ツアーを意識したアルバム制作
──LさんとELLYさんの兄弟コラボが聴ける「NASTY」はクールなR&Bですね。
L そうですね。兄貴と2人でやるなら、やっぱりルーツであるUSのR&Bをがっつりやろうと思って。兄貴はプロデュースもすごく好きで、かなり細かくディレクションしてくれました。例えば、最近の楽曲は声のかぶせが多かったりするんですけど、この曲はかぶせなし1本で録ろうと言ってくれて。ドレイクがそういう手法でずっとやっているんですよね。特に歌に対するこだわりが詰め込まれています。
──「NASTY」は夜に似合う曲だと思いました。
L そうですね。ぜひこの曲をクラブで流して踊ってほしいです。
──皆さんはラップや歌だけでなく、ダンスも踊るアーティストだと思うのですが、こういうそれぞれの個性を出した曲を制作する場合、やはり踊れる曲というところが重要になってくるのでしょうか? それとも音楽的に表現したいものを作り上げることが重要ですか?
L 僕らの主軸はライブで、すでにツアーの予定も決まっていたので、今回の作品に関してはみんなそこを意識して制作したと思います。大前提としてツアーの景色を想像して作っていたというか。「適当にやっちゃって」とかも含めて、みんなの「次のツアーでこういうことやってみたいよね」が詰め込まれた楽曲が多いと思います。
──その「適当にやっちゃって」にはMA55IVEの皆さんに加え、DOBERMAN INFINTY、さらにJAY'EDさんらのお名前もクレジットされています。この曲はどのように制作されたんですか?
YAMASHO みんなでスタジオに入って作りましたね。しかも3時間くらいでできたんですよ。
浦川 まさにこの取材のように、みんなでテーブルを囲んで、トラックをループで流しながらみんなであーでもないこーでもない、みたいな。けっこうふざけたノリで提案したアイデアがそのまま採用されていたりもします。
L タイトルも誰かが「もう適当にやっちゃって」って言ったのを、「それいいね」みたいなノリで付けて、そのままリリースまで来ちゃったし(笑)。あとこのサウンド感は、DOBERMAN INFINITYさんとやるならマイアミベースがハマるよねって僕から提案しました。
神谷 ビーチパーティみたいなところでも聴きたい曲になりました。
──ラストの「REEEMINDER! feat. Crystal Kay」はChaki Zuluさんがプロデュースしていて、トラックにはm-flo loves Crystal Kay「REEEWIND!」がサンプリングされています。
YAMASHO 「REEEWIND!」、めっちゃ好きな曲なんですよね。
L Crystal Kayさんと一緒にやるなら何が一番いいだろうと考えたんです。Crystal Kayさんには名曲がたくさんあって、僕らを応援してくれている人も、Crystal Kayさんのことも応援してくれている人もみんなが楽しめるような楽曲にしたくて。僕自身、「REEEWIND!」を昔から聴いているファンの1人だから、じゃあこの曲をChaki Zuluさんに現代的に再構築していただいたら面白いものができるんじゃないか、と思いついたんですよ。こういうR&Bサウンドはこれまで僕らにはなかったですし、本当に最高の1曲に仕上がったと思います。
今回のツアーは妥協しない
──リリース後、すぐにツアーが始まりますね。
神谷 ライブに向けてアルバムを作ったとしても、僕らの想像を超えてライブで育つ曲があるんですよ。この曲でこんなに盛り上がるんだ、みたいな。きっと今回もそういう曲が出てくるはずなので、皆さんの反応を見るのが今は楽しみです。
浦川 MA55IVEはもともとTHE RAMPAGEのツアーの1コーナーとして始まったんですが、「MA55IVE UNION」というプロジェクトが立ち上がったことで、半永久的に活動できる形になったというか。自分たちで未来を切り開けた感覚がある。僕らもこれからどういう形になっていくかわからないけど、MA55IVEではTHE RAMPAGEではできないことをフットワーク軽くやっていけたらいいなと思います。
L LDHってほかのアーティストとコラボレーションするグループが意外と少ないんです。だからMA55IVEの活動をきっかけに、より多くのLDHアーティストがほかのアーテイストの方とコラボレーションする機会が増えたらいいなと思います。とにかく僕らはもっといろんなところに行ってみたい。そういう機動力があると思うから。
YAMASHO あと、僕らは音楽だけじゃなくてファッションやカルチャーも好きなので、それに関連付いた作品やイベントで「MA55IVEを使いたい」を思ってもらいたいですね。僕らからするとこのプロジェクトはまだまだ始まったばかりなので、まずはライブを軸にいろいろと作っていきたいです。
鈴木 コラボレーションしたい人、いっぱいいますし。
──差し支えなければ、具体的に教えてほしいです。
鈴木 僕は最近ずっと聴いている3Houseさんとか、あとDJ CHARIさんとも共演したいんですよね。
