STEREO DIVE FOUNDATION「STEREO DIVE」 PR

STEREO DIVE FOUNDATION|プロジェクト開始から7年を経て1stアルバム発表 R・O・Nの中での“SDF像”とは

R・O・Nによるサウンドメイキングプロジェクト・STEREO DIVE FOUNDATIONによる1stアルバム「STEREO DIVE」が2月5日にリリースされた。

2013年のプロジェクト開始以来、待望の1stアルバムには「Daisy」「AXIS」「Renegade」「Genesis」といったシングル曲に新曲を加えた全12曲を収録。各チェーン店別特典CDも用意され、そちらにはR・O・Nが過去に提供したGuilty Kiss「Guilty Night, Guilty Kiss!」、A3!の秋組「oneXone」、G.Addict「prism」のセルフカバー音源が収められる。

音楽ナタリーでは、R・O・Nに1stアルバムの制作背景や、活動を通して変化しつつある自身の中での“STEREO DIVE FOUNDATION”像について話を聞いた。

取材・文 / 杉山仁 撮影 / 西槇太一

こういうアーティストがいても面白い

──2013年にデビューシングル「Daisy」(テレビアニメ「境界の彼方」エンディング主題歌)がリリースされたので、今回の「STEREO DIVE」は7年越しに発表するデビューアルバムということになりますね。制作に取りかかる際、どんなことを感じていましたか?

「期待に応えなければいけない」という使命感ですね。もともとは、2015年にはアルバムが出ているような話だったんですよ。お待たせしてしまったし、内外問わず期待をしてくれる方たちがいるという事実を受け止めて、「一生懸命やらないといけない」という責任と使命を感じたので、とにかくいいものを作ろうと思っていました。最初はやれるところからやろうと思って、まずは特典のセルフカバーを作り始めました。

──そういえば、R・O・Nさんはアルバム制作を始めた頃に、ファンの皆さんにSNSでどの曲のセルフカバーが聴きたいかを聞いていましたね。

R・O・N

予想以上にいろんな方からリクエストをもらいましたし、スタッフが集計までしてくれて。僕は思いつきでなんとなく意見を聞いてみようという軽い気持ちだったんですが、本当にありがたかったです。最初はアコースティックギター1本でカバーしようという話があったものの、「作家を生業にしているわけだし、ちゃんとアレンジをしたほうがいいんじゃないか?」と提案して。結局アルバムを作るのに、特典用の音源も含めた11曲分の作業をした感覚でした。聴く人にとっては、きちんとアレンジされたもののほうがうれしいですよね。そこからリード曲の「PULSE」に取りかかって、アルバム用の曲の作業をしていった感じでした。

──なるほど、リード曲を先に仕上げていったのですか。

はい。ただ、ほかの曲も同時進行で作業を進めていきました。ある曲はサビだけできていて、ある曲はイントロだけできていて、また別の曲ではAメロからサビまでができていて……という形で作業を進めて、ある程度できた段階で一気に歌詞を考えました。なので、中にはまだピアノとドラムの要素しかない状態で歌詞を書いた曲もあって。それから歌を収録して、その後全曲のアレンジを詰めたという流れです。「PULSE」もアレンジ自体はそんなに詰められていなかったので、その段階で手を加えた部分もありました。

──そうした作曲方法は、これまでほかの機会にまとまった数の楽曲を作るときと同じ方法だったんですか? それとも今回ならではのものだったのでしょうか?

方法としては、全体を見渡しながら少しずつ作業を進めていく、アニメのBGMのやり方に近いものですね。今回のアルバム制作は、僕自身が歌う楽曲を短期間で、お題がないままに作っていく作業だったので、曲に被りが生まれるともったいないと思ったんです。つまり可能な限り似たものになるのを避けようと。BGMに関しても、40曲程度の楽曲を作るときに全体を見渡しながら満遍なく作っていって、「この曲とこの曲は似ているな」というものを回避していくようなやり方をするので、それに近い感覚でした。

──STEREO DIVE FOUNDATIONはR・O・Nさん自身のプロジェクトのはずですが、お話を聞いているとどこか客観的に捉えているような雰囲気があってとても面白いです。

STEREO DIVE FOUNDATIONは確かに僕自身のプロジェクトですが、感覚としては周りでサポートしてくれる人たちも含めたチームの中の、“曲を作って歌う担当”だと思っているんです。自己主張をするアーティストとしては「どうなんだろう?」と思う人もいるかもしれないですけど、音楽そのものについては謙遜したり卑下したりするつもりはないので、こういうアーティストがいてもいいのかな、面白いのかなと思っています。

ライブの風景を想像しながら

──では、アルバムの新曲についていろいろとお話を聞かせてください。1曲目の「#01」はアルバムのオープニングを飾るインストゥルメンタルですが、どんなふうにイメージを広げて作っていったのでしょうか?

この曲はアルバムの1曲目として、これまでシングルに入れていたインスト曲とは違って、作品の頭に入れたときに映える曲がいいかなと思っていたので、イントロにノイズとパッドを入れたいなと思って。そのことだけを考えていた気がします。あと、今回のアルバムは四つ打ちの曲が多いので、イントロにも四つ打ちを入れようと思っていました。ただ、2曲目よりも遅いテンポのものにしようとは考えていたのかな。この曲に関しては、ほとんど覚えていないんです(笑)。実はマスタリングの直前まで作っていた曲なんですよ。

──なるほど。制作作業の最後に満身創痍の中で作った曲だったんですね。

そうなんです。アルバムの最初の曲を、最後に作った形でした。

R・O・N

──リード曲の「PULSE」はどのように作っていったんでしょう?

これは「Renegade」(2015年7月発売の3rdシングル表題曲)みたいな雰囲気の曲を作ってみたらどうだろうというアイデアから始まった曲でした。

──2、3曲目に「PULSE」「Renegade」が続くことで、アルバムの流れとしてもキレイに感じました。

この2曲はBPMが同じなんですよね。とはいえ、「Renegade」と同じになってしまうと飽きてしまうので、その中でも違いを出していきました。例えば、サビのコード進行や、Aメロの単音の連打加減はそうですね。あと、「PULSE」はライブの風景をある程度想像しながら作っていきました。一方で4曲目の「Coda」は、スタッフに「どんな曲があったらうれしい?」と聞いたところ、「みんなで合唱できる曲があってもいいのでは?」という話になって、そこから膨らませた曲です。シンプルなメロディで、「ウォウウォウ」と歌えるものがいいという話があって。

──ちなみに、タイアップではないアルバム用の新曲の場合、歌詞はR・O・Nさんのプライベートを切り取った内容になっているのでしょうか? それとも、また違った感覚なのですか?

ある程度誰にでも寄り添えるような歌詞を考えていくことで、結果的に自分のパーソナルな部分も反映されたものになる、という感覚です。僕の場合、歌詞を書くときの方法にはいくつかパターンがあるんですけど、今回のアルバムでは割と抽象的な言葉で表現するものが多かったと思います。言葉遊びをするもの、抽象的な言葉で表現するもの、すごく短い同じフレーズを繰り返すもの、すべてのパートを全部違う形にして書く短い小説のような構成のもの……というふうにいくつかのパターンがあって、「Coda」の場合は、中でも“ある程度誰にでも寄り添えるようなもの”ですね。明るい曲で、懐かしい雰囲気の歌詞がいいなと思ったんですよ。アイデアとしてはシンプルなものでした。

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