブ映像や裏側を捉えたロードムービー)
キュウソネコカミ
キュウソネコカミ

2009年末に大学内の“就活敗残者”を中心に兵庫県西宮で結成される。ヤマサキセイヤ(Vo, G)、オカザワカズマ(G)、カワクボタクロウ(B)、ヨコタシンノスケ(Key, Vo)、ソゴウタイスケ(Dr)による“5人組全方位対応型ネガティヴディスコパンクバンド。”2012年3月に1stフルアルバム「10代で出したかった」、12月に2ndフルアルバム「大事なお知らせ」、2013年10月に1stミニアルバム「ウィーアーインディーズバンド!!!」を発表する。2014年6月に2ndミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」をビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterよりリリース。2014年に出演したフェスやイベントでは、入場規制がかかるなど注目度の高さを証明し、10月より全国25カ所26公演を巡る全国ツアー「試練のTAIMANツアー~地方巡業編~」を開催した。2015年1月14日に3rdミニアルバム「ハッピーポンコツランド」のリリースが決定しており、今作に収録される「GALAXY」はフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」の新エンディングテーマに採用された。1月15日より全国ツアーもスタートし、追加公演はバレンタインデーに東京・豊洲PITにて行われる。メジャーにフィールドを移したあとも、バンド名の通り“窮鼠猫噛み”のごとく強いものに噛み付きながら精力的に活動している。