──面白そうです! この流れで皆さんの共演してみたいアーティストをお聞きしたいです。
神谷 藤田織也くん。昔の楽曲でディレクションや音の制作で携わってもらったことがあるんですけど、一緒に作品を出したことがないなと思って。最近一人でフェスに出演したり、いろんなところに出ているので、何か一緒にやれたらなって思います。
浦川 僕はOZworldさん。同い年で、何度かライブにお邪魔したり、飲みに行かせていただいたこともあって、あの唯一無二の世界観にMA55IVEが絡んだらどうなるんだろうってワクワクがあります。
L 僕はYo-Seaさんとご一緒してみたいです。
YAMASHO BMSG POSSEですね。実現したらけっこうパンチあるコラボになると思う。
──では先ほどから少しずつ話題に上がっているツアーへの意気込みを教えてください。
鈴木 めっちゃ踊ります。今絶賛リハーサルをしていて、すごい方々に振りを作っていただいているんです。それを披露するのがものすごく楽しみ。
YAMASHO 前回はZepp 4公演だけだったんですが、今回はライブハウスをたくさん回るので、照明とかもバチバチにしてますし……あとこれ言っていいよね? バンドが入っているんです。ギターも弾けるマニピュレーター的な動きをしてくださる方とドラムとDJ。この編成でライブするのは初なので、僕らもめちゃくちゃ楽しみです。音もめちゃくちゃいいですし。
神谷 LDHグループがライブハウスツアーをすることってあまりないと思うんですよ。客席との距離がすごく近いので楽しんでほしいです。
──演者としても、バンドが入るとだいぶパフォーマンスが変わると聞きます。
浦川 テンションが上がります!
──今後、MA55IVEとしてどのように活動していきたいか教えてください。
L 一番大事なのは自分たちの空気感。やりたくないことはやらない。そこが軸になっています。
──「EMPIRE CODE」からは皆さんのクリエイティブな探究心を感じました。
L それはすごくうれしいです。かなり自由にやらせてもらえたので。
浦川 僕らの場合、みんなが勝手に作っているから、気付くと曲ができあがっているパターンが多いよね。
L そうそう。音楽好きのメンバーだから。トレンドにも敏感でいたいし、あえてレイドバックしたこともしたいし、ホント臨機応変に動けるのが僕らの特徴なので、そういうところを大事にしていきたい。あとやっぱり日本だけじゃなくて海外でも活動していきたいですね。
公演情報
MA55IVE THE RAMPAGE 2nd LIVE TOUR 2025 "M5V" ~EMPIRE CODE~
- 2025年9月18日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2025年9月20日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2025年9月26日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2025年9月28日(日)愛知県 Zepp Nagoya
- 2025年10月1日(水)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
- 2025年10月7日(火)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
- 2025年10月9日(木)静岡県 LIVE ROXY SHIZUOKA
- 2025年10月19日(日)新潟県 NIIGATA LOTS
- 2025年10月27日(月)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2025年10月30日(木)宮城県 SENDAI GIGS
プロフィール
MA55IVE THE RAMPAGE(マッシブザランペイジ)
THE RAMPAGEのパフォーマー、LIKIYA、神谷健太、山本彰吾、浦川翔平、鈴木昂秀からなる5人組ヒップホップユニット。2020年2月に配信シングル「Determined」でデビュー。2022年12月に映画「HiGH&LOW THE WORST X」の劇中歌「RIDE OR DIE」、2023年9月には初となるシングルパッケージ「INVADERZ」を発表した。2025年にはコラボレーションプロジェクト「MA55IVE UNION」を始動。その一環としてAK-69やSKRYU、Crystal Kay、DOBERMAN INFINITYらを迎えた2ndアルバム「EMPIRE CODE」を9月にリリースした。アルバムリリース後、ライブハウスツアー「MA55IVE THE RAMPAGE 2nd LIVE TOUR 2025 "M5V" ~EMPIRE CODE~」で9都市10公演を行う。
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